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さまよい刑事  作者: 永橋 渉
25/29

第25話 爆破事件の犯人を追え! 前編


 その夜、犯行現場からそう遠くない、グレイトハイドマンションに住んでいる発破は、

青くやわらかな色調の間接照明で照らされた薄暗い居間にいた。

(あた)りにはパイプラックが組まれ、その上には複数のコンピュータが置いてある。

その周りには爆発物の加工に使ったのであろうか、リード線やプライヤーなどの加工用と思われる道具や、

レンガくらいのサイズでグレーの粘土包みのようにも見えるC4と書かれた

プラスチック爆薬の包みが雑然と置いてある。 

発破はそれらに囲まれながら、大画面の液晶テレビでニュース番組を見ていた。

キャスターが予告爆破事件のニュースを伝えはじめた。

「今日午後三時頃、昼ケ丘駅前のダイアモンド地下街で起きた予告爆破現場から中継が入っています。

現場の日影(ひかげ)さん。状況を伝えてください」

現場レポーターの日影はダイアモンド地下街前からライブ中継をはじめた。

「はい。現在この地下道へと続く出入口にいても、まだ何かが焼けこげた臭いがします。

地下道の状況はいつ天井が崩落するか分からないということで報道陣が垣間見ることができませんでしたが、

被災者の救助にあたった消防隊員によると、地下道内部は原形をとどめないほど破壊され、

いまだに現場に残されている被害者もいるそうですが、二次被害の可能性が高く、

救助方法の検討がされているそうです。難航している救助活動ですが、

一刻も早い全員救出を望んでいるのが現状です」

キャスターが日影に話しかけた。

「日影さん、犯人の犯行声明のようなものはあったんですか?」

「はい。事件の発生の三日前に110番通報で犯行予告があり、警察が発信元を調べたところ、

爆破現場から近い幼稚園からかけられている事が分かりました」

「幼稚園に犯人が居たんですか?」

「いいえ違います。犯人は幼稚園の電話回線に割り込んで電話をかけたようです」

「犯人が誰か、分かったんですか?」

「いいえ。ただ廃墟ビル爆破事件と同一犯ではないかというのが警察の見方です」

ニュースを見ながら発破が(うす)ら笑いを浮かべた。

「世の中の悪い奴らは、皆殺しなんですよ」

そう言って合成麻薬であるMDMAの錠剤三錠を口に入れて噛み砕いた。

「あっあぁ〜」

発破は白目を()き、止めどなく沸き上がる高揚感を味わった。

そしてテレビ画面を見つめながら世間をあざ笑った。

「あぁ〜この沸き上がる快感はすばらしい」

発破は目の前に置かれたC4爆薬の包みを手に持つと、C4爆薬に頬擦(ほおず)りをした。

「もっと悪い奴らの泣叫ぶしらべを聞かせておくれ」

そうつぶやきながら白目を剥いて不敵な笑みを浮かべた。


 時を同じくして薮中邸の居間では、誰も見ていないテレビからバラエティー番組が流れ、

その前にあるソファーでは、開がポータブルゲーム機でゲームと格闘していた。

明香里が台所で夕食を作りながら開に声を掛けた。

「ねぇ開、ニュースに変えてくれる?」

「はーい」

開はゲームの捜査を続けながらテーブルの上に置いてあったテレビリモコンを

右足の親指で器用に操作をしてチャンネルを変えた。

チャンネルを変えると発破が見ているのと同じニュース番組がやっていた。

開が横目でニュースを見入ってしまった時、ゲームオーバーの効果音がポータブルゲーム機から流れた。

「ちぇ、しくじっちゃった」

開は気分が盛り下がってしまったのか、ポータブルゲームを畳んでテーブルの上に置くと

ニュースを前(かが)みで見入った。

テレビからは事故直後の現場付近にいた人達へのインタビューの様子が流れていた。

ダイアモンド地下街の地上出入口付近でダンボール箱を抱えたまま立ち尽くす熊村が映し出された。

「すみません。お近くにお勤めの方ですか?」

テレビに映る熊村は顔面蒼白で少し震えているようにも見えた。

「こっ、このダイアモンド地下街で、ぶっ、ブティックをやっているんですよ」

日影はこの言葉に食い付いた。

「お店は今どうなっているんですか!」

「分らない。私が荷物を取りに出掛けて帰ってきたら、こんなになって……」

熊村が憔悴(しょうすい)しきってうつむくと、そのすぐ前を薮中とベルが横切った。

開は大きく口を開けて目を見開いて驚くと、思わず叫んだ。

「おっ、お母さん!」

その途端(とたん)現場の画像からがスタジオ内の画像に替わりキャスターが話しはじめた。

「日影さん、放送中に新たな情報が入りましたらまた伝えてくたさい」

「はい」

キャスターがスタジオのコメンテーターに声を掛けた。

「薮井(やぶい)さんは心理学医の観点からこの事件をどのように推測なされますか」

「機械に精通した人物で、大胆かつ卑劣(ひれつ)きわまりない犯行手口から、

まともな神経の持ち主ではないと思います。もしかすると、

麻薬のような薬物を摂取している可能性も考えられます」

明香里が夕食作りの手を休めて居間に現れた。

「どうしたの、変な声を出して」

開はあまりの出来事に驚き、焦る気持ちを押さえながらも興奮した口調で応えた。

「いっ今、テレビにお父さんが映っていたよ!」

明香里は(あき)れてしまった。

「何を言ってるの。お父さんに()ている人が映っていただけでしょ。そんな事よりもうご飯できたよ」

「……そっか、そうだよね」

開は明香里の言葉に納得した様子で母と子の夕食をはじめた。


 発破による第二の予告爆破が実行された日の夜、曙警察署にある会議室の出入口に貼られていた

「予告爆破事件捜査本部」の名称に「連続」の文字が加えられた。

会議室では県警から応援に来ている刑事たちも交えての合同捜査会議が行なわれ、

多くの刑事たちが着席している一番後ろで、薮中は立ったまま腕組みをしている。

ベルは(あま)った机の上に前足を乗せて覗き見しながら、机の上に乗ろうと、

何度も後ろ足でジャンプを繰り返して、やっとの思いで机の上に乗ることができた。

ベルが微笑(ほほえ)んだのもつかの間、薮中がベルに注意をした。

「ベル、机の上に乗るのは行儀が悪いぞ」

「だって見えないんだもん」

ベルはうつむいていじけながら机の上からしぶしぶ飛び降りた。

曙警察署の署長が刑事たちに(げき)を飛ばした。

「諸君、我々はこれ以上犠牲者を出す事は許されない。この事件で亡くなられた人たちのためにも、

私たちは必ず犯人を追い詰めなければならない!」

「はい!」

刑事たちは事件を解決しようと固い結束で結ばれているようであった。

「藤堂課長、詳しい状況の説明を」

「はい」

藤堂課長がホワイトボードに貼られた資料を()し示しながら説明をはじめた。

「一連の予告爆破事件で使用された爆発物は、共にC4と言われているプラスチック製の爆薬で

入手の難しい特殊な物だ。そこで過去全国で起きた特殊な爆発物に関して造詣(ぞうけい)があり、

素行(そこう)や評判の悪い者や、爆発物に関する事件と未遂(みすい)(ふく)めて、

今回の事件を起こすことが可能であると思われる参考人をピックアップしてみた」

ホワイトボードには三十人程の顔写真が並べられ、その中に発破の写真もあったが、

この時は発破の犯行だと知る者は誰一人いなかった。

藤堂課長はピックアップした参考人のみに片寄った視野にならないように苦言を(てい)した。

「あくまでも今までの記録にあるだけで、この中に容疑者がいるとは(かぎ)らんが、早急に調べてあげて欲しい」

「はい」

刑事たちが一斉に力強く返事を返した。

藤堂課長が急に目を細めると、目を()らして部屋の後方を見つめて、

居るか居ないか判断の付かない薮中に声を掛けてみた。

「薮中、聞こえるか」

刑事たちが一斉に後ろを振り向いた。薮中はみんなに聞こえるはずのない声で答えた。

「なっ、何でしょうか!」

藤堂課長はこの部屋に薮中が居るだろうと確信したい思いで話しかけた。

「今までの話しを、聞いていたか?」

「もちろん」

薮中そう言って警棒で壁を軽く叩いた。

すると誰も叩いていない壁から、壁を叩く音が聞こえた。

刑事たちが一斉に身震いした。

薮中がこの場に居ることを確信した藤堂課長は、薮中に捜査命令を伝えた。

「薮中、被害者から犯人の目撃情報が取れないかあたってくれ」

再び壁を叩く音が聞こえた。

後ろを振り返って見ていた刑事たちが、急に目を細めると、

目を凝らして部屋の後方を(うかが)うように見つめだした。

ただでさえ強面(こわもて)の刑事たちの顔が際立(きわだ)って恐く見えたベルは、(ささや)くようにぼやいた。

「皆さん目つきがよろしくないです」

「気にするな。行くぞ」

薮中とベルは刑事たちの鋭い視線を浴びながらドアをすり抜けて出て行った。

そして、連続予告爆破事件捜査本部のドアを勢いよくすり抜けて廊下に現われた。

だが薮中は廊下に出ると突然立ち止まってベルを見つめた。

「ベル、三途(さんず)の川への行き方は分かるか?」

唐突(とうとつ)な質問ではあったが、ベル悩むこともなく端的に答えた。

「はい。でも結構狭いですよ」

「私でも通れそうか?」

「ん〜たぶん大丈夫だと思います」

「急ぐぞ」

「はい」

薮中はベルの後を追って走った。

そして車道を走る車たちを避けることなくすり抜け、人や建物もすり抜けて、

ベルが三途の川へ行けるという抜け道へとひた走った。

ベルが薮中を連れてきた場所は、何故か夕日ケ丘森林公園であった。

「おい、ここは公園だぞ」

「はい、この公園のあそこに見える公衆トイレが抜け道です」

ベルはそう言いながら右前足で公衆トイレを指し示した。

薮中は半信半疑ではあったがベルと共に公衆トイレへと入った。

「どこが抜け道なんだ」

「えっと、個室の向かって左側の方です」

薮中はドアの取っ手に鉛筆を刺して恐る恐るドアを開けた。

だが目の前には在り来たりの和式便器があるだけだった。

「おい、ここのどこが三途の川への抜け道なんだ。まっ、まさか便器の中か?」

「いいえ、便器の奥にある壁です」

「ふつうに壁をすり抜ければいいのか?」

「はい、そうです」

「へぇ〜そうなんだぁ。…なぁベルよ」

「はい、何でしょう?」

「トイレの花子さんを知っているか」

「あぁ、花ちゃんのことですね、知っていますよ。ご主人様も花ちゃんを知っているんですか?」

「いや、知り合いではないんだが、噂を聞いたことがあってな」

「そうなんですか。私は随分前にこの公園で花ちゃんと知り合った時に、

この抜け道を教えてもらったんですよ」

「……昔聞いたあの話しは本当だったんだぁ」

薮中が一人で感心しているとベルが薮中をせかした。

「そんなことより早く三途の川に行かないと、被害者の方々が三途の川を渡りきってしまったら

私たちでも話しは聞けませんよ」

「そうだな、急ごう」

薮中とベルは壁をすり抜けて消えて行った。


 三途の川への抜け道は、道と言うよりグニョグニョとした凹凸の隙間を

手でかき分けて進まないと前へ進めない状況だった。

薮中が辺りの凹凸をかき分けて歩きながらぼやいた。

「このグニョグニョした触り心地は気持ち悪いな」

「お菓子のグミだと思ってください」

「私はグミが苦手なんだ」

「ご主人様、グミは結構おいしいんですよ」

「そんなことより出口はまだなのか」

「もうすぐですから(あせ)らないでください」

薮中とベルはたわいのない会話をしながら三途の川へと向かった。

三途の川はいつも(きり)が立ち込め、(おだ)やかな流れの大きな川である。

対岸にも霧がかかってよく見えないが、死者になってたいがいの人たちが

一番最初に目に付くのが善人(ぜんにん)橋である。

薮中とベルがその橋のたもとに突然現れた。

善人橋は幅2メートル、長さ100メートルほどの木製でできた赤い橋で、

築年数はかなり経っているよう見えるが、誰かが手入れをしているのか美しい風合(ふうあ)いの橋である。

その善人橋をうつむきかげんで渡っている人もいたが、大勢の人たちが橋のたもとで集まり、

善人橋を渡ることに躊躇(ちゅうちょ)していた。

薮中とベルは辺りを見渡し、ここにいる人たちが爆破事件の被害者だと確信していた。

「さて、捜査開始だ」

「どうやってです?」

ベルが首を(かし)げた。

薮中は辺りを見渡し、平らな木の板を見つけると、ベルを見つめて微笑んだ。

薮中は屈んで木の板を手にすると、鉛筆で何か文字を強い筆圧で書きはじめた。

ベルはいやな予感を感じながら薮中の手元を覗き見た。

「できた。すまんがベル、この板を噛んでいてくれるか」

薮中はそう言って板をベルに差し出した。

ベルは不機嫌そうな顔で板の上部を噛むと書いた文字が見やすいようにおすわりをした。

木の板には「昼ケ丘駅前・ダイアモンド地下街で起きた爆破事件の被害者を探しています」と書いてあった。

薮中は善人橋のたもとで集まる人々に声をかけはじめた。

「この中で昼ケ丘駅前のダイアモンド地下街で起きた爆破事件に巻き込まれたという人は居ませんかー。

私はこの事件を捜査している刑事でーす」

人々が一斉に薮中の方を向くと、無言のまま足音も()てずに歩きながら集まりはじめた。

うつろな目で近づいてくる人たちを目の当たりにしたベルは驚き、噛んでいた板を落としてつぶやいた。

「こっこの人たち、恐いです」

「失礼だぞ」

薮中はベルに注意した。

ダイアモンド地下街のブティク・クマムラで働いていた恵比須が人々をかき分けて薮中の前に出て来た。

「あの〜」

「どうしましたか?」

「私は事件のあった地下街にあるブティック・クマムラというお店で働いていたんですけど」

薮中は手帳を取り出しメモを取ろうと身構えた。

「詳しく教えていただけますか」

「はい。あれは……」

恵比須が爆破当時の状況を話しはじめた。

「台車に大きなダンボールを積んで運んでいた男性が、店の向い側にある

公衆トイレの側に荷物を置きました。この時間帯に荷物が届く予定があったので、

その荷物が来たのかと思っていたら、荷物を運んでいた男性はトイレに入っていっちゃったんです」

薮中がうなずきながらメモを書いている。

「その後どうなりました」

「私はお客様のお相手をしながら、その荷物を気にしていると、

(つえ)をついてヨタヨタと歩いていたお(じい)さんが、荷物の載った台車の取っ手に掴まって休んでいたんです。

するとお爺さんから携帯電話の鳴る音が聞こえてきて、

お爺さんがおろおろして戸惑っている様子だったんで、声を掛けに行きました」

「なるほど」

薮中が手帳にメモ書きをしながらうなずいた。恵比須が再び状況を細かく話しはじめた。

「私がお爺さんに「お爺さん、携帯電話が鳴ってますよ」と声を掛けたら、

お爺さんは「わしの電話はほれ、鳴っとらんぞ」と言いながら首から下げていた携帯を私にかざしました。

私は戸惑いました。よくよく聞いていたら電話の呼び出し音はお爺さんの携帯からではなく、

大きなダンボール箱の中から聞こえているようでした。どうしようかと箱を見ていると

電話の呼び出し音が、突然、電子音に変って、辺りが何も見えないくらい明るく光って、

気が付いた時にはここに来ていました」

薮中は手帳にメモを書き終えて質問をした。

「荷物を運んでいた男の顔を、憶えていませんか」

「憶えてますよ。髪は〜横別けで…顔の輪郭(りんかく)は〜ん〜シャープな感じかな」

薮中は慌てた様子でつぶやきながら、手帳に犯人の似顔絵を描きはじめた。

「輪郭はシャープな感じ……」

薮中の描いている犯人の似顔絵はお世辞にもうまいと言いがたい作風であった。

杖をついてヨタヨタと歩く老人が薮中に歩み寄って、薮中が描き続けている似顔絵を覗き見た。

「ほぉー。描こうとする意欲と雰囲気はあるが、それじゃ頂けないなぁ」

恵比須が徘徊の顔を見て驚いた。

「あっ!お爺さん。刑事さん、さっき話していたのはこのお爺さんですよ」

薮中は徘徊に事情を聞いた。

「あのーすみませんが、地下街でお亡くなりになられましたか?」

「いかにも、そうらしいぞ」

「この絵の男性を憶えていませんか?」

薮中は手帳に描いた不慣れな似顔絵の犯人像を指し示した。

「ちょっとそれを貸しなさい」

老人は薮中の手帳と鉛筆を受け取りページをめくると、華麗な手さばきで似顔絵を描きはじめた。

薮中は腕組みをして感心しきりだった。

「迷いのない描き込みだ」

恵比須が微笑みながら言った。

「お爺さん、絵を描くの凄くお上手なんですね」

老人は胸を張って自慢げに言った。

「まっ、画家じゃからなぁ」

「なるほど」

薮中と恵比須は納得したようにうなずくと、似顔絵を書き続ける老人の手元を見続けた。

「こんな感じじゃったぞ」

恵比須が目を見開いて何度もうなずいた。

「あぁ〜そっくり、この顔です。間違いないです」

「んっ?」

薮中が手帳を受け取り犯人の似顔絵を見つめて何か思い出したようだった。

「ご主人様、私にも見せてください」

薮中は手帳に描かれた似顔絵をベルに差し出して見せた。

「あっ、ご主人様!」

「お前も思い出したか」

「はい」

薮中とベルは予告爆破事件捜査本部で見た容疑者三十人の顔写真の中いた発破の写真を思い出していたのだ。

「ご主人様、この方は会議室の写真の中に」

「そうだ。確かにあった」

薮中は恵比須たちに端的に説明した。

「犯人は警察が調べあげた容疑者リストの中にいて、誰だか分りましたよ」

「すごーい!」

恵比須は恵比須顔で微笑んだ。

老人は死んでも画家として絵を描けたことがよほど嬉しかったのか、一句残した。

「無念の死 されど魂 不滅なり」

薮中と恵比須は拍手で老人を(たた)えた。そして薮中には力がみなぎってきた。

「お二人ともありがとうございました。これから仲間の刑事に知らせに行きます。失礼します」

薮中は深々と二人に頭を下げると、ベルと共に夕日ケ丘公園の公衆トイレにある出入口に向かって、

グニョグニョとした道のりを帰って行った。

そして公衆トイレから出てきた時には、辺りが白みはじめた早朝を(むか)えていた。

薮中とベルは辺りにある物を避けることなく、何の迷いもなくまっすぐに曙警察署を目指して走った。



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