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異世界転生?~THE PROMISE~  作者: 紅椿
転生?編
19/77

二次試験

 投稿がしっかりできていなくて、自分も今気づきました。

 申し訳程度に二話投稿させてもらいます。

 「180番、前へ!」


 やっと俺の番が回ってきた。今で20組近くの受験者が呼ばれていったが、中々俺の番は回ってこなかった。

 待っている間は退屈だった。一人強いのが居たが、後はマシ程度かそれ以下、正直今まで何をしてきたのか聞きたいくらいだった。

 と、調子に乗ってたら負けそうなので気を引き締めるとしよう。ここで落ちたらシャレにならないしね。


「俺の相手になるなんて、運のない奴だな」


 目の前の男がそう言ってきた。昔こういうことを言う奴はフラグを立てて、直ぐに回収すると聞いたことがある。

 だがここは異世界、何があるか分からないし気は抜かない。


「丸腰の君に魔法を撃つのは心苦しいが、勘弁してくれ…。これも俺の合格のためだ」


 金色の前髪をかき上げ指を前に出した。少し気持ち悪いと思ってしまったが、口には出さない。無駄な争いは避けるのが賢明な判断だ。


「始め!」


 開始の合図と共にナルシストが指先に魔力を籠め始めた。


「燃えろ!ファイアーボール!!」


 そして呪文のようなものと共に、拳位の大きさの火の玉を打ち出した。頭痛が痛いみたいな呪文と共に繰り出された魔法は、俺目掛けて一直線に飛んでくる。

 が、これぐらいなら刀を使う必要はない。

 手のひらを上に向け、火の玉をすくう様に軽く上げ軌道をずらす。火の玉は俺にあたることは無く、後ろの方で掻き消えた。どうやら効果範囲も狭いようだ。

 次はどんな大技が来るのかと期待していたが、ナルシストは目を見開いて口をパクパクさせている。

 どうやらあれが全力だった様だ。ならこのまま立っていてもさっきの弾を撃つだけだろうから、サクッと終わらせよう。

 間合いを一瞬で詰め、得意の蹴りを腹にねじ込む。

 何千回何万回とルシファーにくらわされた蹴りのお陰で、俺は蹴り技が得意になった。まあその分文字通り血と汗を流したんだが……。笑い話にできてよかったと思うよ。


「それまで!」


 一発KOだったナルシストは、システムが働いて場外に出されていた。動いてないけど大丈夫かな?

 取り合えず合格は確定したわけだが、クラスはどうなるんだろう?勿論Sを目指している訳だが、確率は低いだろう。俺以上のやつなんてゴロゴロいるだろう。取り合えず今は合格できただけでいい。上には後からでも挑戦は出来る。

 最初から上に居たら慢心してしまうだろう。だからゆっくりでいいから俺は、一番下からだったとしても這い上がる。


「あれ?……俺何で入学しようと思ったんだ?」


 その時だけの疑問は、ずっとは頭には残らないだろう。ただ、頭の片隅に違和感だけは残る。



「お兄さまー!私7番でしたよ!Sクラスです!」

 

 トアが嬉しそうに駆け寄ってきた。その手にはSと書かれた紙が握られている。

 予想通りトアはSクラスだった。Sクラスは寮が個室で少し豪華らしい。Aクラスの成績上位10名も個室らしいが……。


「凄いじゃないかトア!」


 俺がそう言って褒めると、トアは照れ臭そうに顔を覆った。

 妹がSなのに対し、兄の俺はA、しかもAクラスの9位とギリギリだった。何とか個室は確保したんだが、兄としてのプライドは傷ついた。元々なかったようなものだけどな。

 成績発表の紙にはクラスと全体の順位、クラスでの順位とアドバイスが書かれていた。こういう所は流石名門校だ。

 俺へのアドバイスはこう書かれていた。


 体術、魔法学は文句の付け所が無いが、旧暦と魔法は最高とは言えない。魔法は使用したところを見た訳では無いが、漏れ出る魔力を見る限り鍛錬あるのみ、旧暦に関しては50点なのでよく勉強するように。

 そして、今回は上位10名が規格外の成績のためあまり気を落とさない様に、これからもこの学園で、文武両道にたくさんの事を学んでほしい。

 学園長より。


 と書いてあった。

 俺の記憶では学園長は一度も顔を出さなかったと思うんだが、アドバイスが的確なんだよな…。しかも上位10名が規格外か、そこには妹も含まれるわけだが妹よりも上が6名は居るわけだ。


「お兄さま!顔、顔!ハデスさんとの鍛錬の時もですけど、笑う癖何とかした方が良いですよ」


 おっといけない。入学前に変人扱いされて友達が、一人もいませんとかは嫌だからな。気を付けよう。

 合格した者は寮の部屋に案内され、そこに教科書や学校生活に必要な物が置かれている。荷物は後日配送になり、今手元にあるのは入学にあたっての冊子と、制服だけだった。入学式は明日に行われるため、今日はもう自室で大人しくしておけと言われた。

 緊張の糸が切れ安心しきった俺は、ベットに横たわるとすぐに眠ってしまった。

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