寂々腕をのばす
寂々腕を伸ばし、がらんどうの牢獄の中身を掴もうとする。そこから引き抜かれるものは無く、精々偽物を表すにとどまる程度。ないものから引き出す事叶わず、ないものから引き出さなくては成り立たない。だから惹々、弱々、寂々腕を伸ばして前頭葉から、だけど昇華態は眠るんです。
フィルターを通して、虚像を結んで、レンズが映す偽物を、その偽物を、それの偽物を、だから認識する事なんて不可能なんです。ならば、表現する事も不可能なんです。水が光彩と水晶の間を通り抜ければ良いのだけど、緑色になってしまうのでどうしようも無いんです。
見えてますか、視えてますか、みえてますか。そのやけたもうまく、毛様体されてはいませんか。きっとその先で像が結ばれない事を知っていたとして、どうしてひかれずにいる事でしょうか。だからどれだけ何もなくとも、腕をのばすのではないでしょうか。
もうかけることないです。結局、どうしても本物にはなれません、どうしても本質には為せません。砂の一粒だとしても、偽物になる事位ならば出来たでしょうか。