攻略対象者、悪役令嬢の家庭教師を自ら志願する。
「なぜ私に教えたいと・・・」
「ゲイリー伯爵の前でオーウェン侯爵がアリアを絶賛したらしいんだ。きっとルークとフェリシティ嬢の間を取り持ったことを話したんだろうけれど・・・。でも、あの人が人を褒めるなんて滅多にないことだからね。興味を持ってしまったんだ」
何てことしてくれたんですか?!
フェリシティ父!!
貴方のお陰で余計な人に目をつけられてしまったんですけど!!
第一、パーティで一言挨拶しただけですよね?
私の何がわかるというんでしょうか??
それに、私のルドルフを利用しようとしたよね?!
私は呆気にとられながらルドルフを見つめた。
「侯爵も仕方ない人だよね」と言ってため息をついている。
でもそれだけフェリシティちゃんが可愛いってことだもんね。
それは親として、あたり前なことなのかな。
・・・と、なんとか無理やり気持ちを落ち着かせるように頑張った。
今は、過去のフェリシティ父より、これからのゲイリー対策について考えるべきなのだ。
「その・・・ゲイリーは私に何を教えてくださるのでしょうか?」
ヒロインの担任だったけれど何を教えていたんだっけ。
ゲイリーは攻略対象の中で唯一の大人だった。
確か入学時は25歳だった気がする。
お色気担当であり、攻略はルドルフに次いで2番目に難しいといわれていた。
麗しい外見が目を惹き、全ての女性に平等に優しい。
沢山の女性を虜にしながらも本人は女性に全く興味がなくて、ヒロインが初恋だという設定だったような。
「専攻は考古学だけれど、リリー史や世界史も詳しいよ。アリアにはリリー史と世界史を違う角度から教えたいと言っているんだ」
違う角度からとは?
「あの人の知識量は素晴らしいよ。アリアから名前が上がったから、今までの論文を全部読んだけれど本当に面白かった。普段は研究室にこもっていて表には出てきていないけれどね」
あれ?
ルドルフさん好印象ですか?
研究室にこもるとかゲームとは違うイメージだけれど。
「ルドルフも出られる時は参加してくださいますか?」
「勿論!!」
ルドルフの瞳がキラキラしている。
これはお断りできない。
いや、そんな選択肢は初めからなかった。
ルドルフは初めにこう言っていた。
『パティンソン伯爵がアリアの講師になるんだ』だと。




