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日ノ本ノ御柱  作者: やろまろ
第一章
8/28

同士討ち作戦2

(アレがゴーストか)


 魔物はまだこちらに気づいていない。


「見た目はシーツを被ったオバケですね」

 弱そうな見た目に反して知名度の高いゴーストは高レベルの魔物だ。遠隔攻撃を放つ以外はどんな能力があるか分からない。


 油断ならない相手だ。




「では挑発します」


「善訓さん、拳銃とはいえそれなりに反動はあります。練習通りに気をつけて射撃してください」


「了解です」

 俺は一旦バイクを降り、佐藤に借りた拳銃をゴーストに向けた。しっかり両手でホールドして肘を伸ばす。体全体で反動を抑えるように若干の前傾姿勢で腹に力を込めて…


 バァン!!


「うわぁっ!」

 思わず声が出てしまった。生まれて初めて銃を撃ったがこんなに反動があるものなのか!




「命中しました!早くバイクに乗って下さい!」


 感動もそこそこにサッサとバイクに跨る。ゴーストがこちらに気づきふよふよと近付いてきている。


 ブルン!


 佐藤が勢いよくアクセルをふかし加速し、ゴーストとの距離がある程度離れたところで減速した。


「報告通り、ゴーストはあまり移動速度が速くないようですね」


「そうですね。このまま距離を保って走って下さい」




 しばらくするとデュラハンが見えてきた。あとはあの中央を突破してゴーストをなすりつけるだけだ。


「しっかり掴まって下さい」

 佐藤がアクセルをふかしスピードを上げる。




 デュラハンはバラけているが佐藤の華麗なスラロームで1体、2体と避けていく。


 しかし3体目が思いもよらず素早い動きで道を塞いできた。と同時に剣を振りかぶっている!


「しまった!避けられない!」


 デュラハンが振りかぶった剣は正確に佐藤と俺の首を狙って振り下ろされた。


(アレは避けようが無い!死ぬ!殺される!)




 死を覚悟した瞬間、周囲の光景がスローモーションのように流れた。


(最期の光景は本当にゆっくりに見えるんだな)


 何故か呑気にそんな感想を抱いた。




 そして実際には凄いスピードで佐藤の首を切り飛ばした剣先が、そのまま俺の首にゆっくり向かってくる。




 ゆっくり、ゆっくりと確実に向かってきて…




 首に触れた瞬間。




 ゴリゴリッッブツンッ!!




 嫌な音が聞こえ、あまり切れ味の良くない剣が力に任せて俺の首を叩き切った。




(くびが きられる おとって こんななんだ…)




 刎ね飛ばされた二つの首がゴロゴロと地面を転がる。


 視界がぐるぐると回転して…




 止まった。




 暗くなる視界の中で最後に見えたのはゴーストがデュラハンに襲い掛かる姿だった…




(ああ うまくいったな おレタチが シンだこト いがイハ)

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