猟団は消す・・・
猟団を粛清・・・
3人が動き出す・・・
翌日、空斗と海斗はいつも通りに家を出て行った。
陸斗は2人の兄に言われ、影井の家に行った。
「陸斗様、何か御用ですか?」
「冥だけか?」
「2人も居ますよ、今呼んで来ます!」
冥が一旦玄関から離れると、すぐに2人の姉を連れて来た。
「どうしましたか?陸斗様?」
「うん、まあ、言いにくいんだけど・・・」
「何ですか?」
「まあ、海兄貴からの伝言なんだけど・・・」
「海斗様ですか?」
「蓮見は海兄貴だと張り切るね・・・海兄貴から、協力者が現れたからよろしく・・・だそうだ・・・」
「協力者?どんな人ですか?」
「・・・・・女性2人・・・」
「「「!?」」」
「何かあったんですか?」
「私達だけでは不満とか?」
「陸斗様はどう思っているんですか?」
「俺の考えではない・・・海兄貴に聞いてくれ・・・面倒な事は俺なんだよな・・・」
陸斗は左手で頭を軽く叩きながら地面の中に消えていく。
「俺は用事があるので、これで失礼する・・・」
「「「ちょっと!」」」
陸斗が居なくなってすぐに木暗姉妹がやって来た。
影井3姉妹は木暗姉妹を家の中に招き入れた。
陸斗は魔界を通り、西日本のとある山奥のお寺に姿を現した。お寺の本堂の隅にいつの間にか居た。
住職は当たり前の様に声を掛ける。
「陸斗様、何用ですか?」
「猟団を消す事になってね・・・住職、猟団は何処に居る?」
「山は京都、火は奈良ですね・・・林は私にも分かりません・・・」
「そうか・・・林は滋賀辺りかもな・・・」
「可能性は高いですね・・・どうやら猟団は、虎の尾を踏んだらしいですね・・・」
「どうかな・・・ただ、やってはいけない事をしたのは確かだ・・・」
「しょうがないですね、これも運命ですかね・・・」
「住職、お前はそれでいいのか?」
「私は猟団も頭目も引退した身・・・私の忠告を無視して首領に牙を剥いたんだ・・・報いは受けないといけません・・・」
「そうか・・・邪魔したな・・・」
陸斗は床の中に姿を消していった。
陸斗は自宅に戻ると布団に入った。
今日は学校に休みの連絡を入れてある為、夜までは暇がある。とは言え、夕方から粛清前の精神統一は行うわけではある。
陸斗が眠りに就こうかというタイミングで来客がある。影井3姉妹である。
「陸斗様、お話があります!」
「陸斗様、いるんでしょ!」
「出て来て下さい!」
陸斗は頭を掻きながら出て来る。
「何か?」
「あの協力者はどういう事ですか?」
「納得が出来ません!」
「訳を教えて下さい!」
「・・・すまんが明日でいいか・・・今日はゆっくりしたい・・・明日、海から説明させる・・・」
「「「納得出来ません!」」」
「・・・ならば協力は結構だ・・・俺が明日にしろと言っているんだ・・・無理ならば構わん・・・いくらでも記憶操作はしてやる・・・誰からやればいいんだ?」
「「「!?・・・申し訳ございません!」」」
陸斗は不機嫌そうに扉を閉め、自分の部屋に入って行った。
夕方、空斗と海斗が帰って来る。
空斗は地下の鍛錬場の一角で目を閉じて立ち、印を結び空気と同化したかの如く気配が消えている。
海斗は鍛錬場にて体をゆっくりと動かし、これからの事に備える。
陸斗は鍛錬場の一角で座禅を組んでいる。
夜10時を迎えると3人は一同に会する。
「さて・・・誰がどの猟団を消す?」
「俺は海の冷たさを火に教える・・・」
「陸の大きさを林に知らしめるか・・・」
「空の恐ろしさは山が感じるのか・・・」
3人はお互いの顔を見合わせ、頷く。
3人が黒装束に身を包み、顔も隠す。
これは、大きな粛清の時のみに着用する物であり、先祖から引き継がれた物である。
そこに小手を付ける。
空斗は太陽の様に赤い小手、海斗は海の様に青い小手、陸斗は豊かな自然の様な緑の小手を装着し、それぞれの小手には勾玉が嵌め込まれている。
「俺は京都へ・・・」
「奈良に行くとするか・・・」
「滋賀か・・・」
3人がそれぞれ呟く。
不意に家の扉が叩かれる。
影井3姉妹である。
「あいつ等は面倒臭い・・・」
「今回の粛清には危険だ・・・」
「海がそもそも悪いんだ・・・」
「そう言うな陸の・・・海にも考えがあるんだ・・・」
3人は話しが終わると地面に沈んでいった。
3人は魔界に来るとサタンが待っていた。
「大きな粛清の様だ!」
「まあな・・・」
「久しぶりに見たな、その格好!」
「もう着る事も無いと思っていたのだかな・・・」
「何か用事があるのか?」
「はっはっは、目障りな奴等がいてな・・・協力願えればありがたい!」
「猟団とは関係なさそうだな・・・」
「関係はないが、我々にもお前達にも目障りな奴等だ!」
「猟団を消したら考えよう・・・」
「いい返事を期待している・・・1つだけ伝えておく事がある。林は滋賀だが、頭目と本隊は鹿児島だ!」
「なるほど・・・鹿児島か・・・」
「さて、どうする・・・」
「早い者勝ちだろう・・・」
「はっはっはっはっは!お前達に掛かれば、猟団も赤子の手を捻るも同じ事か!」
「そういう事だ・・・」
「さて、話しは終わりだ・・・」
「勝手に通らせて貰うぞ・・・」
「ああ、好きにしろ!お前達に逆らうつもりはない・・・今回はお前達の戦いぶりを拝見するとしよう!」
「サタン・・・光か?」
「!?」
「やはりそうか・・・」
「馬鹿な奴等が多くて敵わん・・・」
「お前達には敵わないな・・・後で話しが出来ればそれでいい・・・」
「「「承知した!」」」
3人は魔界を抜け、空斗は京都、海斗は奈良、陸斗は滋賀にそれぞれ向かった。
それぞれの目的地へ・・・