──雷鳴の戦場──
■ 1 雷帝 vs ユウ —— 開幕
雷帝の拳が空間を砕きながら迫る。
「来るよ、ユウ!!」
「防ぎきって!!」
「わかってる……!」
ユウは光剣を両手で握りしめ、雷の拳を受け止める。
しかし——
「ぐっ……!!」
一撃で体が吹き飛ぶ。
空中を転がり、エルザが急いで氷翼で支える。
「ユウ!!大丈夫!?」
「まだ……!」
ユウは血を拭いながら立ち上がる。
(これが……第3の封印……
影の王ですら……比較にならない)
だが、ここで退けば世界は滅ぶ。
ユウは胸に手を当てた。
(……書き換える……
世界の理でも……運命でも……!)
「《概念書換:摩擦=無限》!!」
雷帝の足元が止まり、動きが鈍る。
「今だ、レオン!!」
「任せろ!!《ラグナ・スラッシュ!!》」
レオンの大剣が雷帝の膝を裂いた。
エルザとリリアが続く。
「凍れ……《アイスレイン》!!」
「光よ……《セレスティア・バインド》!」
雷帝の動きが少しずつ止まっていく。
「まだまだ……!」
ユウは雷帝へ渾身の一撃を放つ。
「《光滅剣》!!!!」
光が爆ぜて雷帝を包む。
だが……
■ 2 雷帝、真の姿へ
煙が晴れたとき——
雷帝は傷ひとつついていなかった。
「……嘘……?」
「耐えた……!?」
雷帝は静かに宣言する。
「封印が解かれた今……
我は真の姿となる」
雷帝の体が割れ、内部から“雷の巨神”が現れる。
大気が震え、空が泣き叫ぶ。
「……まずい、あれは……次元が違う……!」
エルザの顔が蒼白になる。
雷帝の雷光が世界を覆う。
「《雷神相・降臨》」
その瞬間、ユウの光翼が一撃で吹き飛ばされた。
「ユウッッ!!!」
「っく……!!」
ユウは地面に叩きつけられ、意識がかけかけになる。
雷帝が巨大な雷槍を構え……
「終焉の器よ……消えよ」
雷槍がユウへ向かう。
「ユウ!!!」
リリア、エルザ、レオンが絶叫する。
ユウは倒れながらも、手を伸ばす。
(……まだ……終われない……
みんなを……失えない……!)
その瞬間——
ユウの胸から“白銀の光”が溢れた。
「……次の段階……来る……!!!」
リリアが息を呑む。
ユウの背中に、新たな紋章が浮かぶ。
《始原創生 第五段階》
世界を創り変える力が、ユウの手に宿り始めていた。




