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儀式。




王が何かを呟き始めると目の前に教会のような部屋が広がり、入るように促される。


部屋の奥にはテーブルがあり、そこにはインクとペン、紙が置かれていた。




「ルドルフ」

「はい」


王子がペンにインクをつけてサインしてペンを置く。


「アリア」

「はっ・・・はい!」


王子が私の手を離して微笑む。


「ここに署名するんだよ」


王子が指す場所に私もペンにインクを付けて署名をすると、また王が何かを唱えた瞬間にその用紙が浮かび上がり青い炎と共に消えてしまった。

その様子を見つめていた王が私達に微笑みを向けた。



「どうやら、正式に神に受理されたようだ。おめでとう。これで2人は夫婦だ。どんな者も2人の間に入る事は出来ない。神の加護がついているから安心して愛を育めば良い」



王の話がよくわからず首を傾げていると、王妃が近づいてきた。



「ルドルフ、説明してないの?」

「はい・・・プロポーズを受け入れてくれたことが嬉しくて、その足で来てしまいました」



頬を染めて、モジモジするルドルフ王子が可愛すぎる!!

中身が16歳+9歳な私は身悶えしそうになった。

そんな私がどうやら悩んでいるように見えたらしく、王妃が話をしてくれた。



「ヴァリー家、いえ王家では半身が居ると言われているの。その半身と出会ったら、さっきの婚姻の儀式を行うのよ。お互いが想い合って良い道を進める、永遠に繋がる愛だと、間違いなく半身だと神が認めたらさっきのように青い炎で契約を受け入れてくれるのよ。そうすると2人は道を違う事なくずっと愛し合って寄り添って国を支えて生きていけるのよ」



素敵なストーリーだと思った。

流石プリンセスシリーズだ。

夢いっぱいの設定だ。


でもそんな事、ゲームでは説明がなかったし、ルドルフ王子とヒロインのこんな契約シーンなんてなかった。



「王族の方は皆さんこの儀式をするんですか?」

「乙女・・・運命の相手と出会って、お互いが愛し合ったらするわ。私と王も出会ったその日に儀式をしたけれど、過去に何人かの王で現れなかった方もいるそうよ」



あまりにも悩んだ顔をしていたら、王子が私の手をとる。



「出会ってしまえば簡単だ。もうひとときでも離れたくなくなるからな」



王の言葉に私は顔を上げて王子をみた。

王子がそれに気付いて私に微笑んでくれた。



私が王子を好きなのは花の時からだ。

でも王子は私を好きではないのに・・・。



「さあ、儀式が終わった。この空間から出よう」



王がまた何かを唱えると先程の部屋と繋がり、私は王子に手を引かれて部屋を出た。





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