夫婦は似てくるものですね。
部屋に2人残された私たち。
色々な事がありすぎて呆然としていた私と向き合うように王子は立つと片膝をついた。
「アリア、これからは僕が君を護るから」
繋いだままでいた手の甲にチュッと音を立てて口付けると私を見上げた。
まるで王子様のような(王子様だけれど)誓いにドキドキしてしまう。
でも、なぜか王子の表情は捨てられた子犬のようだ。
好き!!可愛い!!
抱き付きたい!!
・・・だんだん私にも王子のスキンシップ力がうつってきた気がする。
まだ実行はできていないけれど。
私は王子に気持ちを返したくて、笑って欲しくて王子の手を両手で握った。
「私の全てはルドルフ王子のものです」
「アリア!」
満面の笑みを浮かべ、王子が立ち上がって私を抱きしめる。
なんで私がしたかったことがわかったんだろう。
私は腕を王子の背中に回して抱きしめ返した。
王子からはあの甘い香りがする。
私を癒してくれる香りだ。
しばらく抱き合っている間に段々落ち着いて来た気がする。
ゆっくりと腕を緩めると王子も緩めて自分の額を私の額にあてた。
「アリアには色々話さないとね。僕の部屋においで」
ちゅっと額にキスをして私を離すと今度は指を絡ませて手を繋いで、花が綻ぶように微笑んだ。
こんな表情、スチルで見たことない。
私は導かれるように王子の部屋に向かった。




