表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/33

21.地上へ

  目覚めた俺は、彼女を確認する。

 まだ、起きていないようだ。

 オグルたちに、確認するも、俺が寝ている際に、目覚めた様子は無いらしい。


 とりあえず、目覚めるのを待つ間に、ご飯を済ませることにした。

 少しして、彼女が目を覚ました。


 体を起こした、彼女は、辺りを見渡す。

 俺と目が合い、首をかしげて、聞いてくる。


「貴方は、誰ですか?」


 俺は、今までの経緯を話す前に、まず自己紹介を行う。

 そしてここが、トータスにあるダンジョンの裏階層であること。その最下階層で氷漬けの貴方を発見し救出したことなどを話す。


 話を聞いていた、彼女は理解したのか、すこし悲しげな顔のまま、お礼をいってきた。


「そうですが。助けていただいてありがとうございます。」


 俺は、なぜ悲しい顔をしたのか気になって、話してはくれないだろうと思いつつも、ついつい彼女事について尋ねてしまった。

 すると彼女は、


「助けていただいたお礼もありますし、わかりました。私のこれまでの経緯を貴方に、話しましょう。」

「改めて、私の名前は、カトレア・バレンシアです。」


 と、思ったよりあっさりと自分の事について教えてくれるようだ。

 今までの出来事を自分で確認していくかのように、俺に語ってくれた。



 最後まで、話終えると、彼女…カトレアは、大粒の涙を溜め込みながら、膝を抱えていた。

 話を要約すると、今から、300年ほど前まで遡る。なぜ300年前かと言うと、カトレアが覚えていた、日からざっと計算して、そのくらい経っていたからだ。

 カトレアは、バンパイアが作ったとされる小さな国の、王女として生まれた。幼い頃から、戦闘訓練をしてきたカトレアは、いつの間にか、その国で最強の1人になっていたようだ。

 ある日カトレアが出かけている際に、親の側近が、クーデターをおこした。それを聞き、駆けつけたカトレアは、粗方の首謀者を捕まえ、両親の元へむかった。しかし、最後の最後に、不意打ちで、魔道具をくらってしまい、氷漬けにされたそうだ。両親の安否は分からないらし、なぜこんな場所にいたのかさえ、分からないらしい。

 話を聞き終え、なぜカトレアが、あんなに悲しげな顔をしたのか理解した。

 俺は、自分で自分を殴りたい気分に襲われた。

 しかし、それ以上に、悲しんでいるカトレアを慰めたいと思ってしまった俺は、気づいたら、口が勝手に、動いていた。


「俺が、君を守って見せる。どんな事があっても、俺が必ず、そばにいてあげる。」


 カトレアをみると、最初はポカーンとしていたが、少しして、顔を赤らめてから伏せる。

 そして、小さな声で、「ありがとう。」と言った。


 恥ずかしくなった俺は、話を変えるため、今後どうするのか、カトレアに尋ねた。


 すると、カトレアは、俺の目を見て、


「貴方に着いていくわ。」と、


 満面の笑みでそう言われた。

 俺は、その笑顔に心を奪われてしまった。

 そして、絶対、この笑顔を守ってみせると、心に誓った。


 その後も、オグルたちを紹介したりしながら、しばらく、カトレアと話を続けた。

 試しに、神の祝福で生存を確認してみたが、そこまでは分からなかった。

 最終的に、俺と旅をしながら両親の情報を探すと言うことになった。


 話がまとまると、裏階層を出ることにした。

 出る前に、俺は、異次元ボックスから、女神の細剣と偽神の首飾りをカトレアに、手渡した。

 話のなかで、カトレアの使用武器が細剣だと判明していたからだ。首飾りは、ステータスを誤魔化すためだ。


「これは?」


 首をかしげ、聞いてくる。

 アイテムの説明を行った。最初は受け取らなかったが、説得すると、受け取ってくれた。

 装備し終えると、部屋を出て、転移魔法陣の上に乗り、地上へと出た。


 地上に出ると、夜だった。

 久しぶりに、出た気がすると思ったら、そういえば、もう2年近く潜っていたことを、思い出す。

 そりゃ、久しぶりにもなるわなと思いながらも、カトレアとトータスへ帰った。


 トータスへ帰りたいた俺は、夜も更けているため、アンさんたちへの挨拶は明日でいいだろうと思い、自分の家に直行した。


 家に帰りついた俺は、2年くらい放置していたから、まずは、掃除からかなと思いながら、玄関を開ける。

 ホコリなど全くなかった。

 たぶん、アンさんが掃除をしてくれていたのだろう。心のなかで感謝し、カトレアを中に入れる。

 何か、珍しいものでもあるのか、カトレアは、キョロキョロと辺りを見渡している。


「どうかしたかい?」と尋ねる。


「いえ…その…男の子の家は初めてなので…」


 少し顔を赤らめながらそう言ってきた。

 何だか、俺も恥ずかしくなりながらも、カトレアを座らせてから、ご飯の用意を始める。

 始めようとした際に、カトレアも手伝ってくれるとの事で、胃の負担にならないように、胃に優しいものをいっしょに作った。

 カトレアの料理スキルのおかげが、いつもより美味しかった。

 ご飯を済ませから、少し間を開けてから、時間も遅いため、休むことにした。


 寝る前に、「おやすみ。」と俺が言うと、

「おやすみなさい。」とカトレアが返してくる。

 久々の人のぬくもりを感じながら、 俺たちは、眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ