幻想術式:トラジェディア
この世界の人類は、二つに分かれている。それは、だれもが同じ区分をするくらい、絶対的なものだ。
――「魔術師」か、「咎人」か。
それだけだ。
人口の八割を占める魔術師は、魔術ではない異能を行使する咎人を迫害する。
咎人は、戦う気などなかった。
だが魔術師はただ、咎人というだけで「処分」するのである。
人類の平穏を脅かしている《怪物》が定期的に出現するといわれる場所に、彼らを送り込むことで。
それは、ただ「迫害」するだけでなく、《怪物》を生み出す何かを倒すためのものでもあった。
そんな中、一人の咎人の少年が自らの意志でその場所に向かう。
《狂戦士》という異能を体に刻まれた少年は、その「マスター」を求めてその場所に向かう。
その場所の名を、「終末の塔」と呼ぶ。
誰が呼び始めたかは知らないし、いつからあるかもわからない。
それに、「迫害」自体も、記録が残っていない。
だが、その少年は確信している。
自分の「マスター」となるべき自分と同じ「咎人」がそこにいるということを。
たとえ未来に悲劇が待っていようとも、もう誰もそれを変えることはできない。
すべては、あの術式から始まる。
――「魔術師」か、「咎人」か。
それだけだ。
人口の八割を占める魔術師は、魔術ではない異能を行使する咎人を迫害する。
咎人は、戦う気などなかった。
だが魔術師はただ、咎人というだけで「処分」するのである。
人類の平穏を脅かしている《怪物》が定期的に出現するといわれる場所に、彼らを送り込むことで。
それは、ただ「迫害」するだけでなく、《怪物》を生み出す何かを倒すためのものでもあった。
そんな中、一人の咎人の少年が自らの意志でその場所に向かう。
《狂戦士》という異能を体に刻まれた少年は、その「マスター」を求めてその場所に向かう。
その場所の名を、「終末の塔」と呼ぶ。
誰が呼び始めたかは知らないし、いつからあるかもわからない。
それに、「迫害」自体も、記録が残っていない。
だが、その少年は確信している。
自分の「マスター」となるべき自分と同じ「咎人」がそこにいるということを。
たとえ未来に悲劇が待っていようとも、もう誰もそれを変えることはできない。
すべては、あの術式から始まる。