表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日ノ本ノ御柱  作者: やろまろ
第二章
19/28

魔物との会話

 オーガは無力化したが、まだ猿の魔物がいる。


 猿の妖怪の名前は狒々(ヒヒ)となっていた。


 オーガと同じぐらいの体格だ。




 …しばらく睨み合いになっていたが、猿がペタンとその場に座り込むと右手を振り敵意のないことを示した。




(良かった。一撃でオーガの頭を吹っ飛ばす相手とは戦いたくないからな)




「皆しっかりしろ!」


 猿に敵意が無いのが分かったので、俺は急いで戦士達に駆け寄り霊薬を食べさせた。


 どうやら口に含ませるだけで効果があるらしく、戦士達の傷はみるみる快復した。




(やっ!すっごいコレー!)




「おいちい…もういっこ…」


 蕩けた顔でおかわりを要求する戦士にゲンコツし、ムラ人の救出に向かう。




 牢には扉がなく、丈夫なツタで組んであった。


 構造を確認するとすぐさまツタを叩き切り牢を破壊した。




「助かりました!ありがとうございます!」


 人々が口々に礼を言う。


「気にするな。それよりムラに帰るまで気を抜くな」


 とクールに返す。




(おれちゃんイケてるー!)




「そういえば、攫われたのはこれで全員か?」


「いえ…実は…」




 ムラ人によると、数人が別の場所に運ばれたらしい。


 そちらは洞窟入り口手前から北の方に連れて行かれたが、それ以上のことは分からなかった。


(ふむ、どうしたもんか)




「ワタシがオーガに尋問して差し上げましょう」


 妙に野太い声に驚く。


 振り向いて戦士達を見ると、皆は呆けた顔で猿の方を見ていた。




(まさか)




 …猿を見ると俺だよ俺と言わんばかりに自分を指差していた。


(こいつ喋れるのか!)


 と考えると、猿がそうだと頷く。


(しかも心を読みやがるしー!)




 よく見ると狒々の名の下に【会話可能】の表示が。


(おお、新しい展開!しかしゴブリンの時はこんなの出てなかったよな…)


 瀕死のオーガを見ると名前の下に【会話不可】の表示。


 オーガは人語を解さないらしい。




(なるほど、猿に任せるしか無いようだ)




「分かった。お願いしていいか?」


「ええ、承知しました。しかしお願いがあります。先に傷の治療をして欲しいのです。腕以外も怪我をしておりまして、実は痛くて動けないのです。」


「そのとても美味しそうな匂いのする薬を下さい。大丈夫、傷が治ったからといって攻撃したりしません」


 霊薬が残り少ないので躊躇したが、情報を得るには提案に乗るしかない。


「分かった。頼むよ」


 俺は猿の口に霊薬を放り込んだ。




 猿は霊薬をじっくり味わって飲み込むと、恍惚の表情を浮かべた。




「おいち…おいち…」




(…これ食べると皆アホになるな)




「では少々お待ちを」


 そう言うと猿はオーガに近づいていき、何やら黙ってオーガを見ている。


 オーガも猿を見ている。


(念話的なやつ!?かっこいー!俺も出来たらいいのに!)




 しばらくすると猿が戻ってきた。


 尋問が終わったようだ。


 見るとオーガの目には光がなくなり息絶えていた。




「オーガによると、ムラの方々は北の山にある鬼ノ城に住む温羅ウラという鬼への献上品として連れて行かれたようです。また、ムラ人をワタシが誘拐したことにして、あなた方と戦わせようとしていたと言っていました。何か心当たりはお有りですか?」




 あると言えばある。あのムラの娘だ。


 しかし念の為、助けたムラ人に確認する。


「お前達を攫ってきたのはこの大猿か?」


 ムラ人は首を振り、ゴブリンですと答えた。




(なるほど、猿の言っていることは本当のようだ)




「分かった。信じよう。」




「ありがとうございます。それと、もう一つお願いがあるのですが」


 猿が言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ