プロローグ3
謎の違和感を抱えたまますくすくと
私は育ち、もうすぐ6歳を迎える。
6歳になると、皆魔力量を図る測定を
受けさせられる。
この世界の人は皆「魔力」をもっていて、
その魔力が多いほど優秀なようだ。
一足早く測定を受けたお兄様は魔力が
とても多かったらしく、とても喜んでいた。
なんでも、私の家系は魔力量が多い人が
産まれやすい家系らしい。
「おかあさま、わたしもまりょくいっぱい
あるかなぁ?」
拙いながらも喋れるようになってきた私は
そう母親に問いかける。
「そうね、きっとあるわよ。なんて
言ったってあなたは私の大事な娘
ですからね?」
そう言って頭を撫でてくれるのだ。
お母様とわかれ、てくてくと屋敷の中を
歩いていると見覚えのある背中を見つけた。
ミシェルという私の乳母のような人だ。
実力主義者で、優秀なお母様とお父様を尊敬
して働いているらしい。
ただ、とても厳しいのであまり好きではない。
そっと迂回して避けることに決定。
「エリカ、なにをしているの?」
途中で本を持って歩いているお兄様に会った。
「あのね、ミシェルがいたからかくれてるの!」
「あぁ、ミシェルさんきびしいもんね、僕と一緒
にお庭で遊ぼうか?」
優しいお兄様に匿われ、お庭で遊んで1日を過ごした。