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王子vs兄




「久しぶりだね、ルイ」

「お久しぶりですね、ルドルフ様。お誕生日おめでとうございます。お元気そうで何よりです」



私は顔をあげてルドルフを見た。

漫画だったら『バチバチ』という効果音が鳴りそうなくらい、ルドルフは勝ち誇った顔で微笑み、お兄様は悪意を隠そうとせず睨んでいる。



「ありがとう。そうだね、元気だよ。アリアを毎日抱きしめながら寝ているからね。今日は24時になった瞬間におめでとうと言ってもらえたよ」



そう言って私の耳たぶを甘噛みする。


やめて!家族の前ではやめて!

真っ赤になりながら下を向いてしまう。

もう淑女きどりなアリアは完全に消えました。

ルドルフのせいです。

完全にそうです。



「アリアが嫌そうじゃないですか。返してください」



返してください?

離してくださいじゃなくて?

頭にはてなが浮かんだ私の手首を掴もうとした瞬間、お兄様がびっくりして離れる。



「ああ、今日はアリアに魔法をかけたんだ。アリアに対して下心を持って触れる者が痛みを感じるようにね。僕の可愛いアリアにどんな輩が近付くかわからないだろう?でも・・・まさかアリアの兄であるルイに症状が出るとは思わなかったけれどね」



ルドルフを見上げるとふんわりと微笑んでくれた。

ああ、こんな時も素敵すぎる。

鼻から血がでそうです。


・・・って笑顔に騙されそうになったけれど・・・魔法っていつ?

知らなかったよ。


しかし何を言っているんだろう。

下心なんて家族でありはしない。

いや、そんな事はないか。

ある家はあるかもしれないけれど、バーキン家はお金に困っている訳でもないし、出世欲みたいなの無さそうだし。




「ルドルフ、お兄様が下心なんてあるわけないじゃないですか」



私がくすくすと笑うとルドルフが私の頭に口付けた。



「ごめんね、アリア。そうだよね」


そう言いながら何度も私の頭に口付ける。








お兄様なんでそんな顔で私を見るのですか?

お父様なんで頭を抱えるんですか?

お母様なんで口元を慌てて扇で隠すのですか?



やっぱり、バーキン家では甘々な雰囲気は苦手らしい。

嬉しそうに笑っているのはこの場でお義母様だけだもの!



「殿下。今日はよろしくお願いしますね」



にっこりと微笑んでお母様がルドルフに言った。

お母様とルドルフは何度か顔を合わせていて仲良くなった。

お母様なんてすっかりルドルフのファンになってしまっている。



「はい、お任せください」



ルドルフのキラキラスマイルにお母様がふらついてしまった為、お父様が支えることになる。

何度会ってもルドルフのキラキラには慣れないとお母様はおっしゃっていた。


私もだけれどね!

血は争えないね!



そう言えばお母様はお義父様のファンだった。

実はお母様はお義父様にだけはまだお会いしてない。

・・・今日、本物を見て倒れたりしないかしら。




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