魔力MAX公爵令嬢は王太子に溺愛される。
【Aqua Garden~光の勇者と水の巫女】のスピンオフ。異世界ティルローランドの王様と王妃様がまだ婚約者だった頃の話です。
本編関係なく、政略結婚を嫌がる婚約者を離すまいと溺愛する王太子様×魔力MAXで魔法大好き公爵令嬢の追いかけっこラブコメとしてお読みいただけるかと。
魔王復活の兆しがあると、噂が流れ始めた。それもそのはず。完全に封じられていた魔物たちが、あちこちで目撃されるようになったからだ。
この世界――ティルローランドには、元々力の弱い魔物は常時出現する。強い力を持った魔物は、歴代の光の勇者と水の巫女により魔王と共に封印されてきた。大体100年の周期で封印は解かれ復活してしまうのだが、勇者と巫女は異世界であるガーデンと呼ばれるところから召喚されることになっている。
魔王復活の時でなければ、常時平和なこの世界。だが、しかし。私にとっては降って湧いたチャンスだ。
――よし。これで堅苦しい王太子の婚約者、という肩書きから解放されるかもしれない!
王太子妃教育、という名の私にとっては拷問に等しい耐え難い時間。だったら放棄したらいいかといえば、表面上は優等生な自分には出来るはずもなく。今日も今日とて淑女の仮面を張り付けて、難なくこなしてしまうのだ。
ああ、ハイスペックな我が身が恨めしい。中身がお馬鹿であれば、泣きついて逃げ出せもしようが、無駄に能力が有り余っているのだ。そりゃ、王太子の婚約者にでもなんでも担ぎ上げられても文句のつけようもない。
婚約者である、このティルローランドの第一王子にして王太子でもあるアレキサンダー・リオン・ローランド様も、かなりのハイスペックだ。文句のつけようのない、整った容姿。金色の輝く髪に碧眼、という王子様を絵に描いたような世の女性を虜にする方。それに、王家特有の強い火の魔力を有している。
だが魔力に頼らず、騎士団にも属し、自らを鍛え上げ。着いた二つ名が、大剣の炎鬼神という大層なモノだ。重力を無視したかのようにかなりの重量の大剣を振り回し、しかもその剣には己の火の魔力を注ぎ込んでいる。向かうところ、敵なしなのだ。
――だったら何が不満なのかという話になるのだが。まず第一に、私は面食いではない。イケメン無罪、ともいわれる顔面重視の世間に反して、お顔がキレイですわねー、ぐらいの反応しか出来ない。そんな私も燃えるような赤い髪と瞳を持つ絶世の美少女、と言われているらしいのだが。美醜に興味のない自分には、まるで関係のない話。
そして、私には容姿なんてどうでもいいものよりも。膨大な魔力を有していることこそを、人に誇りたいのだ。王太子妃になどなっても、この魔力を思う存分、活用することが出来ないだろうことが不満で仕方ない。
風の魔力が測定器をぶっ壊すレベルのぶっちぎりMAXで、希少魔力と言われる水の魔力も持っている。隠れて魔法研究所に協力はしているが、どうせなら正々堂々それを生業にしたいのだ。
魔法研究所でなくても、魔法省とか。何なら、無駄に鍛えた戦闘力を生かすには、冒険者だってアリだろう。――ああ、平民になりたい。貴族でも、末端の男爵家とかなら良かったのに。
「――アメリア?」
「……………………」
「ねぇ、聞いてる? アメリア・スペンサー公爵令嬢?」
「っ!?」
耳元に、囁くようなバリトンボイスが響き。思考の迷路を彷徨っていた私は、一気に現実に引き戻された。
「な、何でございますか? 殿下」
「だから。そんな他人行儀な呼び方はしないで、って言っただろう? アレックス、と呼んでくれないか」
「いえ、まだ仮の婚約者の身ですので、そのような馴れ馴れしい呼び方は出来ませんわ」
「俺がいいと言っているのに」
魔王復活となれば、勇者と巫女が召喚される。ということは、それに仕える従者も必要となる。王太子の婚約者、なんて肩書きは平時であったから仕方なく受け入れていただけ。従者に立候補できれば――円満に婚約者を辞退できるかも? と考えていた矢先。珍しく、公爵家を訪ねてきた(約束もなく、怒)婚約者、こと王太子殿下。
普段は、あまりこちらに興味を持つような素振りもなかったというのに。ここのところ、急に接近してきたかと思えば、更に距離を詰めようとしている気がする。
「誰かに、何か言われでもしたのですか、殿下?」
「えっ?」
「わたくしたち、長年婚約者ではありますが、政略的な婚約ですもの。今まで程よい距離感で上手くやってきたではありませんか。今更仲を深めようなどと、誰の入れ知恵かは存じませんが、必要ありませんわよ」
スラスラと、不敬とも取れる文言が出てくる。ああ、どうせなら不敬罪で婚約破棄、とかしてくれないかしらー。
「君は――本当に俺に興味がないんだな」
「はっ? 何ですか、今更」
「いや、分かっていたつもりではいたんだが、直接態度で示されるというのもキツいもんだな」
あら、今度は殿下が思考の迷路に入られたようね。どうしましょう、勝手に帰ってもいいかしら。そして、あわよくば婚約破棄を――。
「アメリア、言っておくけど。俺は絶対に婚約破棄なんてしないからね」
「あら、口に出ていましたでしょうか。失礼致しました」
「口にしなくても、顔に出てるよ……。ああ、婚約は、破棄でなくても解消も無効にもさせないからね? 頭のいい君のことだから、破棄以外も視野に入れているんだろう。でも、君以外が婚約者になるだなんて、俺が許さないからね」
壮絶なまでに麗しい微笑を浮かべ、一気に間合いを詰めて頬に手を添えてくる――あれ、何かキスでもされそうな距離じゃない?
「殿下、近すぎです」
「婚約者なんだから、問題ないよ」
「いえ、だから何度も言っておりますが!」
「もう、減らない口は塞いでしまおうか」
「はっ!? な、何をっ!!」
うん、だから唇でね。
今度は駄々漏れの色気を撒き散らし――有無を言わさず、殿下は私に荒々しく口付けてきた。
ちょっと、待ってーっ!! 確かに、初めてではないけれどっ。指折り数える以上には、義務的にキスはされてきたけれど!
――――こんなっ。腰が砕けそうな、脳髄から痺れそうな、こんなキスは……知らないわ!
「ふふっ。甘いな、アメリアは。蕩けてしまいそうだ」
「……なに、を。貴方の方こそ! 何ですの、こんな、実力行使のようなっ」
「そうだな。何なら、既成事実でも作ってしまおうか? 王家に嫁ぐ女性には処女性が求められるが、いずれ一緒になる相手なら処女でなくても問題はないからね」
「はぁーっ!? それこそ、実力行使でこちらも魔力全開で抵抗させて頂きますわ!!」
「残念だね。魔力に関しては、王家お抱えの魔術師が公爵家に結界を貼ってあるから、無効になると思うよ」
何ですって! この陰険王太子!!
「陛下と王妃様に、直々に婚約破棄を願い出ようと思っていましたのにっ」
「うん。従者になりたいからだろう? アメリアの考えることくらい分かるよ」
「でしたら、殿下からも口添えして下さいませ! わたくしの魔力は、魔王討伐にこそ必要とされるものですわっ」
「そうだなー。アメリアと一緒に、勇者様と巫女様を支えて世界を回るのも悪くないな。城にいるより、ずっとイチャイチャできる」
えっ。何て言いました、アホ殿下……? 一緒に、世界を回る? それに、イチャイチャ、って何のことですか。
「一つ、殿下に確認したいことがございます」
「婚約破棄なら諦めてね」
「それは、今は置いておきます。というか、そんなに頑なに婚約を続けようとなさるなんて――殿下は、わたくしを好いていらっしゃるのでしょうか?」
「…………………アメリア」
あら。何だか、殿下の眼が据わってる? また、何だか壮絶に麗しい微笑を垂れ流しにされてません!? 私は面食いではない、と自負してはいるけれど。何でかしら、殿下に見つめられると心臓が跳ね上がって呼吸が苦しくなって……まさか、何かの病気に罹ってしまったのかしら?
「俺は、今まで君に愛を伝える努力をしてこなかったことを、とても後悔しているんだ。想いは、胸に秘めているだけでは伝わらない。だからね、」
「で、んか……?」
愛しているよ、アメリア――――
さっきよりも更に深い口付けに、身も心もドロドロに蕩けさせられ。ちょろい私は、一気に殿下の――アレキサンダー様の虜にさせられてしまったのだった。
「じゃあ、アメリアはアレックスのこと好きじゃなかったの?」
無邪気な問い掛けに、アレキサンダー様……アレックスが麗しいお顔を歪めているのが見える。
空気を読まず発言するのは、天真爛漫、を絵に描いたような巫女様――ティリカだから仕方ない。誰も怒れないのだ、悪気もないのだから。
「アレックス、アメリアのこと溺愛してるのにねぇ。下手したらヤンデレだと思うけど」
「ヤンデレ、とは何かなーティリカ?」
前に、ティリカから聞いた言葉だ。病的に、誰かを愛する人……異常性を伴う愛は、それを向けられる相手からしたらとんでもなく恐ろしい。監禁、束縛、更に進めば心中? アレックスがそうなる要素を持っているなら、逃げ続けるのは得策ではない。何か、地の果てまでも追ってきそうだ。
「好き、ではあったと思うわ。本当に嫌な相手なら、家を飛び出して早々に冒険者にでもなっていたもの。それが出来る力も持っていたから」
「なら、いいんだー。さすがに、好きでもない相手から溺愛されるのは辛いと思うんだよね」
ティリカの発言は、的確にアレックスの心の傷を抉っていく。
「いや、絶対アメリアは好き、ではなかったよな? 絆された、とか流された、とかが真実じゃないのか……?」
あー。本気で私が婚約破棄しようとしてたの、堪えてたんだな。何か、色々ごめんなさい。確かに、絆された可能性もあるから否定は出来ないが、今はアレックスを愛しているのだから許してもらえないだろうか。
ティリカに、私とアレックスの馴れ初めというか――想いを通わせるまでの経緯を尋ねられたものだから、ばか正直に話してしまったのが数十分前のこと。アレックスがいなかったから、まあいいか、と思ってしまったところもある。
従者になりたいがために簡単に婚約を破棄しようとした私を諦めず、隠し続けていた重苦しい愛で包み込み(丸め込み)。結果的に、こちらもアレックス無しでは生きられない、と思う程には愛してしまったのだから仕方ない。
結果的に、婚約は破棄も解消も無効にもならず。割りとあっさりと勇者パーティーの従者として、私たちは旅に出ることになったのだ。魔王を封印したら、即結婚式、という条件付きではあったが。
「ティリシアもヤンデレっぽいんだよねぇ。ヤンデレ率高いパーティー、ってヤバくない?」
「ティリカは、そんなティリシアが大好きなんでしょう?」
「えへへ。まあ、そうなんだけどね!」
魔王復活の兆しが現れてから、半年後に。異世界から、勇者 ティリシア・ファレルと巫女 一色里香が召喚された。
光の勇者、ティリシアは小国の王子。留学先で偶然出会い、優しくしてくれた少女に恋をした。それからは押しの一手で、あの手この手で口説きまくり。陥落しかけたところで、ティルローランドに召喚されてしまったのだそうだ。
巫女であるリカは、この世界に来たんだし名前もそれらしくしたい、と言い出し。ティリシアとお揃い、と喜びながら"ティリカ"と名乗ることにした。その方が、異世界で生きるには覚悟も決まる、と笑っていた。
自ら付けた名前を気に入っていたようだし、私たちも親しくなるにつれ、普通にファーストネームを呼び合う仲になっていった。
私とアレックスの他に、大神官様でもあるギャレット様とSランク冒険者の剣士・ヴィンセントもいるが。皆、身分に関係なく、遠慮なしに言い合える存在。家と城を往復して、妃教育を受ける毎日では知り合えなかった大事な仲間たちだ。
「ティリカは、魔王を封印したらガーデンに帰ってしまうのよね……」
「えー? 淋しい? アメリアはツンデレだから認めないかなー」
「ヤンデレの次はツンデレ、ですか? 貴女は本当に発言が自由すぎるわね」
普段はツンツンしているのに、時々デレるのが萌える、と言っていたが益々分からない。さすが異世界の言語、だ。
「私ね、水の女王に後継者にならないか、って誘われてるんだー」
「女王様に……凄いじゃないの、ティリカ! 貴女の魔力なら当然かもしれないけれどっ」
「へへへっ。ありがと、褒めてくれて。ティリシアにも相談したんだけどさぁ。あいつ、王位継承者の癖に、自分もティルローランドに残る、って。光の精霊王になって、私を支えてくれる、って」
「ああ、ティリシアなら当然そう言うでしょうね。良かったじゃない、何も問題はないでしょう? でも、貴女も故郷に帰りたい、のよね?」
2人がティルローランドに残ることを選んでくれるなら、私たちは淋しくはないかもしれない。でも、急に召喚されてきた2人は周囲の人に別れすら告げていないのだ。今はまだ時間の流れが緩やかになっているはずだから、魔王を封印してから戻っても問題はないはずなのだ。そうやって、歴代の勇者と巫女も、帰るか残るかを選択してきたのだから。
「私の家はね、代々巫女の家系で。お姉ちゃんも強い風の魔力を持ってるんだ」
「あら、ティリカは元々巫女だったのね」
「さすがに、異世界に召喚されて巫女様やるとは思わなかったけどねぇ。水の魔力を持って生まれた、私の宿命だったのかな? ティルローランドのことは全然知らなかったけど、実は魔王の夢は昔から見ててさー。私、いつかここに来るんだろうな、って思ってた」
「ティリカ……」
水の女王となる器を持つ、莫大な魔力を有する巫女は――数百年に一度しか現れない。女王となれば、人間とは異なり永い時を生きることになる。強い光の魔力を持った勇者もまた、光の精霊王となれる素質を持っている。精霊王になれば、やはり人間より永い時を生きることになる。
ティリカが気にしているのは、そのことかもしれない。
「わたくしたちが先に老いて、貴女とティリシアを残して先立つ日が必ず来る。でも、人間なんて、どうせいつかは死ぬのよ。それが早いか遅いかの違いだけ。貴女が、女王になって世界を護り――ティリシアが光の精霊王として傍で支える。素敵なことじゃない?」
「アメリア~。大好きだよぉ~!」
「ちょっと、離れなさい! 暑苦しくってよ!?」
まあ、その前に。ちょっくら魔王を封印してこなきゃならないんだけれども。
「何処までも、お供するよ。ティリカ」
「ありがと、ティリシア!」
いつの間に戻ってきたのか。光り輝くオーラを撒き散らした勇者様は、周囲の眼など気にすることもなく、キュッと愛しい少女を抱き締める。
このヤンデレ(仮)は、きっとその選択が世界を滅ぼそうともティリカを選ぶんだろう。それ程までに、盲目的にティリカしか見ていない。何なら、従者である私たちがきちんと仲間として認識されているのかも怪しい。ティリカが仲良くしろというからそうしてる、と言っても間違いではないと思う。
「ねぇ、ティリシア。貴方、勇者の務めはきちんと果たしなさいよ?」
「やだな。誰に言ってるんだい、アメリア」
「……ハイ、ゴメンナサイ」
うわ、腹黒ドS王子(ティリカ命名)の微笑みだ――! ブルブルと背筋が凍りそうな、絶対零度のスマイル。これは、さっさと謝るに限る。
「だってさ、せっかく僕がティリカに受け入れてもらえてこれからって時に召喚されて、いきなり勇者と巫女になれだなんて。何の権限があって僕たちの邪魔をしてくれやがるんだと思わない? こうなったら、魔王なんてサクッと葬って早いとこイチャイチャするんだからね」
うわぁ。ティリカもドン引きレベルで語り始めてしまったよー。
「アレックスだって、僕と同じだよね? 魔王を倒さなきゃ、アメリアと結婚できないんだから」
「まあ、そうだな。魔王が復活したせいでアメリアが婚約破棄だなんて企んだりした訳だし?」
「ちょっと、アレックスまでー! もう婚約破棄なんて絶対言わないから、蒸し返さないでっ。私にとっては黒歴史なんだから!!」
力説する私を宥めるように、アレックスは頭を撫でたかと思うと、そのまま額を合わせてきた。
ヒーッ! 眼が据わってるからっ。ホント、もうしないから信じてー!!
「結婚式、楽しみだね? 可愛いアメリア」
「ま、まずは魔王を封印してから……」
「その隙に逃げたりしたら、承知しないからね。アメリア――?」
「~~っ!!」
さわさわ、と頬擦りをして。こちらもまた、絶対零度のスマイルを繰り出してきやがった! ライフ0になるから、止めてぇっ!
「ウェディングドレスのデザインはもう決まってるんだ」
「そ、そうなの(いやいや、着るの私なんだから相談くらいしてよ!)?」
「3日は寝室から出られないから、覚悟しておいてね」
「――えっ?」
婚約者の、ヤンデレ化が止まらないようです。愛されてるのは嬉しいんですけど、ね。
「仕方ありませんわね。結婚して王太子妃になっても、魔法研究所に通わせて下さるのであれば。全て受け入れて差し上げますわ」
「アメリアは本当に魔法が好きだよね。正直妬けるくらいだ」
「人間でないものにまで妬くだなんて、王太子殿下はそんなに器が小さいお方なのかしら?」
「アメリアには敵わないなぁ……。毎日俺の隣で眠ってくれるのであれば、構わないよ」
「夫婦になるのですもの。それくらいは、当たり前ですわ」
「ただ眠るだけで済むかは分からないけど、ね」
不穏な発言は、聞かないことにしておこう。だって、何だかんだ言ったって。愛しているんですもの。どんなに重い愛だって、受け止めて差し上げますとも!
公爵令嬢 アメリア・スペンサー…王太子の婚約者。風の魔力MAX、水の魔力も併せ持つチート級な魔法少女。異世界転生、転移はしてない。緋色の髪と瞳を持つ絶世の美少女で、赤薔薇の魔女という二つ名がある。
王太子 アレキサンダー・リオン・ローランド…ティルローランド王家の第一王子。次期王と名高い力を持つ、金髪碧眼の絵に描いたような美貌の王太子。婚約者を溺愛しているが、口下手で伝えられずに外堀から埋めていた策略家。騎士団に属し、剣技を磨き、着いた二つ名が大剣の炎鬼神。
水の巫女 一色里香。改名して、ティリカ・カーソン…女王の素質を持つ、何代かに1人と言われる特別な力を秘めた巫女。異世界から召喚されたが、ポジティブで型破り。見た目の清楚さからは想像のつかないお転婆巫女様。
光の勇者 ティリシア・ファレル…日本に海外留学で訪れていた、小国の王子。ティリカに熱烈な求愛を続け、漸く想いが通じた矢先に異世界に共に召喚された。ティリカのためなら、世界が滅んでも構わない、ヤンデレ気質。