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異世界転生?~THE PROMISE~  作者: 紅椿
龍の民編
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龍神様

だいぶ遅れましたが、これからは投稿を再開しようと思ってます。

趣味の域を出なかった作品だったと思いますが、これからは多くの人に読んで面白いと思ってもらえるようなものを書いて行こうと思っています。

 投稿時間を朝に変更してみます!(^^)!

 出すものを出し終えた俺は、改めてその場所を見ていた。遠目でははっきりとは見えていなかったが、改めてみると前世で言うアマゾンに近かった。

 植物とかそのまんまだし、蒸し暑さも聞いてたのと同じくらいだ、ただ違うのは先住民がこっちを見ている事だろうか?何やら怪しい行動を……ん?先住民?


「ノア!伏せろ!」


「うお!?」


 アイシャに頭を掴まれて無理矢理姿勢を低くさせられたお陰で、直撃は免れた。

 横目で一瞬だけ捕らえたが、槍の様な物が信じられないスピードで投げられていた。アイシャや俺でも反応が一瞬遅れ、俺の頬からは少し血が出ていた。


「避けた!」


「お前が投げるのが遅いからだ」


「次!」


 何やら草むらの向こうで会話を済ませたらしく、こちらに走って向かってきていた。

 顔つきを見るに大歓迎!という感じでは無いだろう。そもそも思いっきり投擲されてるし。

 流石にこっちも臨戦態勢、急に上陸した俺達にも非はあるかもしれないが、こっちだって急いでたんだ。


「ウガッ!」


 さっきは良く見えなかったがどうやら相手は男女のペアの様だ。

 最低限は隠しているといった格好で肌は日に焼けて褐色に、そこに緑の刺青の様な物を入れている。

 

「趣味悪いな!」


「何だと!?」


 言葉は通じるようだが会話は出来ない。今もずっと攻撃をさばいている。

 アイシャの方は女の方と戦っているはずだがどうだろうか?と思いチラ見すると二、三本土の柱を使って綺麗に固めていた。

 とっさにあんな器用な事が出来るから正直羨ましい限りだ。


「よそ見していいのか?」


「ああ、すまんすまん」


 あっちも終わらしてたしもういいかと思い、腹に一発拳を叩きこむ。

 綺麗に入ったので数時間は起きないだろうな。


「おい。少し大人げないんじゃないか?」


 アイシャが俺を見てそう言ってくる。

 そんなことを言っているが自分の方がひどいんじゃないか?相手は勝負すらできて無いだろうに。


「兄さん!起きてよ兄さん!」


 アイシャが拘束した少女が、俺が気絶させた男を見てそう叫んだ。

 どうやら兄弟だったらしい。それは別にいいのだが、これでは完全に俺たちが悪者じゃないか?泣いて兄を呼ぶ少女に気絶した兄。

 何か心が痛くなってきたような……。


「おいアイシャ。解放してあげれば?」


「お前は馬鹿か?先程攻撃を仕掛けられたばかりだろう」


「でもさあ、可哀そうじゃん。それに—————」


「やあ、余所者」


 背筋に悪寒が走った。

 咄嗟に避けたのはアイシャも同じだったようで、さっきの位置から少し離れた場所に俺たちは立っていた。さっきとは違い、俺は拳をアイシャは風で作った剣を構えている。

 

「可哀そうに。もう大丈夫だよ、ミー。それにアキも」


「龍神様あー!」


 石柱を壊されたらしく、少女は龍神と呼んだ者に泣きついていた。

 目の前に居るこいつは、明らかに普通じゃない事だけは分かる。だが見た目が……。

 女子中学生ぐらいに見える女は、兄弟を浮かせ草むらの向こうへ避難させた。

 青緑の髪には所々黒が混じり、金色の目は猫目に変わった。そして額からは角が伸びる。


「今、色々あってイライラしてるんだよね。だからさあ……」


「ちょっと付き合ってよ」


 目の前に居たはずの女の姿はすでに無く、声は後ろの方から聞こえた。

 振り返ったときには遅く、逆にそれを待っていましたと言わんばかりに俺の腹に鈍い衝撃が伝わった。

 あまりの痛みに腹を押さえ、その場に膝から崩れ落ちる。


「これアキの分ね。それから……こっちは個人的な分」


 次は横から蹴りを入れられ数メートル吹き飛ぶ。立ち上がる事すらできず、体が悲鳴を上げている。


「それから君はさあ、何も出来ないのってどんな気分?悔しいでしょ?それはミーの分ね。んでこっちが個人的な分」


 女は作り出した空弾を、石柱で拘束したアイシャの腹にねじ込んだ。

 叫ぶのを我慢している様なのは顔を見ただけで分かった。それを見て女は楽しそうに笑っていた。

 キレた理由はそれだけで十分だろう。


「おい女。調子乗んなよ」


「は?何いってんの?さっきまで地面に寝転がってた子がさあ」


 お望み通り付き合ってやろう。同時に俺のストレス発散にも付き合ってもらう事にするが。

 魔力を循環させ、雷を生み出し両手に集める。それに呼応するかのように額からは真っ黒な角が一対現れる。

 黒い雷は地面に当たりバチバチと音を立てる。両足にもそれを集中させ、俺は足を前に出した。


「お前……お前が何でそれを」


 俺の角と雷に反応した様だったが、そんなことはどうでもいい。

 取り合えず一発殴らないと気が済まない俺は、顔面に拳をねじ込んだ。避けなかったから普通にあたったんだが、こいつはピクリとも動かなかった。まるで何も無かったかのように涼しい顔をしている。


「何よ、見た目だけじゃない」


「あ?何言って……」


「本物の雷はね、お前みたいな静電気じゃないって言ったのよ!」


 青白い雷を纏った拳、それが俺の横腹を殴った。

 体中に電気が走り、俺の意識は遠のいて行った。

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