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幕間 カトレア・バレンシア

 私の名前は、カトレア・バレンシア。

 バンパイアの国、バレンシアの王女として、生まれた。

 髪は、綺麗な銀髪。瞳の色は、紅色。体は、小柄である。

 両親や、周りの人たちに甘やかされながら、すくすくと育っていった。


 幼い頃から、戦闘訓練を行ってきて、16歳にして、この国の最強の1人とまで言われるようになった。


 今日は、この国の王で私のお父様の側近である、トライゾンに言われ、国から離れた所にいるモンスターの討伐に来ていた。

 私は、あの男が苦手だ。顔は不細工ではないし、実力もかなりある。だが、あのネチネチとした視線が耐えられない。

 本当なら、こんな忙しいときに、国を離れたくはなかった。ただ、これも国のためになると言われると、どうしようもなく、討伐に行くことにした。

 ただ、最近、あの男が何となく怪しく感じるため、見張りをつけている。

 何かあった際は、すぐに報告するように言ってある。


 今、バレンシア内は、対立している。他の種族と共存を考える、穏健派と略奪を考える過激派だ。

 私は当然、穏健派だ。他の種族と争っても、何もいいことがない。無駄な争いは好きではない。

 そんな事を、考えながら、モンスターの討伐を終えた。少し、休息をとり、バレンシアに戻る予定だ。


 休息をとっていると、1匹のコウモリが私のもとへと、飛んできた。

 足に、手紙がついている。すぐに見張らせていたものからだと気づいた。

 すぐに、手紙をよむ。


「トライゾンがクーデター起こした。至急戻られよ。」


 そう書いてあった。

 すぐに、休息をやめ、私たちは、バレンシアへ急行した。


 着いたときには、所々で煙がたっている。

 すぐ、制圧にむかう。暴れまわっていた同胞の大半を、捕まえると、後は、他の人に任し、私は城へむかった。

 城の中も、ひどい有り様だった。所々に破壊の後がある。

 迫ってくる者を倒しながら、前へと進む。

 あと少しのところで、あの男が立ちはだかる。


「これはこれは、カトレア様、お早いお帰りで。」


 ニタニタと笑いながら、話かけてくる。

 私は、話を聞かずに、切りかかる。

 トライゾンはそれを受け止め、打ち合いになる。


 かなりの時間、打ち合ったが、とうとう終わりが見えた来た。

 私は、トライゾンを切り伏せる。しばらく動けないだろうと思い、両親の元へ駆け出そうとする。

 しかし、トライゾンは動きだし、私にむかって、何かを投げつけてくる。

 投げられたものを、つい反射的に切りつけてしまった。すると、砕けたそれは、私の足元に集まってきて、徐々に凍りだしてくる。

 視線をトライゾンにむけると、あのニタニタ顔で話しかけてくる。


「それは、強力な封印アイテムですよ。貴方を封じ込めるためにわざわざ入手したおいたんですよ。」


 私は、凍っている部分に何度も、切りつけるも、傷ひとつつかない。


「無駄ですよ。そんなことで傷なんかつきませよ。」


 また、ニタニタ顔でそう言ってくる。

 何度やっても壊れない。諦めた私は、持っていた細剣をトライゾン目掛けて、全力で投げつけた。


 予期していなったようで、トライゾンの心の臓にふかぶかと突き刺さった。


 本来なら、そんなことでは、再生能力の高いバンパイアは完全に殺すことは出来ない。今投げた、細剣には、不死殺しの能力が備わっていた。

 本来この細剣は、この国、バレンシアの秘宝であり、道を踏み外したバンパイアを処罰するために使われる。王族のみしか知ることを許されない、この国の秘密である。

 嫌な予感がしていた、カトレアは、お父様に頼み込み、持ち出していたのだ。


 塵となって消えていくトライゾンを確認しながら、カトレアの意識もしだいに遠のいていった。



 塵となった、トライゾンの懐から、あるアイテムが転がって、凍りついたカトレアにあたると、辺り一面、眩しく輝く。

 光が落ち着くと、そこには、塵となったトライゾンと衣服しか残っていなかった。

 実は、逃げるために用意していた、転移用のアイテムだった。本来なら、決められた場所に転移するのだが、戦闘で傷がついたのか、決められた場所ではなく、ランダムで飛ばされてしまったのだ。



 目を覚ますと、そこは知らない部屋だった。

 辺りを見渡すと、優しげな男の子がそこにいた。

 つい私は、「貴方は、誰ですか?」と尋ねてしまった。

 彼…カズハは、丁寧に今までの事を教えたくれた。その時には、私も今までの事を思い出していた。

 助けてくれたことに対し、お礼を言うと、彼は、私のことについて聞いてきた。

 今まで事を整理したい私は、自分のことについて語った。

 語り終わると、やはり、現実なのだと思い悲しくなり、膝を抱えた。

 すると、カズハが「俺が、君を守って見せる。どんな事があっても、俺が必ず、そばにいてあげる。」と言ってくれた。

 その瞬間、心まで凍っていたのではないかと思われる私の心が徐々に溶け出すように温かくなった。

 私は嬉しさや恥ずかしさで、顔を赤らめ、伏せてしまった。そして、今の正直な気持ちを伝えた。


 その後も、カズハとお話をして、彼の旅に着いていくことにした。彼は嫌な顔もせず快く、迎えてくれた。



 初めて、男の人の部屋に入った。

 初めて、男の人の近くで寝た。

 初めて、男の人と買い物をした。

 初めて、男の人と手を繋いだ。

 初めて、恋をし、恋人ができた。


 私は、色々な初めてをカズハから、貰った。

 今後も、ずっと一緒にいたいと、思ってしまった。

 隣で寝ている、彼をみて、「これからも、ずっとよろしくね。」と呟き、私は、眠りについた。

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