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日ノ本ノ御柱  作者: やろまろ
第二章
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もう一つの依頼

 宮を出て数日後、小鬼に襲われているというムラに着いた。


(けっこう遠かったなあ…チカレタ)


 連れの戦士を見ると、全然平気そうだ。


(はえー、すっごい体力)


 この世界の移動は徒歩が基本だとはいえ、遠征が初めての俺はヘトヘトだった。


 ムラを見ると今は小鬼は引いているらしく、戦闘は起こっていないようだ。




 中に入りひと休みした後、人々に聞き込みをしていると一人の娘が声をかけてきた。




「あの、もしかしてあなた様がイサ様でしょうか」


 娘は恥ずかしそうに頬を赤らめモジモジしている。


 好きな人に告白する時のあの感じだ。


(つくづく罪な身体だぜ。ふっ)


 元の身体のコンプレックスのせいで、ついついナルシストになってしまう。




「そうですよ。何かご用でしょうか」


 いたってクールに答える。


「あの…イサ様にお願いがありお声掛けしたのですが…」


「はい、遠慮なくおっしゃって下さい」


「実は最近このムラには小鬼だけでなく人攫いが出るようになり、つい先日私の友人まで攫われてしまったのです」


「ほう」


「どうか攫われたムラの人達を助けてはいただけませんか?」


 娘は胸の前で手を結び、潤んだ瞳で見上げてくる。




(これは断れませんな。へっへっへ)




(いや待て、何を期待している。煩悩を断ち切らないと魂の浄化ができないぞ)




 頭の中で天使と悪魔が葛藤し、なんとか天使が勝利する。




「承知しました。ムラムラ…いえ、ムラの方々は私が必ず助けましょう」


「あ、ありがとうございます!その場にたまたま居合わせた者は、大きな猿のような化け物が攫っていったと申しておりました」


「猿…ですか。どちらに向かったか分かりますか?」


「化け物は北の森の方角に逃げていったという話です」


「分かりました。任せて下さい」


「よろしくお願いいたします」




 …娘と別れ、聞き込みも終了した。


 どうやら小鬼も北の森からやってくるらしい。


(まとめて相手することになったら厄介かもしれないな)


 初めての実戦に若干不安を覚えつつ、ムラを出た。

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