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ヤンと呼ばれて  作者: ヤン・ウェンリー
8/25

ヤンと呼ばれて9

その日はいつも通りカーステレオで水木一郎のキャプテンハーロックをガンガンにかけて「君は地球を愛していた」の歌詞をかえ「君は祖国を愛していた」と歌ってテンションをガンガンにあげた。

今日朝から橋本さん四十代主婦、中村さん三十代主婦、瞳ちゃん十代独身がやって来る予定。

俺が朝の仕込みをやってると次々やって来る。

誰一人今日がいつもと違う日常になるとは疑う者はいなかった。

準備を終えて店を開けるとちらほらと客が入り始めた。

忙しくなった頃、外国人が三人入ってきた。

一番奥の席に座って橋本さんに何か話している。

「店長、暗殺者が来ている、逃げて」

「はい」橋本さんがきていきなりいいだしたので、何の事か理解出来ずにきき返した。

「暗殺者、暗殺者」と小声で何度も繰り返した。

総合的に考えると白昼堂々「あいつを殺しにきた」と名乗りをあげたと。

「う~ん」俺は夢を見ている訳じゃないよな。

ちゃんとラーメン作っているし。

これは自民党が脅し役と恩を売る役がいて、逃げてきた所をSPが助けるというシナリオだな。

ようし裏をかいてやれ。

「いいから、オーダーとってこいよ」といって送りだした。

瞳ちゃんと中村さんが

「暗殺者」

「暗殺者」

小声で何度も話かけてきた。

結局三人組はラーメンを注文してきた。

クスクス笑いがこみ上げてくるのを噛み殺すのに必死だった。

客もまばらになり瞳ちゃんと中村さんをかえした。

二人は心配そうにして帰った。

暗殺者さん達はラーメン一杯で2時間以上ねばるのだから。

俺がしゃがんでズンドウを洗っていたら、客が暗殺者だけになった。

暗殺者がレジまできて橋本さんを脅したみたいだ。

「店長、逃げて暗殺者がきた」橋本さんが叫びながら走ってこっちにきた。

その時、得体の知れない力が俺の左肩をわしづかみにして、身体をひきづりあげた。

「しょうがない奴だ」

悪霊「庄司学」が俺を逃がそうとひきづったらしい。

だが俺には別な光景が見えた。

たくさんの『霊』が変化した蛍火達が天井に張りついていて、一粒一粒胸の中降りてきて暖かかった。

「橋本さん、ここにいてね」俺の票が欲しいんだろう9割9分9厘9毛殺しは無いだろうと、思っていたが。

万が一があるからサヨナラをいう事にした。

「いってきます」帽子をかぶり直してから、暗殺者達のいるレジに歩きだした。

「英霊様、どうかお守り下さい」粒だった糸状になり。

やがて大きな本流となって流れ込んできた。

とても幸せでした。

これがゴー宣で小林先生が言いたかった事なのか。

そう思い暗殺者の前にたった。

しかしなんだな〜。

やる気があるのは一人だけで、残りの二人は帰ろうよていう顔してるんだもんな。

いきなり顔面ぶち抜いて三人とも殺してやろうかという誘惑にかられたが、どんな武器持っているか分からないから上手にやることにした。

「ありがとうございます」深く頭をさげてから頭をあげた。

それから一歩下がって猫足立ちになり、脱力した状態の左手をスーとあげた。

菊地秀行の本の中で達人達の紹介の中で、八光流柔術はCIAに技を教えていると自慢気に書いてあった。

「こい、八光流柔術」と胸の中で叫んだ。

中指と人差し指をまっすぐ伸ばしお金の上で待機していた。

俺がお金を取りにいった所を指取りするつもりだ。

俺のもつ金縛りの能力を封じるため、両目開けているとまずいから、片目を帽子で隠していた。

俺があんまり動かないものだから、俺の目を見にきた。

俺は「舌舐めずり」をした。

この時「開祖」か「英霊」か「庄司学」か知らないが、俺の能力を使って髪の毛で帽子が浮き上がるほど逆立てた様である。

そこまで加勢してもらわんでも、これくらいどうにかできるが。

暗殺者は深いため息をついて指を引っ込めた。

俺も同時に左手をおろし、目だけで釣り銭を数えた。

「ちょうどですね」というと、暗殺者は「帰るぞ」と手を動かした。

三人とも店を出ていった。

「ありがとうございました」と深く頭を下げた。

「ふう」と一息つくと橋本さんが走ってきて背中にしがみついて、ガタガタに震えて「店長店長」叫び続ける、そっちの方がびっくりしたくらいだ。

「終わった。終わった。終わった」振り向いて彼女の肩を押さえた。

「本当に暗殺者がきたら逃げ切れる訳ないんだから、断じて行えば鬼神もひく。

これしかないんだから」

しばらくなだめているとバタツキもおさまってきた。

「さあ。普通に仕事しよう」橋本さんは卵をむきだすが「やっぱり、ダメ」といって座敷にねころがった。

「だらしない」と一言いうと。

「店長が凄すぎる、気にあてられただけでダメ」といってゴロゴロ寝転がった。

そこに両親がやってきた。

「今暗殺者とすれ違った時、働き者のいい息子さんですね。何かの間違いでしょうて」無邪気に喜んでいる母親に頭が痛くなってくる。

「違うよ。

自民党だょ自民党。

なんで暗殺者が名乗りをあげるんだい」

「白昼堂々変な話ね」

「本物なら今頃ライフルでズドンだぜ。

第一来ているの分かっているならSPが取り囲んで終わりだろう」

お父さんもお母さんも気付きだした。

「脅し役となだめ役がいる。

典型的なヤクザのやり方じゃないか、骨折りにきてたよ」

「あんた、大丈夫ね」お母さんが心配して声をかけてきた。

「ああ、折らせなかったけど」短く答えた。

「自民党がCIAの暗殺者にヤン・ウェン・リーを差し出した。

マスコミに言えば」と親父がいってきた。

「これはマスコミにリークした方がいいね、俺は良くても橋本さんが持たない」

親父は肩をいからせてでていった。

おおかたマイクロバスでも有るんだろ、お母さんもついていく。

「俺みたいな、小物をねらはないで池田大作の所にいけ、大作の所にいけ」と盗聴機に聞こえるように叫んだ。

しばらくしたら帰ってきた。

SPをぶん殴って歯をへし折った。

「石原慎太郎に会いに東京までいく」また出ていった。


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