不安
道真様に魂を飛ばされた善訓の肉体は、新悟と康生を呼び二人の手で神殿に安置してもらった。
私はその後、二人にことの顛末を説明していた。
「それでね、道真様によると善訓が魂の修行というのを終えて帰ってくると、その…姿形が変わってしまうらしいのよ」
「へえ!そうなんだ!面白いねえ」
新悟はニコニコしながら相槌をうつ。
「よく分かんないけど、パワーアップして帰ってくるんじゃん?戦力アップじゃーん!ワクワクするねー。な?康生チャン」
「え…うん。なあ由佳さん。質問なんだけど」
「はい」
「善訓の身体さ、さっき触った時さ、脈が無かったみたいなんだけど、あの…生きてるの…?」
「分からない…道真様は仮死状態のようなものだとおっしゃってたけど…」
「…無事に帰ってくるよね?」
康生が続けて質問してくる。
「うん、たぶん…」
場に重い空気が流れる。
「転生先で何かあった…死んでしまったら、魂が砕かれて消滅してしまうらしいわ…」
(そんなことになったら…私は…)
気づくと涙が頬を伝っていた。
「ま、まあまあ!あいつなら上手くやるさ!大丈夫大丈夫!俺はあいつを信じるよ!」
新悟が私達を励ますように声を張る。
「そうね。私達が弱気になってちゃダメよね。善訓だって頑張ってるんだもの。」
「そうだね、信じよう」
康生も同意する。
「それで、帰ってきた時にパルチザンメンバーが混乱しないように、二人から前もって説明しておいて欲しいの」
「了解!任せてよ由佳チャン!」
「それで、善訓はどれくらいで帰ってくるか分かる?」
康生が尋ねる。
「道真様によると一週間ぐらいだって」
「一週間で何年分も修行するのか!まるでゲームみたいだね」
「…うん、そうだね」
(確かに。魔物がいきなりでてきたり神様が現れたり異界に転生したり…一体何なんだろう)
(ほんとうに、まるで小説やゲームのよう)
「なあなあ、帰ってきたら新生善訓クンのお披露目パーティーしようぜ!皆に説明したら一週間後に向けて準備するわ!」
「いいね!さすがリーダー良いこと言う!」
「うん!」
私も力強く返事をした。
(帰ってきたら美味しいご飯作ってあげよう!)




