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悪役令嬢?!は急な展開についていけません。





「アリア?」



初めて聞いた王子の低い声に私の身体がびくりと反応する。

挨拶をしていないことに気づき、先ほどと同じように私は挨拶をした。



「初めまして。アリア・バーキンと申します。バーキン侯爵家の長女でルイ・バーキンの妹です」



王は私を見つめて暫くすると、ハッとした表情をして微笑んで声を掛けてくれた。



「私はルドルフの父だ。まさか、ルイではなくルドルフが其方を連れてくるとはな。アリアと呼んで良いかな」


「はい」



やっぱり、ゲームのルドルフ王子に似ている。

声も似ている気がする。

私と王が見つめ合う状態になると、王子が直ぐ様私と王の間に入った。



「父上、僕とアリアは結婚します」

「あら!」

王妃が私を後ろから抱きしめる。

えっ?その抱擁はどういう意味で?!




「・・・アリアはそれで良いのか?」



王の問いに王子が心配そうに見つめて、私の手に自分の指を絡めて握ってきた。

後ろから王妃に抱きしめられて、横には王子。

この不思議な光景にプラスして、目の前の王は真剣な顔をしている。


誰かが今部屋に入ってきたら、きっと滑稽に映るかもしれない。

そんな状態だが、王子推しな私は9歳のルドルフ王子も素敵!なんて邪な考えを見透かされそうで怖い。




「はい」

微笑んで王子に向かって言うと王子が嬉しそうに笑ったので私の頬もより染まってしまう。

王は息を深くはいて、少し頬を緩めた。



「無事にルドルフとアリアが会うことが出来て良かった」

「えっ?」



驚いた私の頭を王妃が撫でたので、反射的に見上げると艶やかに微笑まれた。


王子の色気は母親譲りだ。

絶対に。



「私達はバーキン家と懇意にしているのに、アリアにだけ会わせてくれない。ルドルフが『アリアと会いたいと言っても、ルイが会わせたくないと言って会わせてもらえない』としつこくてね。仕方ないからこうやって逆らえないように王命として無理矢理茶会を開いて公式にアリアと会う機会を作ったんだよ」


私に会う為に王命?!

いや、まて。

それ以前にお兄様・・・妹、好きすぎです。

でも王子が私に会いたいなんて思ってくれていたなんて。


唖然とする私を他所に王は立ち上がり、王子の側に寄ると声を上げて笑って王子の肩を何度も叩いた。




「良かったな。確かにアリアが乙女だ。こんなにもはっきり分かるものだとは私も思わなかった」

「・・・父上にも、わかったんですか?」

「一目見て分かったよ。この血を繋げるものだとね」




乙女?何を言っているんだろう。

私が首を傾げると王妃が私に微笑んだ。


「では婚約をして・・」

「父上、婚約ではなく今すぐ婚姻を結びます」

「えっ?」



王妃と私の声が重なる。



「・・・わかった、良いだろう。私もその方が安心だ。それにちょうど私も王妃も居るからな。・・・2人ともおいで」



突然の展開に私は不安になり王妃を見る。


「大丈夫よ」



王妃が立ち上がり私の背中を撫でると王子が私に手を伸ばした。

王妃はそっと私の背中を押した。







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