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日ノ本ノ御柱  作者: やろまろ
第二章
20/28

その名はゴクウ

「もし温羅討伐に行かれるのであれば…ワタシも同行させていただきたいのです」


「もちろん温羅は討伐せねばなるまい。こちらとしては手助けしてくれるのは心強いことだが、何か因縁があるのか?」


「温羅は仇なのです。ここに来たのも温羅の足跡を追ってのことです。実はワタシは生まれてすぐに群れの諍いで両親を亡くしまして、その時に怪我をして独りでいた時に人間に拾われ、育てられました」


「ほう」


「その人間、お師匠はとても徳の高い人物で、ワタシのことを本当の子のように大事にして下さり、文字の読み書きや言葉も教えて下さいました。」


「しかしある時、温羅がワタシ達の住む庵を襲ったのです。お師匠はワタシを逃すため温羅と単身戦い、倒れました」


「ワタシは仇である温羅を倒したい。しかしながら温羅はとても強く、ワタシ独りではとても歯が立たないのです。そこであなた様のお力をお借りしたいのです」




(断る理由は無いな…うん)




「そのようなことが…承知した。こちらこそよろしく頼む。共に戦おう!俺は彦五十狭芹彦。イサと呼んでくれ」


「ありがとうございます!ワタシはゴクウ。ソン・ゴクウと申します」




(は?ソン・ゴクウだって!?)




「な、なあ、ゴクウはもしかして海の向こうの大陸から来たのか?」


「いえ、生まれが何処かは分かりませんが、物心ついた時にはお師匠と一緒にいましたのでなんとも…」


「そ、そうか…」




(もしかしてここは現実世界の過去とは違うんだろうか。分からん。)




「では、ムラの者も救出したことだし、一旦ムラに戻るぞ」

主要人物紹介


ソン・ゴクウ:体長4mはあろうかという大猿。オーガの首を一撃で叩き飛ばすほどの剛力を持ち、かつ猿とは思えないほど知能が高い。幼い頃から人間に育てられたため人語を解す。

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