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王子の魅力にどっぷり浸かっています。
「アリア大好きだよ」
王子が包み込んだ私の手に口付けた。
今日1日で素敵な言葉をいっぱいくれた。
でも、この言葉が一番嬉しかった。
『大好き』という言葉がこんなにも嬉しくて、幸せで、安心感を与えてくれる言葉なんて知らなかった。
涙で視界が遮られる。
王子は指で私の涙を拭った後、両手で今度は私の頬を包み込んだ。
王子の手は暖かくて、それがより一層私の心を暖かくしてくれる。
「一生離さないからね、アリア」
「・・・はい」
スクールライフのルドルフ王子はこんなにも情熱的ではなかった。
穏やかに愛を育むストーリーだった。
明らかに違う王子に私は困惑しながらも、沸き起こってくる感情に整理がつかない。
ただただ、王子が愛しい。
ゲームをしていた時が極限状態だったはずなのに、それは甘かったとわかった。
本物は、情熱的なルドルフ王子の威力ははんぱない。
零れ落ちた涙が王子の指を伝う。
王子は嬉しそうに頬を緩めて私のまぶたに口付けた。
私は王子の魅力に囚われていてすっかり色々な事を忘れてしまっていた。
ゲームの中の私は悪役令嬢でエクターの婚約者だった事を。




