童貞SFサバイバル
作者も童貞なので色んな間違いのある小説です。
それでも許してくれる心の清らかな方だけ読んでみて下さい。よろしくお願いします。
童貞率、0.02%──
電光掲示板に示されたこの数字に吐き気を催したのは、恐らく俺だけでは無いだろう。
隣で膝から崩れ落ちている様子の渡辺慎一も、同じ気持ちのハズだ。
「マモル、まさか、この0.02って数字…」
慎一が絶望を孕んだ顔で俺に問いかける。
間髪入れずに俺は答えた。
「ああ、俺らのことだ」
状況は一向に理解出来なかったが、事実をありのまま受け入れるほかに無かった。
──事態は昨日の夜まで遡る──
仕事終わりに待ち合わせた都心の呑み屋街で、ある決意を固めた2人組の男が居た。
2人ともまだ若く、26歳か27歳に見える。
1人は亀頭護、もう片方は渡辺慎一だ。
両者は会社の同期であり、気心の知れた良き親友でもある。
しかし、彼らには他の友人などには話せない秘密があった。
それが「童貞」、つまり異性とのスキンシップであり、コミュニケーションの究極体、男として産まれたからには1度は経験したいことを、彼らはまだ経験していなかったのだ。
彼らの友人はと言うと、軒並み彼らよりも早く「経験」をし、「ひと足早くオトナになったぜ」だの、「お前も早くオトナになれよ」だの、クソどうでもいい報告と忠告をする輩が多かった。
その現実に、今まで耐え抜いてきたマモルと慎一であったが、遂に今夜、覚悟を決め「童貞を卒業しよう」と心に誓ったのであった。