7.仲間
翌日、宿屋の手伝いを、終え大森林へ、むかう。
当たりを探索する。気配遮断を使用し、察知の反応に引っ掛かった方へむかう。
スライムを発見する。核に一撃を加え、魔石を回収し次の反応場所へむかう。
その後も、数体のスライムを倒し、1つレベルが上がった。
次にむかった際、とうとう、ゴブリンを発見する。
むこうはまだ、こちらに気づいていないようだ。鑑定を使用する。
名前:なし
種族:ゴブリン
性別::♂
レベル:3
体力:???
魔力:???
スキル:なし
ランク:F
俺の今のレベルは2だったため、人を鑑定した時同様に自分よりレベル高いゴブリンのステータスは分からないようだ。
呼吸を整え、無属性魔法の身体強化を行い、一気に駆け出し、首めがけて、一撃を加える。手に少し、不快な感触がある。骨に引っ掛かっているのか、両断までいかなかった。
ゴブリンは、「グギャ。」と悲鳴をあげながら、手に持っていた、武器のようなものを俺めがけて、振ってくる。すぐさま、バックステップでかわす。
俺が、次の攻撃に移ろうとする前に、ゴブリンが倒れる。
『レベルアップしました。』
『鑑定の使用回数が一定に到達しました。レベルアップと同時に、中級鑑定へレベルアップします。』
頭のなかで声が聞こえる。鑑定もレベルアップしたようだ。
ゴブリンを倒したことを確信した俺は、周囲を警戒しながら、近づく。初めて、人型のモンスターを倒したが、そこまで、罪悪感はわかなかった。もしかしたら、こちらの世界に来た際に、精神面も代わってしまっているのかもしれない。
昨日、購入した短剣で、胸を裂き、魔石を取り出す。ゴブリンは、他に売れる部分はない。冒険者に登録していたら、ギルドへ耳を持ち込むと、お金と交換してくれるようだ。
魔石を取り出したため、死体を処分しようと思う。死体を残しておくと、アンデット化するからだ。火打ち石を取り出し、落ちていた葉っぱに火をつけようとした際、気配察知に同じ方向から、2体の反応が引っ掛かった。
すぐさま、武器を構える。反応はこちらへむかってきているようだが、姿が見えない。
すると、小さな石が2つ草むらからゆっくりこちらにむかってきている。なんだろうと思い、すぐさま、鑑定を使う。
名前:なし
種族:エヴォリュシオンスライム
性別::♂
レベル:1
体力:5/5
魔力:300/300
スキル:吸収 擬態
スペシャルスキル 超覚醒
ランク:SSS
名前:なし
種族:エヴォリュシオンスライム
性別::♀
レベル:1
体力:5/5
魔力:300/300
スキル:吸収 擬態
スペシャルスキル 超覚醒
ランク:SSS
俺はすぐさま、その場から、飛び退く。
目の前のスライムは、体力は低いものの、魔力が、かなり高い。始めてみたが、ランクもSSSだ。
種族やスキルも見たことの無い。
最大限の警戒をしながら、スライムの様子を見る。
スライムたちは、俺に攻撃をしてくることもなく、そのまま、ゴブリンの方へ動いていく。
ゴブリンにぶつかったスライムたちは、吸収するためかなのか、石からスライムへ姿を変えた。
大きさは、普段倒しているスライムより、ひとまわり小さい。
色も、スライムは青みがかったゼリー状に対し、エヴォリュシオンスライムは、透明なゼリー状である。
最初は、警戒していた俺も、特に危険がなさそうな感じなので、少し距離をとり警戒しつつ、自分のステータスの確認を行う。
「ステータスオープン。」
名前:カズハ
種族:人間
性別:男
年齢:8
レベル:3
称号:転生者
体力:60/300
魔力:50/270
スキル:中級鑑定 偽装 気配察知 気配遮断
魔法スキル:無属性魔法
エクストラスキル:創造
中級鑑定の詳細を確認する。
【中級鑑定】 ・・・ 鑑定より、より多くの事を、鑑定するできる。相手の種族やスキルの詳細を確認することが出来る。
鑑定が更に、便利になったようだ。
俺は、早速、鑑定を使い、少し離れた場所から、スライムの種族を、鑑定していく。
【エヴォリュシオンスライム】 ・・・ 体力が低く、すぐ他のモンスターに倒される。その為、よく複数体でいることが多いが、世界に数体しかいない幻のスライム。また、進化した際は、強力なスキルを持つことがある。
次に、スキルの詳細を確認する。
【吸収】 ・・・ 身体に取り込んだものを、消化・吸収する。
【擬態】 ・・・ 身体に取り込んだものに、姿を変える事が出来る。
【超覚醒】 ・・・ 進化した際、その種族に適した、スキルを会得する。
種族、スキルを確認し終わった。
スライムを確認すると、まだ、消化しているようだ。
俺は、今後のことを考え、あるスキルを創造する。
『スキルを、創造しました。』
会得するために、必要な消費レベル:2
【テイム】 ・・・ モンスターを手懐ける。相性が良くないと、手懐けることは、出来ない。また、モンスターの成長の度合いは、テイム者の潜在能力による。テイム者は、ある程度テイムモンスターと意思の疎通が出来る。
俺は、創造してスキルをすぐに、会得する。
『スキル"テイム"を会得しました。』
少しの不安を抱きながら、テイムを会得した俺は、スライムたちに近づき、テイムを発動する。
スライムたちのいる地面に、魔方陣が描かれ、魔方陣より色鮮やかな光が輝く。突然の光に俺はとっさに腕で顔を隠した。
徐々に光が、おさまってきたため、腕をどかすと、
『エヴォリュシオンスライムたちをテイムしました。』
無事に、テイムを行えた。安堵しつつ、スライムたちを、見ると、ちょうど、消化を終えたようだ。
日が暮れかかっていたため、いったん、スライムたちには石に擬態してもらい、抱え町へと戻った。
いつも通り、魔石を売却し、外でごはんを済ませ、家に帰り着く。
スライムたちには、本来の姿に戻ってもらう。
寝る前に、俺は、スライムたちに名前がないことに、思い出し、装備の手入れをしつつ、名前を考える。
少しして、♂のエヴォリュシオンスライムに、オグル。♀のエヴォリュシオンスライムには、アンジュと名付けた。
ちゃんと、名前が変わっているかどうか、鑑定を行う。
名前:オグル
種族:エヴォリュシオンスライム
性別::♂
レベル:1
称号:カズハの従魔
体力:5/5
魔力:300/300
スキル:吸収 擬態
スペシャルスキル 超覚醒
ランク:SSS
名前:アンジュ
種族:エヴォリュシオンスライム
性別::♀
レベル:1
称号:カズハの従魔
体力:5/5
魔力:300/300
スキル:吸収 擬態
スペシャルスキル 超覚醒
ランク:SSS
しっかり、名前が変わっているようだ。
最後に、自分のステータスを確認する。
名前:カズハ
種族:人間
性別:男
年齢:8
レベル:1
称号:転生者
体力:50/210
魔力:50/180
スキル:中級鑑定 偽装 気配察知 気配遮断 テイム
魔法スキル:無属性魔法
エクストラスキル:創造
テイムを会得したため、レベルが1に戻っている。
しかも、とうとう、レベルが1にして、ステータスが3桁台になっていた。最初に比べるとかなり、上がったため、面倒ごとになる前に、俺はそっと、自分に偽装を施した。
名前:カズハ (カズハ)
種族:人間 (人間)
性別:男 (男)
年齢:8 (8)
レベル:1 (1)
称号:転生者 (なし)
体力:50/210 (20/60)
魔力:50/180 (20/30)
スキル:中級鑑定 偽装 気配察知 気配遮断 テイム (テイム)
魔法スキル:無属性魔法 (なし)
エクストラスキル:創造 (なし)
よし、これなら大丈夫だろうと思い、オグルとアンジュを呼び、その日は、眠りについた。