家族会議。
パーティーを無事に終えてから、お互いの両親が揃って話し合う日が来た。
『私の今後について』である。
応接室には国王夫妻が並んで座り、その横にルドルフ、私の順に座っていて、向かい側にはお父様とお母様が座っていた。
通常であれば婚姻を結んだらそのまま一緒に暮らすけれど私達の年齢で婚姻を結んだのは王家では初めてらしい。
前にお義母様に聞いたら、乙女を察する能力は人それぞれ違うらしい。
子供の頃からずっと一緒に居たのに20歳近くになって気づいた人もいるそうだ。
「アリア、帰っておいで」
さあ、話し合おうと席についた途端にお父様が言った。
「アリアの意思を尊重してあげたらどうでしょう。貴方、アリアはこの2ヶ月でこんなにも成長したわ」
お母様の言葉に静まりかえった空気の中、ルドルフが笑顔で言った。
「今日はルイは来ていないんですね」
「ええ、連れてきたら話にならないかと思いまして」
ふふふと笑うお母様にお父様がため息をついた。
「アリアはどうしたいの?」
お父様の問いかけに私は膝の上に置いた手を握りしめた。
家族は大好きだ。
ここまでわがままを許してくれた。
だからこそ大好きな家族を私のせいで危険に晒すことなんて出来ない。
「私の為に護衛が付くそうなのです。王族は命をいつ狙われてもおかしくないからだそうです。・・・ルドルフと離れて暮らすよりルドルフと一緒に居た方が護衛がしやすいと思うのです」
「アリア!!」
お父様が今にも倒れそうだ。
「バーキン侯爵と夫人そしてルイを週に2日、王宮にお呼びしたいと思っております。勿論強制ではありません。予定が合えば是非アリアと過ごして欲しい」
ルドルフが私の代わりに話してくれる。
「アリアと僕の婚姻は異例です。その為、周囲には婚約と伝えています。婚約者であるが故に良からぬ考えを持つものも多いでしょう。出来る限り側にいてアリアを護りたいです」
お母様が感嘆の声を上げた。
「アリア、愛されてるのね・・・」
「はい、お母様」
お母様はにこりと笑ってお父様を見た。
「完敗よ、あなた。もうアリアを護るのは私達じゃないわ」
お母様の言葉にお父様は見るからに意気消沈して頷いた。
「わかりました。アリアをお願いします」
私とルドルフは目を合わせた。
一緒に住む為に乗り越えなければならなかったお父様が了承してくれたのだ。
このタイミングで今まで黙っていたお義父様が声を上げた。
「バーキン侯爵」
「はい」
「王宮は其方が守ってくれているから安心だ。・・・これは私からのお願いだが出来れば、アリアに魔法の使い方を教えてあげて欲しい」
えっ?私、魔法使えるの?
才能ないのかと思っていた。
「つまりアリアの家庭教師としてついて欲しい。夫人も、仕事の合間に顔を出してやってくれ」
「仕事?」
私の言葉にルドルフが耳元で囁いた。
「夫人は、侯爵が宮廷魔術師でなかなか侯爵の仕事ができないから代わりに業務をこなしているんだ。ルイと一緒に」
えっ?
全然知らなかった。
てっきりお茶会三昧かと思っていた。
だからあまり顔を見ることがなかったのか!




