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Deep Space Explorer  作者: ウオ
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出航

 人類の歴史的な日から50年が経ち、現在は宇宙歴(シスト人とコンタクトが0年。)が制定された。

 ついに念願のスペースドック(宇宙船造船場)も完成し、いよいよ宇宙に飛び出そうとしていた。



 最近、地球から125光年離れたササラ星団第5恒星系第3惑星に生命体が発見された。無人探査機を送ってみたところ、地球のは虫類に似た中世期レベルの文化を持つ知的生命体が発見され、接触を試みるプロジェクトが発足された。またこのプロジェクトには航行中に様々な調査をすることも含まれていた。


 早速人類初の宇宙船エクスプローラーが建造され、船長に地球人のシャーク=ホワイト、副長にシスト人のダーマ、機関士にシスト人のタカラ、操舵士に地球人のビル=ナカタが任命された。



 「我々は地球初の宇宙航海士である。みな任務の成功のために全力を尽くすように。」

船長は威厳のある口調で目的を述べた。

「もう説明を聞いて各自自分なりに研究をしてると思うがもう1度説明する。ササラ星団第5恒星系第3惑星に星系内航行が可能なレベルの知的生命体が確認された。その惑星を現地人は『シュボ』と呼んでいる。無人探査の結果、南半球の縦長の島がこの惑星最大の国家と思われる。我々はそこに上陸し、シュボ人との接触を試みる。接触の目的は彼らを同志に迎え入れることである。各自に配布した翻訳機にはすでに現地の言葉がプロミングされているが、複雑な言い回しは適切に翻訳されない場合がある。くれぐれもそそうの無いように。」

船長が説明し終わると、直ちに副長が乗組員へ命令した。

「これからどんな危険に出くわすか想像もつかない。各自油断をせずに任務を遂行するように。それでは配置につけ。」

「船長、発進命令を。」

「通常エンジン点火」

機関士が通常エンジンを始動すると、地球の静止軌道上にある宇宙港の全体から拍手がわき起こった。

「通常エンジン点火しました。」

「発進!」

船長が発進命令を出すと探索船エクスプローラーはゆっくりと宇宙空間にでていった。



 丸1日が過ぎ、冥王星が見えてきた。今まで人類が進出してきたのはここまでである。冥王星には資源採掘のため1万人が移住していたが、人間は建物の中でしか行動できないため、冥王星から離れるものが多く、今では無人資源採掘機が数基稼働しているだけである。衛星カロンの軌道上には宇宙望遠鏡が設置されていた。

「副長、あれを見てください。」

ビルはダーマに話しかけた。

「あなた方が来る前はあれで遠くの星を観測していました。でもこれからはあの望遠鏡で見るだけだった星にも直接いけるようになったのですね。」

「いや、我々の技術を持ったとしてもせいぜい千光年がやっとだ。まだまだあの望遠鏡に活躍してもらうことになる。」



 2日目には太陽圏内から脱出することができた。

「機関士、ワープエンジンは使えるかね?」

「いつでもOKです。」

「操舵士、ワープスピード10にセット。」

「ワープスピード10、セットしました。」

「機関士、通常エンジン停止、ワープエンジン点火。」

「通常エンジン停止、ワープエンジン点火しました。」

ワープエンジンを点火すると同時に窓から見えていた星が点から線に変わった。

「副長、これはどういうことかね?」

「ワープ航法とはグラビトン(重力子)を放射して時空を歪ませて推進しているので外に見える風景も歪んで見えるのです。」

「このエンジンの安定性は?」

「最低でも今日1日は持つでしょう。」

副長は船長の真意を読みとることができた。

「クルー全員に告ぐ、今日1日は特別休暇とする。今後のためにゆっくりと休養するように。」

副長は通信を切ると、

「これでよろしいでしょうか?船長。」

「立派だ、ダーマ。」

クルーたちは見慣れない外の風景に夢中になっていた。



補足


シスト人の宇宙船:

 シスト人の宇宙船は火星の開拓に必要な資源確保のため、宇宙船を解体した。


宇宙船エクスプローラーの任務:

 今回の任務の主な目的はシュボ人とのコンタクトだが、星図の作成、発見した惑星の探査、宇宙現象の調査等の様々な調査も含まれる。


ワープスピード:

 光の速さをワープ0.1としたときの単位。ワープ10は光の速さの100倍。

 宇宙船エクスプローラーの最大ワープスピードは100まで出せる設計となっている。


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