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王子の可愛さにはまっています。




・・・違う気がする。

確かにルドルフ王子は私のタイプど真ん中だけど。

この暖かい温もりを与えてくれるルドルフこそが私の大切なひとなんだ。



「はぁ・・・」


ルドルフが思いっきりため息をついた。

その息が首筋にかかりくすぐったくて声を上げた。


「・・・アリア・・・可愛い」

ちゅっと首筋を吸われて痛みで顔が歪む。


「跡、付けてみた」


えっ?ルドルフさん、今何と?!

某動画サイトの動画タイトルみたいなんですけど!

いけない。

つい花時代の記憶が蘇ってくる。

意外と忘れていないものだな、懐かしい。


・・・ってそんなこと言ってる場合じゃなかった。





「アリアにこんな事できるの、僕だけだよ?げぇむのルドルフ王子はアリアに触れることもできないのだから」

ルドルフが首筋を撫でる。


おかしい!

絶対ルドルフさん、10歳くらいサバ読んでるよね?

どういう教育したらこんな風に育つんですか?!

お義父様!!


深呼吸してゆっくりと視線をあげると、ルドルフが悲しげに眉を下げて私を見つめていた。






・・・そうか。

ルドルフはからかっているわけじゃない。

ただ本当に自分を見てほしいだけなんだと気付かされた。

私はまだまだだなぁ。

ルドルフより大人なのに、なんでルドルフの寂しさに気づかなかったんだろう。


「あの時のわたしは、確かにルドルフ王子が大好きで、青春(お金も)を全てつぎ込んだけれど、ルドルフに会った今の私は、ルドルフが生きがいです!!」

「・・・アリア」


ルドルフは私の肩を掴み、自分の方に体を向けさせると、切なそうに私を見つめた。


「アリアの言葉を信じたいけど・・・さっきの父上に向けた視線が忘れられない」


すみません。

確かに見惚れていました。





「・・・アリアからキスしてくれたら・・・忘れられるかも」


真っ赤になりながら俯くルドルフ。

可愛い!可愛いよ、ルドルフ。

どうしてそんなところは年相応なんだ!

でも言ってる事は可愛くないけどね!!


「では・・・目を閉じてください」

「はい」


言われるがままルドルフが目を閉じる。


キャー!まつげ長い!

目を閉じても可愛い!


私はドキドキしながらルドルフの唇に自分の唇を押し付けた。

未だかつてこんなに緊張したキスなんてあっただろうか。


ゆっくりと唇を離すとルドルフが目を開けた。

お互い真っ赤になりながら俯く。


「ありがとうございます」

「どういたしまして」


今日何度かキスしたのに、なんでこんなに甘酸っぱい雰囲気になってるの?

もっとすごい事しましたよね?!


お互い俯いたままでいるとルドルフが私の額、鼻の頭に口付ける。



「アリア、大好きだよ。だから僕以外見ないで」


私が微笑んでルドルフを見つめるとより真っ赤になって両手で私の顔を隠した。



「恥ずかしいから・・・見ないで」


あの・・・可愛いすぎでどうしたら良いのかわからないんですけど。




「ルドルフさん」

「えっ?さん?!」

「きっと貴方自身はわかっていらっしゃらないと思うのですが」

「は・・・はい」

「とても可愛いです!!」

「えっ??」



遮られた視界を戻すがごとく、ルドルフの両手をとると驚いた様に瞳を見開き、私を見つめてきた。


「照れて真っ赤になったり、恥ずかしがったりとか、ゲームの王子はしませんから。いつも寂しそうに微笑む憂い顔が得意ですから」


「憂い顔が得意?」



ルドルフが首を傾げて私を見つめる。

それ!

それも私のツボなんです!!

可愛いんです。

・・・言ったらやってくれなくなると困るから言わないけれど。




「ゲームの王子とルドルフは似ているけど似てません。私はいろんな表情を見せてくれる、目の前にいるルドルフが好きなんです!!」


言い切った私は満面の笑みを浮かべた。

ルドルフは大きく目を見開いたと思ったら次の瞬間吹き出して笑った。





「僕もそんな真っ直ぐなアリアが大好きだよ。ずっと一緒にいてね」

「はい!」






私が返事をした瞬間にノックの音がしてルドルフが入る様に促すと、次々と紅茶やお菓子が並べられる。

テーブルが華やかになるとそのまま何事もなかったかの様にまた2人きりになった。

ルドルフと目があってお互い笑い合うとルドルフが言った。







「アリアには王家について色々話さなきゃいけないね」



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