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王妃は優雅で可愛らしい。






「ルドルフ、バーキン侯爵に話を・・・しているわけは・・・ないな」

「はい。早く婚姻しなくてはと思い、父上の元に来ましたので話は通していないです」



笑顔の王子を見た王がため息をついて髪をかきあげた。



「・・・わかった。今日は感情がたかぶっているだろうから仕方がない。私も確認せず婚姻式を行ってしまった責任もある。私からバーキン侯爵に話しておく」

「ありがとうございます」


王子がお礼を言った横で私も隣でお辞儀をした。

あの親馬鹿なお父様に話をしてくださるなんて流石王様だ。

あっ、でも外ではしっかりしてると言っていたから親馬鹿なお父様を知らないのかもしれない。

大丈夫かなぁ、と少し心配になる。



「・・その様子だと、ちゃんとアリアとも話していないだろう。婚姻はしているのだからお前の部屋でも良いから色々説明するんだな・・・アリア」



「はい!」

「ルドルフを頼んだぞ」

「はい!」



私の勢い良い返事を聞いて、王は微笑み部屋を出て行く。

その様子をみた後、王妃が私の頭を撫でた。



「ルドルフのこんなに嬉しそうな顔、久しぶりに見たわ。ありがとう、アリアちゃん」



えっ・・・私にはただ穏やかに微笑んでいるようにしか見えないけれど。



「良かったわね、ルドルフ」

「はい、ありがとうございます。母上」


王妃は王子の頭も撫でてから、スカートをなびかせて私の方へ向き直った。

いちいち優雅で可愛らしい方だ。



「それじゃあ私も行くわ。・・・私からも言わせて。ルドルフをよろしくね」



「はい!」


私が元気よく返事をすると、満足したように微笑んでぽんぽんと私の頭に軽く手を置いてから王妃も部屋を出ていった。




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