12 因子のあれこれと盗賊
だいぶ遅れた投稿、本当に申し訳ない
雲一つない青空、穏やかな風が頬を撫でる、そして聞こえてくる罵声。
「死にたくなけりゃあ、荷物を置いて失せやがれ!」
「うるっせー!!特にストレスとか溜まってないがストレス発散じゃー!!」
道をふさぐ盗賊に拳を振り上げ飛びかかる俺。
おはようございます、現場のレイヴンです。
企業戦争に参加したりとかはしてないです。
現在王都へ向かう途中に襲ってきた盗賊と交戦中です。
素手縛りで。
何故こんなことになったかというと、答えは簡単じゃんけんで負けたんだよ!!
時は数分前に遡る。
「本日も快晴なり」
「急にどうしたのです?」
御者台でボーっとしながらつぶやいた言葉に後ろから返事が返って来た。
振り返ると馬車から顔を出したアリアがこちらを見ていた。
「アリアか、あとの二人はどうした?」
「あの二人なら寝てるのです」
寝てるのか、それは好都合だな。
「アリアちょっとこっちへ来てくれ」
「何故なのです?」
「大事な話があるんだよ」
「そうなのです?」
アリアが馬車から這い出てきて隣に座ったのを確認して話し出す。
「話っていうのはな、因子のことだ」
「因子のことなのです?」
「そうだ、まだ聞きたいことがあるからな」
「それで、何が聞きたいのです?」
どれから聞こうか?返答によっては話が明後日の方向にいきそうだからなぁ……。
「じゃあ、一番近い因子は何処だ?」
この質問の答えによって、王都に着いてからの行動が変わってくるかもしれない。
「うーん…あっちなのです」
しばらくきょろきょろしてからまっすぐ前を指さす。
「……王都に有るのか?だとしたら面倒だな」
人目のあるところで戦闘になったら貴族関係のトラブルに巻き込まれそうだ。
ナクア戦みたいになったら街の被害も大きそうだし。
「…因子の感知距離ってどうなっているんだ?」
「範囲とかは特に無いのです、遠ければ大雑把に、近ければ周辺の状況とかも分かるのです」
「距離とかは分かるのか?」
これが分かればある程度の場所を絞り込めるが……。
「距離は大雑把にしか分からないのです…」
がっかりされると思ったのかシュンとするアリア。
「大雑把に分かれば十分だから安心しろ」
そう言いながらアリアの頭を軽く撫でる。
「なっ…なぜ頭を撫でるのです!?」
赤面して俺の手を振り払いにらみつけてくるアリア。
「何故って…落ち込む子供をなだめる方法って言ったらなでなでと高い高いとパンジャンドラムだろう?」
さすがにパンジャンドラムは嘘だが。
「子供じゃないのです!あとパンジャンドラムって何です?」
「子供じゃないっていうセリフが子供だな、
それとパンジャンドラムっていうのは英国が作り出したイカした兵器のことだ」
俺は大好きだぞ?パンジャン。
「全く分からないのです……」
「パンジャンのことはいいんだよ、はい…次のお便りです」
「お便り…」
ノリで全てを乗り切るぞ。
「聞きたいことはこれが最後だ、んで聞きたいことってのはスタンピードが起こった理由だ、
原因は因子だろうが、因子がどう作用してスタンピードが起こったのか分からないからな」
今回の話の本題はこれなんだよな。
「そのことなのです…答えは簡単なのです、因子にはある程度生物の思考を誘導する能力があるのです、
ただその能力の強さは母体になった生物によって変わるのです」
うーん、面倒な能力。
「俺大丈夫かな?」
俺人間だから相手によってはサラッと思考誘導されそう。
「レイは大丈夫なのです、神の眷属になって耐性がついたのです」
……ゑ?
こいつは今何て言った?
「神の眷属?俺が?なった覚え無いぞ」
マジで無いぞ。
「因子回収の手伝いをすると言った時点で、
免停くらっているとはいえ女神と契約したので眷属になったのです」
「マジかよ」
「だいたい因子とはいえ邪神と普通に戦えるわけがないのです、
普通の人間だったら攻撃しても大したダメージを与えられないのです」
そうだったのか、それはそれで面白そうだが。
「というかレイは人間なのです?」
失礼な。
「俺はちゃんと人間だぞ、ステータスにも人間って書いて……」
ステータス画面を見て固まる俺。
「?どうしたのです?」
不自然に固まった俺の肩を揺らしながら顔を覗き込んでくるアリア。
「文字化けしてる…」
「え?」
「種族の欄が文字化けしてるんですが……」
俺のステータスの種族の欄が文字化けして変動し続けているのだ。
「あっ…あーやっぱりなのです」
「やっぱりって何だよ…」
心当たりでもあるのか?
「レイは人間の魂に魔物の魂を埋め込んだ存在だったのに、
神の眷属になって内側にあった魔物の魂が表に出てきてしまったのだと思うのです」
それで種族欄がバグったのか。
「これ大丈夫なのか?」
「問題は無いのです、人間ではなくなっただけで」
それだったら問題は無い…のか?
「それはもういいや、どうにもならんだろうし」
「気にするだけ無駄なのです」
「お前のせいだけどな」
そう言いながら死んだ魚の目を向けると吹けもしない口笛を吹きながらそっぽを向いた。
そんな感じでのんびり進んでいると。
魔力感知に反応があった、反応があった場所に風魔法でソナーもどきを放つ。
返って来た反応からして盗賊っぽいな。
「アリア、盗賊が来たぞ」
「盗賊なのです?」
「そうだ」
雑談してるだけというのも暇だったので丁度いい暇つぶしができた気分だ。
「よーし、アリアじゃんけんしようぜ、お前が勝ったら何か縛りを付けて戦ってやる」
とアリアに問いかける。
「面白そうなのです!やるのです!」
「よーしやるぞー」
互いに拳を突き出しじゃんけんの構えをとる。
「「最初はグーじゃんけん…」
結果として俺は負けて、素手縛りで戦うことになった。
最近見たいアニメが無くてプリキュアに手を出そうかと思っている今日この頃




