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ヤンと呼ばれて  作者: ヤン・ウェンリー
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ヤンと呼ばれて5

友人の墓参りに昔高校のメンバーが集まった。

すっかり厳しくなったせいか、酒を飲むやつと飲まないやつにキッパリ別れた。

俺は運転手だから飲めない方だ。

リーダー格の川井が離婚したせいか全員独身だった。

俺の永遠のライバル松延が奇妙な事を言ってきた。

いつも「松延家次期当主」が口癖の変な男だが、この日は違っていた。

「松延家は妹で血を残す、私はネットで有名なヤン・ウェン・リーの子供を育てるとしよう」にこやかに言った。

「はあ、なんでお前が俺の子供を育てるんだ」俺が逆に聞いた。

「えー」と周囲が驚嘆の声をあげた。

「えー、あの霊能の大事件お前だったのか」一斉に驚いた後

「シャーマン」

「シャーマン」

「シャーマン」

「シャーマン」とそれぞれが確認をとりだした。

七豚だけ「俺は違うけど」と否定した。

「ちょっと見ていいか」と川井が聞いてきた。

どうやらここにいる連中は巌まで含めて「先知恵」らしい。

「うわー、凄い。宗茂がいる」川井が口にした。

「霊王がいる」松延

「古賀誠暗殺する気か」朝吹

「お前暗殺者が来るぞ」西野

「馬鹿、こいつの方がつよいんだって」船木

「お前、舌なめずりでやめとけよ」川井のアシスタント1

「最近のスナペッヅナイフはあばら事いくぞ」川井のアシスタント2

「あまり知恵をつけるな」巌が大きな声をだした。

「ああお前なら言うよ、満顔全席を食わせろだ、ガンダムを作れなど言うよ」松延が口にした。

「79才と54才か」と川井が聞いてきた。

「なんだそりゃ」

「俺も長生きしたいとは思わんけど、薙野の子供が一人前に成るまで生きたいんよ」巌

「森を助けてやれよ」

「何の事だ」川井の問いに俺が聞き返す。

川井の発言の意味が俺には分からなかった。

「ネットの中で、どこかで聞いた話だと思っていたけど。俺達、お前の子供育てるけん、美人の女をくれ」

「何の事だ」

「今は分からんでもいいんよ」

「お前、ラーメン屋辞めてクランプに食べさせてもらえよ」松延

「馬鹿、こいつじたい売れっこの作家だって。

モアだ、モアがいる」川井

「薙野の場合はアギトでしょう」森

「私はアギト的な人間で、モアのモデルは巌なんだが」

「良かったじゃないかクランプと飲んだ事あるけど相当美人の集団だぞ」川井が口にした。

「なんだ永遠のライバルよ、お前が言い出したんだぞ」俺が松延に言うと。

「お前が霊王だよ、勝てるわけない」松延が答えた。

「えらい差が開いたライバルやな、俺、これマンガにするよ」川井

「そのかわり「どぼん」戦略までかけよ、今は一票でも欲しい」

「死んだ事にしていいか」川井が言うてくる

「構わんよ」俺は短く答えた。

俺以外は偉く盛り上がって法事が終わった。

成田故人を偲ぶというより同窓会になっていた。

しばらく日にちが経つと・・・

バイトの中村が入って来るなり「自分、漫画になっとるやん」聞いてきた。

「ああ、俺が書かせた。

今は一票でも欲しい。

何を描いたかまで知らん」

「自分ベロベロ魔神にされているよ」

国会議員は漫画なんか読まないだろうから書かせてみたが、一体何を考えているんだ。

「なんだそりゃ」

「薙野さん、暗殺者がきたら逃げていいんよ」

「何の事だ」

「解らなくていいんよ、薙野さんとってもかわいそうなんよ」

「同情される程、哀れな人生送っているつもりはないが」

「薙野さんの小説とかも自民党がさらし物にしているんよ」

「そうか」と短く答えると、会話が続かなくなった。

愛読書であるゴーマニズム宣言がのっているSAPIOの雑誌で怨霊の特集がしてあった。

ゴーマニズム宣言でも俺の事が書いてあった。

俺が盗聴されている事。

俺が庄司の霊に取りつかれ、死にかけた所に、インパールの英霊が守ってくれた事。

後我々オタクが保守である事、

後、柱書きに民主党が人権擁護法案に全員賛成であることなど初めて知った。

後日また中村が聞いてきた。

「薙野さん、死にかけた事が在るの」と聞いてきた。

「在るよ。日本脳炎にかかって三日間昏睡状態になった」

「薙野さん」

「本当の俺はあの時死んでいて、今の俺は正しい事をして、何か大きな物に1日1日寿命をもらってるに過ぎないと思っているよ」

「薙野さん、本当は折れてないんやね」

「折れる、何の事だ」

「薙野さん、思う通りにやり、止めはせんけん」

「分かった。そうするよ」中村の励ましに短く答えた。

元いたサークルで「電波男」というインターネットのサイトの話を鬼木とオルがしていたが、書籍化されていたので買って読んだ。

なかなか面白い考察だった。

ヤン・ウェン・リーがネットでサラシモノにあっている。

一般人によるオタクいじめはここまで極まってる。

ヤン・ウェン・リー氏はオタクを導いてくれる。

世界中に夢を見せて宇宙に連れて行ってくれる。

など書かれていた。

後で知ったのだが彼もジャーマンで極真空手の使い手らしい。

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