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わたしの世界の中心。
遠い意識の中、『わたし』がいた。
沢山の友達の中で楽しそうに笑っている。
そうだ。
友達も沢山いて彼氏もいた。
それでも一番幸せなのは・・・
ゲームをしている時だった。
大好きな作品はプリンセスシリーズで、特に「スクールライフ」が一番好きだった。
貴族が通う学校にただひとり平民のヒロイン。
イベントで仲が深まり結婚の約束ができたらハッピーエンド。
個性豊かな攻略対象がいた。
そんな中でもわたしは王道の中の王道、王子様であるルドルフが大好きで、いや、ルドルフだけを愛していて、グッズ化された時は涙を流した。
勿論、その月のバイト代は全てルドルフ王子に貢いだのはわたしだけの秘密だ。
誰にも言わず、周囲からはゲーム好きには見えなかったと思う。
みんなと彼氏と遊んでいるとゲームの時間が減っちゃう!なんて思わせたのはルドルフ王子だけだった。
ベッドに転がりながらゲームを楽しんでいると、そのままわたしの脳はスクールライフ化して、ヒロインとなりルドルフ王子とのスクールライフを楽しんでいた。