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どうしようもなく救いがない世界  作者: 十ろろ昆布
第一部 そうだ、宝探しをしよう
5/11

これが本当の想定外

(そろそろ人も減ってきたし早くあかねと帰りたいからとっとと教室から出るとしますか。)


教壇の上に置いてあった時間割を手に取りながらその内容に疑問を感じた。



====================

月曜

1,2 体育

3  魔法基礎 魔法応用(いずれか選択)

4  魔法理論(選択)

5  実践訓練

6  魔道具製作



火曜

1,2 数学

3  魔法陣作成(選択)

4  歴史

5  属性操作(選択)

6  国語



水曜

1,2 魔法操作

3  属性魔法(選択)

4  科学

5,6 魔法科学



木曜

1  体育

2  魔法陣作成(選択)

3,4 魔法理論(選択)

5  実践訓練

6  自習または質問受付



金曜

1  歴史

2  魔法基礎 魔法応用(選択)

3  属性操作(選択)

4  国語

5  科学

6  魔法科学



====================



時間と場所が何処にも載っていないのだ。多少は教室のものは判断できるが肝心の選択科目についてなにも情報がないのだ。だから出ていく生徒の顔が困り顔になっていたのが今わかった。

確かにこれじゃあどうすればいいか分かんない。

いちよう明日は教材販売の日だからその時についでに説明されることを信じよう。

こんなことよりも早くあかねを呼びに行こう。

今日のことについての理解者なのだから話してどう思ったか知りたいしね。

そう考えⅢ組にむかって走り出した。


「もう、しつこい!」


今日のことについて何から話そうか考えていた矢先Ⅲ組から叫び声が聞こえた。

この声はまさかあかね?

慌てて教室の中に入ろうとするが入口に人だかりができてしまい思うように入れないのだ。

力を込めて人の間を無理やり突破しようと試みるが思うようにうまくいかない。やはり男子と女子では体格の違いってやつが邪魔をする。

何とかして入口までたどり着き教室の状況を確認すると......。

あかねを守るように女子生徒が立っており、向かい側には例のヤンキー君がいた。


「このまま家に帰ってくださると助かるのだけれど」


「あ?俺はただ遊びに誘っただけだけど」


「発情サルの相手に選ばれるあかねさんがかわいそうだから止めておきなさい」


だめだ、今笑ったら絶対矛先がこちらに向いてしまう。てか、あかねめっちゃ笑うの我慢してるじゃん。体震えすぎだって!でもあかね親父ギャグとかに弱いからなあこの状況であれ言われたら坪に入るよねえ。


「どいつもこいつも俺のことを散々バカにしやがって……」



このままいくと式と同じ状況になってしまう。当事者達はもう殺気を出しまくってるし、誰もあの中にはいって仲裁しようなんて考えない。

そんななか私は自然と体が前を進んでいた。()()()()()()を無かったことにするように。



「俺に歯向かうやつは、全員死ねええええ!!」

ピィーーーーーーーーーーーーーー。


ヤンキー君が武器を振りかざし、私が彼らの間に入ろうとしたとき笛の音が響いた。


「こうそく!」「い、いはん?」


笛の音の方向を見ると小学一年生前後の可愛らしい男女が立っていた。


「こうそく!こうそく!」


「あなたがたはい、いはんしゃですか?」


少女の方はヤンキー君に、少年の方はあかね達に向かいそう言った。


「邪魔だ!とっととどけや!」


「こうしゃないのぼうこうきんし!」


もう一度笛が鳴ると今度はヤンキー君が止まっていた。まるで式の終わりの先輩達のように固まっているのだ。


「あなた!たしょうはまりょくてきせいがあるのね!でもそんなんじゃリノのまほうはとけないよ!」


「ちっ、いっ……た……い…なにを……した……」


「あなたのみがらは、リーダーにほうこくするまでそのままよ!おとなしくまってなさい!」



ヤンキーか幼女に分からされるなんて。正直誰得なんだ。


「ネタ提供ありがとうございます!!」


スルーしたかったけどさすがに大声は無理だった。誰が言ってたまでは分からないけど自分の趣味に関しては周りの目を気にしてほしかった。そのせいで、シリアスな空気がギャグ時空になっちゃったよ。色々と台無しにしてる。


「いちようと、とうじしゃとしてどうこうねがいます」


この少年は聞こえてない体でいくつもりらしい。というか慣れているような手つきで質問を始めだしたけど、風紀委員かなにかなのかな。


何も知らされないまま案内を始めだした。

あかねとは何か喋りたいけど間に例の女子生徒がいるため無言が続いていた。ヤンキー君は引きずられながらこちらを見ていた。いや、そこまでバカにしてないよ!!

そして例の2人組はなにやら揉めながら進んでいた。話の内容は良く聞こえなかったが少女が説教されているようだった。










しばらくして豪勢な扉の前に立たされていた。

「ただいまもどりました!しつれいします!」

こちらには何も説明されないまま扉が開かれた。校長室とかだったらどうしよう。急に謹慎処分とかになるのかな?


「ひどいッス!そんな理由でおやつ抜きはあんまりッスよ!」


「うるさい、そもそも命令無視したのはお前のほうだろ?」


「でも、手段は問わないって言ってたじゃないッスか!」


「安全面に考慮されてるならいいって言ったんだ。何でもすきにしていいとはいってない」


「いやだいやだ!自分もおやつ食べたいッス!!」


うーん、相変わらずこの学校はイベントごとしか起きない呪いでもかかっているかな?何も訳も分からないままこんなところに呼ばれた私たちはどうしたらいいか分からず困っていた。しかも部屋が少し豪勢に着飾ってあるため、なおのこと緊張してくる。


「ふん!あいかわらずこびるのがへたね!こういうときはこうすればいいのよ!」


いや、君までそっちにいっちゃったらこっちはいよいよなにもできないけど……。


「ねえ~、おやつちょうだい」


「そんな上目遣いしてもあげないし、お前もおやつは元々ないぞ」


「え!?」


「だって、お前柊の手伝いサボったらしいな。そんな悪い子にはあげません」

「そんなおうぼうはゆるされいないわ!」


「そうッスよ!私たちにもおやつ寄越せッス!!」


「それ以上言うと今後おやつ抜きだからな。あと光輝の分はあるから安心していいぞ」


残っている少年は声には出さないがとても笑顔で上機嫌で立っている。

でも、そろそろ私たちのことを無視しないでほしい。絶対こっちに気づいているのに無視するのはどうかと思う。


「まあまあ、どうせアルに買って貰えばすむし早いとこ彼女たちにはついて説明してくれる?」


「わかったわ!」


まあ、この場にいる人の殆どの顔は知っているからここが何処なのかは分かるけどさ……。あとなんか立場逆転して文句言ってる人もいるし騒がしいな。


「かれらがあばれているからつれてきたわ」


「それは分かるから状況を説明して?」


「???」


「もういいわ。あとは光輝に聞くから」


まあ、確かに暴れそうにはなったけどそれだけじゃあ誰にも伝わらないよ。

せめてこっち側を擁護するような発言してほしかったな。


「ありがとう光輝。こっちは任せて席についておやつ食べてなさい」


光輝と呼ばれていた少年は嬉しそうにおやつに向かって走っていた。あの姿見るとなんだか人形みたいでかわいいな。

少し余裕が出てきたので辺りを軽く見渡して見るとソファーだったり、オフィスディスクみたいな机があったりとここだけ会社のような家具の配置がしてある。やっぱりここってあれかな?


「それじゃあ、裁判でも始めましょうかね。覚悟はいい?」


そう言って生徒会の腕章を見せながらこちらには催促してきた。

やっぱりここ生徒会室かー。いや、こんなことでここに来たくなかった!!

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