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異世界転生?~THE PROMISE~  作者: 紅椿
転生?編
23/77

お買い物

 朝、郵便受けを見ると、一通の手紙が届いていた。差出人はじいちゃんだった。

 久しぶりの家族からの手紙に嬉しさを感じた。やっぱり会話が無かったり、顔を見ないと寂しいんだ。


 ノアへ、元気にしてるか?こっちは皆元気にやっておる。

 学友もたくさんできているだろう——以下略

 前置きが長くなったが、今度開催される大会には家族全員で行くことになった。邪神様たちも家族総出で応援に来て下さるらしい。有り難い事じゃ。

 あとクサナギ様も行くといっておるが、もしかしたら本当に行くかもしれんから、その時はよろしく。


 クサナギ様の事を押し付けやがった……。あの人がはしゃぐとろくなことが無い、十二歳のころ国の祭りで酔ったクサナギ様に、刀を持って追いかけまわされたことがある。しかも捕まった後に酒を口から流し込まれた。その後は朝までの記憶が無いが、後日家に請求書が届いたことでなんとなく察した。

 まあ頭を抱える問題が出来たが、皆が見に来てくれることが分かった。それなら半端な試合は出来ないな。


「お兄様ー?起きてますか?」


 部屋の扉を2回ノックする音が鳴る。音とともにトアの声もした。今日は授業がないから遊びにでも来たのだろうか、俺の部屋に来た理由は分からないが、取り敢えず部屋に入れる。


「今日おじい様から手紙が届いたんです。……あ!お兄様のところにも届いたんですね」


 成程。手紙が届いたことが嬉しくて、俺に報告に来たわけだ。トアはじいちゃんが大好きだから、余計に嬉しかったんだろう。


「話を変えますが今日は暇ですか?」


「ん?ああ、今日は予定はないけど、どうしたの?」


 俺が予定がないことを伝えると、トアの顔がパァッと明るくなった。


「では、お買い物にでも行きませんか?休日には王都に出るのも許可されてますし……」


 何か欲しいものがあるから買って欲しい感じかな?可愛い妹の頼みなら、手持ちの金を全部使っても良いが……。


「分かった。準備するから待ってて」


「はい!」


 トアは妹と言っても1人の女性。男なら女性を待たせるなと、父に教えてこられたからには、準備も迅速に行わねばならない。

 という事で、1分程で着替えから何までの準備を終わらし、妹とお買い物デートに王都に繰り出した。


 この国の通過は、銅、銀、金と価値が上がっていく。銅貨は10枚で銀貨1枚、銀貨は10枚で金貨1枚と同等の価値がある。

 銀貨7枚が平均的な1ヶ月での収入だが、俺は今手元に金貨100枚ある。

 なぜこんなにあるのかと言うと、小さい頃から貰ってたお金を貯めていたからだ。使う機会のないお金は溜まりに溜まり、どうしようか迷っていたが、今まさに使う時が来た。もしかしたらこの時のために貯めてたのでは?


「ホントにお兄様に全額払って頂いて良いんですか?」


 目の前でパフェを食べながら、トアが心配そうに言う。


「良いんだよ、今ぐらいしか使う機会が無いからね」


 今トアには、トアの目の色と同じ青色の宝石が使われた髪飾りとネックレスと、パフェを買ってあげている。装飾品が少し値が貼ったが、まだ懐は暖かい。それに装飾品何かは、学園の行事等でも使う機会もあるし、無駄使いはしていないからな。


「む?ノアか、最近お前とはよく会うな」


 黒い半袖のシャツに、ベルトが通してあるジーパンの様なズボンを着た、アイシャが立っていた。普段は制服姿しか見ないから、何だか新鮮な感じだ。

 だが、仮にも王女が凄い格好だな……。普通真っ白なワンピースとかじゃ無いのか?

 因みにトアは肩から腕が丸見えな白い上着に、赤い長めのスカートを履いている。今日も男共に睨みを効かせて歩いていたが、周りから見ても少し腕ら辺の露出度が高いようだ。

 俺はと言うと、アイシャと全く同じ様な服を着ている。というか全く同じである。流石にこんなにドンピシャで被るとは思わなかった。


「アイシャか、確かに最近よく会うな」


「そちらは妹さんか?随分可愛らしいな」


 アイシャがトアを見てそう言う。うちの妹は同性から見ても可愛いらしい。


「何故アイーシアさんを愛称で呼ばれているのですか?」


 トアが俺に聞いてきた。何故か寒気がする……、夏前のはずだが誰か魔法でも使ってるのか?


「私が良いと言ったんだ。何か不味かったか?」


「いえ、何も……」


 トアが少し落ち込んだように感じた。折角の買い物なのに、妹が不機嫌だと余りいい気分はしない。


「すまんなアイシャ、今は妹と買い物中でな、何か用があるなら聞くが……」


 アイシャも俺の意図を汲んでくれたのか、少し苦笑いして言う。


「いやすまない、友人を見かけたので声をかけただけだ。申し訳なかったトア、私はこれで失礼するよ」


 そう言って、アイシャは人混みの中に消えていった。

 それにしてもアイシャとトアが友達だったとは、……は!!俺だけボッチか!?あいつ先越しやがったな!?

 今俺が落ち込んでは妹との買い物が台無しになってしまう……。

 俺は涙をこらえ妹に話しかける。


「次はどこに行こうか?」


「お兄様の服を見に行きましょう!」


 なにかに燃える妹。機嫌が治ってくれたようで良かったが、代わりに俺が落ち込んだ。

 その後、妹に着せ替え人形にされ、クタクタになって寮に戻った。結局金貨20枚程使い、その半分以上は俺の服代に消えた。

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