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悪役令嬢ですが大好きな王子様に溺愛されています。



「これは・・・」

「映像を映し出すものです」


ですよね!どこかで見たことがあると思っていたのですよ。

そう、これモニター画面だよね?

箱から長方形の画面を取り出すと、画面の左側の凹凸に何かを入れる。

すると画面にフェリ家が映った。

周囲からは歓声が上がる。


『アリアお姉様、お誕生日おめでとうございます!』

『お招きありがとうございます、アリア嬢のお誕生日のプレゼントとしてこちらをプレゼントします。ぜひ、フェリシティとの交流に使用してください』


ですよね。わかってましたとも!ルークの頭の中はフェリシティちゃんでいっぱいだものね。


『また、ぜひうちの工場に遊びに来てください』


フェリパパの言葉で締めくくって3人が手を振っているところで画面が消えた。





「これはまた・・・ルークは本当に天才ですね」


ルドルフの言葉に、これまた得意げにフェリパパが微笑んだ。


「ありがとうございます。早めに跡を継がせたいと思っております」

「それでは、パティ学園にはいかないのですか?」

「はい、あまり意味がないと思いますので」


おっと、ルークもパティ学園に行かないの??

これで、ルドルフ・ゲイリー・アダム・ルークの攻略対象4人がパティ学園に行かないことになるぞ。

ヒロインはどうなるのだろうか。



「ほう、これまた素晴らしい技術ですね。このような技術に長けている国に留学することも視野に入れた方が良いかもしれないですね」


いつの間にか近くにいたゲイリーがモニター画面を見ながら言った。


「そうなんだ。リリーは魔法中心だからこういった製品がなくても生きていくことができてしまう。魔法が浸透していない国に留学することも視野に入れた方が良いかと思っているんだ」


ゲイリーとフェリパパが話にルドルフが私の頭を撫でながら言った。


「そうですね。ルークをわが国代表の留学生として話を進めるのであればよい学園に推薦することができるかもしれませんね」


フェリパパが瞳を大きく見開きルドルフの手を取り握った。


「しかしその場合、あくまで国が支援しての留学となるので習得した技術・・・ルーク自身が国に属することになりますがよろしいでしょうか?」


そうなるとフェリ家の功績ではなくなるだろうし、フェリシティちゃんはどうなるの?

私が振り返りフェリシティちゃんとルークをみた。

心配そうにフェリシティちゃんがルークの服を握り締めている。

ルークがそれに気づきフェリシティちゃんの背中に手を置くと優しく撫でた。


「フェリと話して決めます。もう僕は独りではないので」


フェリシティちゃんを見つめる瞳がいつも以上に甘い。

フェリパパがポケットからハンカチを取り出して目頭を押さえた。


「お前は私の息子だ。私にも相談するように」


えっ?パパ、何泣き?

フェリシティちゃんとルークの仲の良さがうれしくて泣いていたのかと思えば、その言葉はどちらかと言うと自分を仲間外れにしないで欲しいように見えますけど!?


「勿論です。よろしくお願いいたします。お父様」


今度は声を上げて泣き出すフェリパパになぜか拍手が巻き起こる。

侯爵家のみんなと楽しそうにお話をしていたお父様とお母様がフェリパパの鳴き声と拍手にびっくりしたように駆け寄ってきた。


「えっと・・・これはどういうことかな、アリア」


お父様がさっきのお母様をみていたルドルフばりの引いた表情でフェリパパを見ている。


「ヒドルストン侯爵がルーク様を本当の親子のように大切に思っていらっしゃるということです」

「それで泣いているのか?」

「・・・はい」


納得いかないのかお父様が首を傾げる。

するとルドルフがそっと私の手を取って指を絡めて握るとお父様に王子スマイルで言った。


「最近、ルークとの距離を感じていたので、それが縮まって嬉しいのでしょう。父親とは本当に愛情深いですよね、バーキン侯爵もヒドルストン侯爵も」

ルドルフの言葉にお父様の口元が緩み「父親とはそういうものですよ」と言ってフェリパパの傍に行き、背中を軽くたたいた。

フェリパパがハッとしたように顔を上げたかと思うとお父様と話し出し、そしていつの間にかお父様とフェリパパが笑い合う。



「・・・ようやく仲良くなれそうだね」


ルドルフが私の顔を覗き込んで悪戯が成功したように微笑んだ。


「二人とも同じ父親だからね。家族への愛情深い二人はきっかけさえあれば仲良くできると思っていたんだ」


チュッと音を立てて私の額に口づけるとルドルフがつないだ手を強く握りしめた。

そうだ、お父様とフェリパパはあまり仲が良くなかった。

それは魔術が浸透しているバーキン家と、魔術に頼らないで生きているヒドルストン家は相容れないものがあったからだ。


「アリアとルークがいるから大丈夫だと思っていたけれど、二人の雪解けがこんなに早くできるとは思わなかったよ」

「仲良くなってほしかったんですか?」


私がルドルフにもたれ掛かり言うと頭を撫でてくれた。


「勿論、ある程度の距離はあった方が良いとは思うけれど以前は本当に顔を合わせれば口論をしていたからね。父上も大変だったみたいだよ」


なんと。お父様、そんな子供みたいなことをしていたのですか、大人なのに。




「アリア」


優しくて甘い声に私は顔を上げてルドルフを見上げた。


「これからも末永くよろしくね」


ルドルフは不安を消してくれるように、毎日『これからも一緒にいる』と伝えてくれる。

それがものすごくうれしいことを知っているのだろうか。




「はい!愛しています、ルドルフ」



ルドルフはハッとしたように瞳を大きく見開いた後、本当に嬉しそうに微笑んだ。





「うん。僕も愛しているよ、アリア」







ここまで読んでくださってありがとうございました!

第一部出会い篇が終了です。

出会ってから育みまくりではないかとツッコミが入りそうですが・・・。

次回からは少し大人になったルドルフとアリアが登場予定です!

甘々上等!なこれからの2人も応援していただけたら幸いです。

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