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番外編 ルーク②




「オーウェン侯爵はこちらにいらして大丈夫なんですか?」


今日も庭園で僕の横に座っていた侯爵は僕の言葉に笑った。



「今、大事な商談の最中なんだ。それが終わるまではこちらに滞在しようと思っている」



大事な商談中ならこんな所で土いじりなんてしていて良いのだろうか。


侯爵はキキョウをお気に召したようで、キキョウを見に訪ねて来る様になった。

そのついでに僕と一緒に種を蒔いたり、植物に水をまいたりする。



「ルークは将来どうしたいんだ?」

「将来ですか?・・・そうですね。うちは兄が継ぐので安泰ですし・・・兄を手伝いながら植物園を開くのも良いですね。珍しい草花を皆さんにお見せできたら・・・その横には愛する人がいたら素敵ですね」

「そうか・・・」



侯爵はそう言って土をポンポンと叩いた。



「これで全部終わったぞ」

「ありがとうございます。侯爵は土地をおさめるだけでなく、植物を育てる才能もおありなんですね」



僕が笑うと侯爵も笑った。

初めて会ったあの日から少しずつ笑う様になった。


侯爵は奥方を最近亡くされたそうだ。

お葬式で母と会い、奥方との思い出の品がいっぱいあると聞いてそれをみに来ていたらしい。

奥方は美しく聡明でとても素敵な方だと母から聞いていた。



「妹とは仲が良いのか?」

「妹ですか?そうですね。髪を整えたり服を着せたり・・・仲が良いかもしれません」

「あれを結ったのは君か?」

「はい。髪を編むのは得意かもしれませんね」



侯爵が口を開けてほうけた顔をしたかと思うと声を上げて笑い出した。



「本当に君はっ・・・!」



えっ?どこに笑う要素があったんだろうか。

一通り笑ったのか、落ち着きを取り戻した侯爵が僕の肩を叩いた。



「うちの娘が塞ぎ込んでいてね。もし君が良ければ遊んでやって欲しい。君の妹と同じように扱ってくれないか?」



僕なんかと会っても何もならないと思うけれど・・・。



「わかりました。僕で良ければ」

「そうか!では行くぞ!」



立ち上がったと思えば、僕の腕を引っ張って無理矢理立ち上がらせると、ぐいぐい門へ向かっていく。



「えっ?!今ですか?」

「ああ」



侯爵が何故か物凄く笑顔なんですが!



「侯爵、お仕事は?!」

「今、終わった!」

「えっ?!」



引きずられるように馬車に乗せられた。

どうやら両親には前々から僕を侯爵家に招待したいと言っていたらしい。


侯爵に濡れタオルで手をふかれながら僕は窓の外を見た。

侯爵に秘密にしていたけれど、もう一種類の種も蒔きたかったのにと思いながら。







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