帰還
「…つっっ!」
(今のはなんだ!?)
目の前にゴーストがいる。
こちらにふよふよと近付いてきている。
「命中しました!早くバイクに乗って下さい!」
後ろから声が聞こえる。
振り向くと佐藤がバイクに跨ってこちらを見ている。
俺は混乱した。何が何だか分からない。
「何してるんですか!早く!」
「は、はい」
俺は言われた通りにする。
(どういうことだ…俺は首を刎ねられて死んだんじゃなかったのか?それにさっきの記憶はなんだ…?)
「報告通り、ゴーストはあまり移動速度が速くないようですね」
「え、ええ」
「どうしたんですか?様子が変ですよ」
「い、いえ、大丈夫です」
顔を上げると遠くにデュラハンが見える。
「しっかり掴まって下さい」
佐藤がアクセルをふかしスピードを上げる。
佐藤がスラロームでデュラハンを避ける。
1。
2。
「頭を下げてっ!」
俺は言いながら佐藤の頭を押さえ、自分も頭を下げた。
ブゥオンッ!!
ものすごい風切り音が頭の後ろから聞こえた。
大量の冷や汗が瞬時に身体から吹き出した。
(助かった…)
振り返ると剣を空ぶったデュラハンがゴーストに襲い掛かられていた。
「今のは危なかったですね…頭を押さえてくれなかったら私もデュラハンになってましたよ」
佐藤が苦笑いしながら言う。
「いやぁ…たまたま見えたもんで…」
「何にせよ助かりました。帰還しましょう!」
「了解です」
『作戦終了。帰投します』
俺は新悟に通信すると佐藤と共に結界内に無事帰還した。




