海の怒りは深い・・・
更に粛清は続く・・・
海斗は大友組の前にいる。
海斗は本屋に入る様に、何気なく歩みを進める。
「誰・・・」
入り口にいた2人は声を出し終わる前に凍り、砕け散った。
海斗は中に入っていった。
中にはかなりの数のヤクザと忍者がいた。
しかし、海斗は歩みを止めない。
海斗が進むと取り囲む男達は次々に凍り、砕け散っていく。
男達は少しずつ後退していく。
「何をやっている、そいつを殺せ!」
「ほう・・・風の西城の父親にして、4猟団を統率する男・・・影の2頭目の1人、影の玄蔵か・・・」
「俺を知っているか・・・まあ、貴様は今日で死ぬ・・・俺達が闇を支配する!」
「・・・好きにするがいいさ・・・まずは邪魔者を消すか・・・」
海斗は右手の人差し指から小指までを立て、鼻先に当てる。
床より悍ましい姿の者が現れる。
「海の首領・・・俺様を呼ぶとは、怒りが伝わってくる様だ・・・珍しいな・・・」
「ふん・・・ディアボロスとサタンが召喚されたんだ・・・お前もたまには仕事をしろ・・・」
「俺様に言ってるのか?・・・食えねぇ奴だ・・・地獄の3支配者の1人、ベルゼビュート様が直々にこいつ等を地獄に落としてやるぜ!」
ベルゼビュートが話し終わると、男達はどんどん沈んでいく。
海斗は歩みを進める。
奥の広間の襖を開けると黒装束に身を包んだ男が5人いる。
「ここがお前の墓場だ!」
「闇は我々が支配する!」
「安心して死ね!」
5人が陣形を取る。
「無駄だ・・・後悔して死ね・・・」
5人が一斉に飛び掛かるが、海斗は右手の人差し指と中指を立て、鼻先に当てる。
飛び掛かった5人が凍り付き粉々になる。
すぐに海斗は両手を上に上げ、手を交差させた。
次の瞬間、天井裏が砕け散り潜んでいた忍者が7人、空中を浮遊する。
「俺を見くびらない事だ・・・」
海斗が両手を握ると7人は凍り砕け散った。
広間の奥の襖が開き、3人の黒装束の男とその男の1人に羽交い締めにされる様に、1人の女性が出てくる。
「流石は闇の3首領の1人だな・・・」
「しかし、これでは手も足も出せまい・・・」
「今からじっくり殺してやるから覚悟しろ!」
「お前達は学ぶという事を知らんらしい・・・やればいいだろう?」
「何だと?この娘がどうなってもいいのか?」
「人質は生きてこそ価値がある・・・死んでしまえば価値はない・・・」
「だったら殺されない様に手を出すな!」
「俺を殺しても、どうせその娘は死ぬんだ・・・人質としての価値はない・・・」
「助けると約束したのではないのか?」
「約束?それはお互いが覚えていて初めて成立する・・・俺の術で記憶操作すれば問題はない・・・」
「貴様、それで許されると思っているのか?」
「それは俺が決める事・・・お前達が決める事ではない・・・」
「く、貴様!」
「勘違いをしない事だ・・・俺達は正義ではない・・・だから、殺す事に躊躇もなければ・・・誰が殺されようと一向に構わん・・・」
海斗は歩みを進める。
「くそ、後悔しても知らんぞ!」
羽交い締めをしていた男が短刀を振りかざした時、男は体の自由を奪われ、身動きが取れなくなった。
「1つ言い忘れた・・・俺の許可なく自由には動けんぞ・・・だから人質は無駄だ・・・」
海斗は右手を開き、下から己の顔の前まで上げる。
瞬間、3人の黒装束の男達は粉々に消し飛ぶ。
海斗は女性の近くまで来るとしゃがみ込む。
「姉さんが待っている・・・俺と行こう・・・その前に少し待っていろ・・・玄蔵を始末する・・・」
海斗は床に左手を開いて置き、右手の人差し指を立て鼻先に当てる。
一瞬全体が揺れたかと思うと、海斗の目の前には黒装束の男が1人立っていた。
「さて、玄蔵・・・お前は楽に死ねると思うなよ・・・」
「く、闇の首領がこれ程とは・・・」
「後悔した時には遅い・・・他人の人生を弄んだんだ・・・じっくりと死の恐怖を味わえ・・・」
海斗は右手の人差し指と中指を立て鼻先に当てる。
玄蔵の周りを透明な箱の様な物が囲い、中の空気が黒く淀んでいく。
空間が切り裂かれ、ジョネスが姿を現わす。
「海の首領、俺でいいのか?」
「安心しろ・・・そいつが死ぬまで空間は解かん・・・好きなだけやっていいぞ・・・」
「お前、大分嫌われたな・・・楽しみだ、どんな声で泣くのかね・・・」
「くそ、こんな奴!」
玄蔵は印を組み、炎を巻き上げる。
「俺を焼き殺すなら地獄の炎を持ってくるんだな!」
ジョネスが右手を一振りすると、玄蔵の出した炎が消える。
「ならばこれはどうだ!」
玄蔵はなおも印を組む。ジョネスの体が凍っていく。
「はっはっは、俺を凍らせたいなら絶対零度を作り出すんだな!」
ジョネスが左手を一振りすると、凍っていた部分の氷が砕ける。
「貴様は闇にはなれぬ・・・さあ、生まれて来た事を後悔するんだ!」
ジョネスは玄蔵の左の手首を掴んだ。
「ぐぁぁあああああああ!」
玄蔵の左手が床に落ちる。
「ジョネス、片付いたら帰れよ・・・」
「ああ、勿論だ!」
「ま、待て、俺が悪かった・・・」
「言っただろう?後悔した時には遅いと・・・」
海斗は女性を連れ、闇に消えて行った。
「うぁぁぁあああああああああ!」
「まだまだ終わらないよ・・・」
玄蔵の悲鳴とジョネスの不気味な声がいつまでも聞こえた。
依頼人はマンションの自分の部屋に座っている。
「声を出したら殺す、動いても殺す、俺の質問に対する答えに偽りが有っても殺す・・・分かったら目を閉じ、頷け・・・」
依頼人は目を閉じて頷いた。
依頼人の手を握る感触がある。
「目を開け・・・」
依頼人は目を開けると妹がいた。
「お姉ちゃん・・・」
「楓・・・」
2人は抱き合う。
「依頼は果たした・・・」
「首領様、報酬を!」
「金ならいらぬ・・・お前達の新しい人生に使えば良い・・・」
「いいえ、そうもいきません・・・私自身も報酬です!」
「必要ない・・・」
「妹を助けて頂き、更に私の事も救って頂いた・・・このままでは納得出来ません!」
「妹と仲良く暮らせば良いではないか・・・」
「いいえ、お姉ちゃんと同じです。貴方様の力になりたい!」
「困ったものだな・・・影井3姉妹を訪ねよ・・・話は通しておく・・・」
「「影井3姉妹?」」
「俺達の協力者だ・・・名前を聞いておくとしよう・・・」
「はい、姉の木暗茜!」
「妹の木暗楓!」
「・・・無理はするな・・・嫌になったらいつでも辞めていい・・・」
声と気配が闇に消えて行った。
2人は首領に感謝し、命に代えて恩返しをする事を誓った。
新たな協力者が・・・
少しだけ騒がしくなりそうです。




