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ヤンと呼ばれて  作者: ヤン・ウェンリー
9/25

ヤンと呼ばれて10

しばらくすると日本生命のおばちゃんがはしってやって来る。

「薙野さん、薙野さん、インタビューいいですか」少し興奮ぎみである。

「やれやれ、やっときたか」俺が答えた。

「薙野さんがヤン・ウェン・リーなんですね」

「そうらしいね、俺も鹿島に居るとき聞いたよ」

「南さん凄い事になっていますよ『ドボン』一夜で600万書き込みがありました」

「100万書き込みがあればしれ狂うと思っていたが600万ねぇ、権力が暗殺者を送ってくる数ね」

「最近の暗殺者は名乗るんだそうですね」

「最初に聞いた時は夢でも見ているのかと思ったよ。

まあそれで全部分かったけれど。

眼福と言うか、めったにできない経験させてもらったよ」

「イラク派兵に反対だとか」

「誰も死んでないならともかく。

人がたくさん死んでいるからね。

外交だから相手もいることだし、表に出せない事情もあるんだろう。

かわいそうだけどしょうがないよね」

「薙野さん、欲求を取り下げるんですね」

「改憲をしろ。出来なければ票を移す」

保険のおばちゃんが沈黙した。

「内政だろう。

誰に遠慮がいる。

憲法をかえろ」

「年金は」

「税金の事は俺に聞くな、政治家に聞け、分からないから月100万も払って雇っているのに」

「まあ年金に対して言うならば人口が減って破綻する事は分かっているんだろう。

みんな何で貯金しないんだ。

おかんが払えというから払っているけど、

みんな足し算と引き算ができないでやんの」

「オタクが保守なんですね?」

「そうだょ。

そもそも自民党は勘違いしている。

俺を手に入れれば600万票そっくり手に入ると思っている。

俺が自民党に入ったって、ただの裏切り者で巌の1票しかこん。

自民党が保守に体質を変えて自分で取りに行け」

「薙野さん、自民党にどぶさらいをさせるんですね」

「頑張れば、書かれた時にダメージが少ないかも」

「前原確か改憲だろう。

もう片方もやらせてみないとかわいそうだろう」

「改憲がならない時はドボンと民主党に移すんですね」

「そうそう、オタク票なんだろうオタクがオタクのために使って何が悪い。

オタクがあれを見て、大変迷惑をしている。

ヤられたらやり返していいんだ。

憲法をかえろ」

「前原さん、1項と2項をとるそうですよ」

「可愛い奴よのう」

「抱きしめて、ちゅーしたい」あんまり変な事を言うから「ハハハハハ」と笑った。

「薙野さん。

国民投票で否決された時はどうするのですか」

「変えるさ。

できない奴にやらせてもしょうがないだろう」

「薙野さん、改憲一本に絞るんですね」

「できるかな、

できるかな、

はてはて工夫。

はて工夫」と歌いながら踊った。

「薙野さん、憎まれ役を引き受けるつもりですね」

俺は人差し指を口の所に立てて無言で「シー、シー、シー」とやった。コクコクコクと小さく三度うなづいた。

盗聴機だけでなくカメラも設置してあるとは思わなかった。

「薙野さん、本当に『先道』なんですね」

「なんだ『後道』ってのがあるのか」

「いいえ『先知恵』って言うんですよ。憲法9条が無くなると「庄司」の霊が日本にくるんですよ」

「「庄司」の霊? ゴー宣に書いてあった角のはえた未熟児みたいな奴か?」

「そうなんですよ」

「俺の所に来ているって書いてあったぞ。

ならいっしょじゃないか」

「薙野さん改憲だから「庄司学」が世界中の「庄司」を連れて来ているんですよ」

「ふ~ん。

別にかまわんよ。改憲をしろ。

その方が重要だからね。

600万幻影に怯えやがって」

「幻影何ですか」

「そうだよ、

まあおれは4時間働いて4時間ゲームして4時間小説書いて12時間寝る。

お前ら月100万もらってるんだ。

寝ずに働け」

「交尾の時間は」

「寝るに入ってる」

「杉村大蔵議員に意見はありますか」

「あいつ良いねえ。

政治家はやっぱり運が良くないといけない。

あいつを次の総理にしろ」

「改憲がなった時、ご褒美は?」

「そうだな。

ご褒美はあげよう。

天国と地獄にしとかんと。

やる気が全然違うだろうからな」

「薙野さんは小説家に成るんですね」

「そうそう。

人が人を背負わなくなってきている。

小説家になって共同体を再生させたい」

「先道だから何にも知らないんだ。

薙野さんおんぶに抱っこに肩車ですよ」

「なんだそりゃ」

「薙野さん、最後に一言ありますか」

「俺の手をわずらわせるんじゃねえ」

「そんな事を言わないで森さんの事を助けて下さい」

「何かしらんがまかせとかんかい」

保険のおばちゃんニコニコしながら帰った。

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