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日ノ本ノ御柱  作者: やろまろ
第一章
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反抗作戦会議1

 東京が壊滅してから一ヵ月後、魔物に対抗する意志のある者達が各地でパルチザンを結成していた。


 ここ太宰府支部は20人程の小さな支部で、俺もメンバーの一員だ。




「そんじゃ会議始めまーす。まずは今回の議題なんですが、現在の私達の状況把握と今後の方針について話し合いたいと思いまーす」


 この軽い口調の男は対魔物パルチザン組織太宰府支部リーダーの新悟シンゴ。幼なじみの元トラックドライバーで、絶望的なこの状況でも持ち前の明るさで皆を励まし、支部リーダーとして認められている。


「では早速ぅ、各支部と交換した情報のまとめを参謀の善訓ヨシノリクンから発表してもらいまーす」


 新悟はリーダー気質で頼りになるが、欠点がある。あまり頭が良くないのだ。

 かく言う俺も別に頭が良いわけではなく、元営業マンだったからプレゼンが少し出来るだけで参謀役にされただけだ。


 要するに少ない支部メンバーで足りないところを補い合ってなんとかやっている、というのが現状だ。




「まず、現在日本の置かれている状況ですが…」


 俺は簡単に現状を説明した。




 魔物は人間を敵として認識していること。


 魔物が現れてからすぐに東京とは一切の連絡が途絶えていること。


 東京周辺には強力な魔物が多数確認されており、近づくことができないこと。


 中央行政機関は全く機能せず、各地の自治体とパルチザン支部、自衛隊や在日米軍が孤立した人々の救助を独自で行なっていること。


 各支部の周辺には結界のようなものがあり、その中では魔物が確認されていないこと。


 魔物と同時に国境付近に出現した正体不明の障壁により外国と隔絶されてしまったこと。


 日本全体を覆ったその障壁に触れたものは全て消滅してしまい、出入りが完全に封じられたこと。


 通信だけは可能なので日本の置かれた状況については諸外国に伝わっており、支援する方法は検討されているらしいこと。


ちなみに通信などのインフラは各企業の必死の努力により、今のところはなんとか維持されている。


とはいえ、東京をはじめ途絶してしまった地域もあるようだが。




「次に1番重要なのが《魔物には通常兵器が通用しない》ということです。刃物類は勿論、銃火器や戦車砲、ミサイルに至るまで全て無効化されたことが自衛隊や在日米軍による攻撃によって明らかになっています」


「ですので我々は今まで逃げることしか出来ませんでした。しかし昨日、起死回生の一手になるかもしれない貴重な情報が伊勢支部から報告されました。こちらの映像をご覧下さい」

主要人物紹介


善訓ヨシノリ:40才の元ヒキニートゲーマー。一時期はパチプロをしていたが、人生を立て直す為30才の時から定時制高校に通い、その後営業会社に就職。異変前はフリーで訪問販売の営業マンをしていた。パルチザン太宰府支部の参謀。




新悟シンゴ:善訓の幼なじみ。若い頃は暴走族に所属し補導歴もあるが、現在は更生し、結婚後には3児のパパで良い父親になった。異変前はトラックドライバーをしていた。パルチザン太宰府支部のリーダー。

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