2.転生
目が覚めると、そこは知らない、部屋だった。最初は、病院の部屋かと思ったけど、辺りを見渡しても何もない。
どこにいるのか記憶を遡ると徐々に思い出してくる。するとある結論に達した。
「そうか、俺は死んでしまったのか…」
誰もいない部屋でそう、俺は呟く。
再度、辺りを見渡すも、やはり何もない。
「ここは、何処だ?」と疑問に思いながら、更に記憶をたどる。
すると、この世界での記憶が次から次へと、思い出し、俺は理解した。
「そうか、俺は転生したのか。」
また、前世で何度も見ていた夢は、俺がこの世界で初めて見た景色だったのだと。
今の俺は、髪は黒髪。瞳の色は、くすんだ茶色、身長は、約130cmほどの子供だ。
顔は前世に比べ、とても整っている。
俺は、頭を整理させるため、今までの事を振り返った。
この町、トータスで生まれ、育ってきた。
まぁ、町といっても、村より少し大きいくらいだ。
今年で、この世界に来て8年くらい。両親は、1年ほど前に、流行り病で亡くなった。
その後は、母親のおじさんと一緒に暮らしていたが、おじさんも半年ほど前に、同じ流行り病で亡くなった。
それからは、近所の方々の助けや、両親が残してくれた、小さな家や蓄えで、生活している。
それでも、いずれ底をつくため、俺は今、両親の知り合いだった、近所の宿屋の手伝いなどをして、お金を稼いでいる。10歳になると、冒険者になれるため、登録しようと思っている。
この世界のお金は、鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨の5種類がある。
鉄貨10枚で銅貨1枚
銅貨10枚で銀貨1枚
銀貨100枚で金貨1枚
金貨100枚で白金貨1枚となっているらしい。
週や年については、日本と同じで月~日、1月~12月まであるらしい。聞いたところによると、遥か昔に召喚された、勇者様の発言を参考にしたとかしないとか?
頭の整理が終わると俺はある言葉を心の中で、唱える。
「ステータスオープン。」
名前:カズハ
種族:人間
性別:男
年齢:8
レベル:4
称号:転生者
体力:80/80
魔力:50/50
スキル:???
唱えた瞬間、目の前に、透明なボードが出現する。
そう、名前は、なんと前世と同じ名前だった。他の項目を流し読みし、自分のステータスを確認した。
体力や魔力は、子供だし、こんなものだろうと思いつつ、称号とスキルを確認する。
転生者 ・・・ 転生したものに贈られる称号
俺が転生したから、取得したのかなと思い次に、スキルの???を確認してみた。
??? ・・・ 特殊な条件を達成した場合のみ会得する。
特殊な条件とは、なんだろうと思いながら、スキルボードを消す。
外をみると、朝日が登っており、俺はあわてて宿屋の手伝いをするための準備を始める。