ハイレベルな引きニートです。
「父上、入ります」
客室に着いてルドルフがノックをした。
王から許しを得て部屋に入ると、お父様・・・バーキン侯爵が王の腰に抱きついていた。
私とお兄様が絶句する。
「侯爵がアリアを返して欲しいと泣きついてきてな。いつもは威厳に満ちた宮廷魔術師とは思えぬ」
えっ・・・お父様、ただの侯爵じゃないの?
「お父様、宮廷魔術師だったんですか?」
「アリア・・・」
お兄様が俯き、額を押さえて唸っている。
「宮廷魔術師とか素敵なお仕事ですね!私、なんで気付かなかったんだろう・・・」
親の仕事知らないとか一般の引きニートでもハイレベル過ぎるのではないか。
アリアは小説と王子様にしか興味がなさ過ぎた。
完全なる引きニートだ。
今更ながら申し訳なくなってきた。
「アリアっ!」
お父様が王から離れて私に抱きついてきた。
そのお父様の勢いでルドルフの手が私から離れてしまう。
はっとしてルドルフを見たら眉を下げて微笑んで頷いた。
こんなに近くにいるのに、触れていた手が離れるだけで寂しいとか、神の加護力はんぱない。
「アリアには次期王妃なんて無理だよ。神様には申し訳ないけど、白紙にした方が・・・」
「バーキン侯爵!」
王の戒めるような声に、お父様がビクッと反応した。
王家の秘密だよね、今の。
「神様?どう言うことですか?」
お兄様がお父様に詰め寄る。
「すでに式を挙げたんだ。だから無効にはできない」
ルドルフが、お父様にいうと大きな声を上げて泣き出した。
「だから嫌だったんだ。アリアを外に出すのは!必死で隠してきたのにっ!」
いや、ですから。
私は単なる引きこもりで、好きで家にこもっていただけなのに。




