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闇の仕事、現代で生きる・・・  作者: 澤田慶次
3/21

粛清・・・地獄を見せる・・・

さあ、粛清の時・・・

3兄弟は大きなお寺に着いた。

3人はお寺の本堂に入って行く。

本堂では、仏様の木彫りの人形の前で、住職とヤクザの幹部と見られる男がお金のやり取りをしている。

周りに手下のヤクザが10名程囲んでいる。

更に20代の女性が4人、その中にいる。

4人の女性は震えている。

「そんなに震えんでも大丈夫じゃ!可愛がってあげるからの!」

「その後も大丈夫、俺達がいるからね!」

4人の女性の震えは、より一層大きくなった。

その時である。

「はい、お邪魔するよ!」

本堂に陸斗が入って来た。

学校から帰って家に入る様に、当たり前の様に入って来た。

「何だ!」

「ちょっと野暮用がありましてね・・・住職、地獄を見て貰います・・・」

「はっはっは、何を寝言を・・・寝言は寝てから言いなさい!」

「寝言ねぇ・・・俺が来たのに分からない・・・あんたの方がよっぽど寝言だ・・・」

「にいちゃん、なんか知らんが邪魔だ。痛い目みたくなかったら、出ていきな!」

周りのヤクザの1人が陸斗の胸ぐらに掴みかかる。

陸斗がそのヤクザの掴んだ右腕を触る。

「ぐあああああ!」

ヤクザの右腕は、陸斗が触った場所から溶けていき、床に落ちた。

「馬鹿だねぇ、俺に不用意に近付くなんて・・・」

ヤクザ達が身構える。

「4人は確保した・・・」

声のした方をヤクザ達が注目する。

言葉を発したのは海斗であった。

「記憶操作は終了している・・・」

陸斗でも海斗でもない方向から声を発したのは空斗。

ヤクザ達を中心に3兄弟が囲んでいる。

「さてどうするか・・・選んでいいぞ・・・」

「潔く殺されるか・・・」

「醜く抵抗して殺されるか・・・」

「どちらにしても、お前達は死ぬんだ・・・組も無くなる・・・」

「住職は特別だ・・・」

「地獄を見る・・・」

「舐めるなよ、お前等殺せ!」

ヤクザの幹部の一言で手下達が一斉に3人に襲い掛かる。

陸斗は触れる者が触れた所から溶け出す。

海斗は触れる者が触れた所から凍り付く。

空斗は触れる者が触れた所から無くなる。

3人は特に何かをしていない。

ただ触れるだけ、触れるだけで次々とあり得ない事が起きる。

ヤクザの手下達は、体の一部が無くなっている。

一瞬、空斗が自分の顔の前に自身の右手を持って行き、人差し指と中指を立て、自分の鼻先に当てた。

次の瞬間、ヤクザの手下達は断末魔を上げる暇さえなく消え去った。

海斗はヤクザの幹部の男に近付く。

「く、来るな・・・撃つぞ!」

幹部は拳銃を海斗に向け、引き金を引く。

弾丸は海斗に直撃したが、海斗は平気である。

忍力を全身に使っている為、全身が鋼鉄の様に硬く、拳銃くらいでは全く通じない。

「お前には聞きたい事がある・・・答えて貰うぞ・・・」

「い、命だけは・・・」

「自ら殺して欲しいと言ってくるさ・・・さぁ答えろ、お前は何処の組だ・・・」

「は、濱本組傘下・・・黒鷲組・・・」

「ほう、濱本組か・・・関東最大と言われる・・・跡形も無く、今夜消し去るか・・・」

海斗は空斗と同じ様な格好をする。

幹部の周りに透明な箱の様な物が出来、その中の空気がこちらと違い、かなりどす黒くなっている。

その空間を切り裂く様に、この世の者とは思えない姿の者が現れた。

「海の首領よ、私を呼ぶとは・・・この者、そういう事なのだな・・・」

「お前は誰だ・・・に、人間なのか?」

「人間か・・・面白い事を聞く・・・我が名はジョネス・・・まあ、人間の頃の名だがな・・・」

「ジョネス・・・まさか、解体屋(ばらしや)ジョネスか・・・50年前の最悪の殺人鬼・・・150人を素手で解体した、あのジョネスか?」

「ははは・・・知っているとは・・・光栄だね・・・ならば、これから起こる事は分かっているな・・・楽しみだ・・・」

「うわぁあああああ!」

幹部は拳銃を打つが全く効いていない。

ジョネスと言ったその者は薄ら笑いを浮かべている。

不意にジョネスが幹部の右手首を掴んだと思ったら、幹部の右手が落ちる。

ジョネスは自身の手に幹部の手首を持っていた。

「ぬあああああああああ!」

「まだまだだよ・・・この空間は、死ぬ事が許されない・・・痛みがずっと続く・・・さあ、次は何処を解体されたいんだ?」

ジョネスは左肩を握る。

「ぎゃあああああああ!」

ジョネスは右ももを握る。

「ぐぁあああああああ!」

ジョネスは笑っている。

「お、俺が悪かった・・・楽にさせてくれー!」

「だらしない奴だ・・・」

海斗がさっきと同じ格好を取ると空間は消えていく。

「足りない・・・」

ジョネスは言い放ち、幹部を掴み、空間の狭間に消えていった。

その様子を見ていた住職、油汗を流している。

「逃がすと思うか・・・影は縛っている・・・」

「か、金ならいくらでも出す・・・た、助けてくれ!」

「そうやって言って来た者を何人、その手で殺めて来た・・・」

「た、頼む・・・悪かった、心から反省する・・・助けてくれ!」

「・・・いいだろう・・・俺の術に耐えたら助けてやる・・・」

「おお、ありがとう!」

陸斗は空斗、海斗と同じ格好をする。

住職の周りには誰も居なくなったが、住職は動けない。目を閉じる事は出来ない。

目の前の空間が切り開かれ、無残な姿になったヤクザの幹部、ヤクザの手下、怨みを抱いて自殺していった者達が出て来る。

その者が次々に住職の体を引きちぎる。

住職に物凄い痛みが走る。

「うわあああああああ!」

気が付くと陸斗が目の前にいる。

「た、耐えたぞ・・・さぁ、解放しろ!」

「何を言っているんだ、これからだ・・・ほら、地獄が寂しいとさ・・・」

陸斗が話し終わると、陸斗達の姿が消える。

住職に先程と同じ光景が映る。

同じ事が起こる。

「うわあああああああ!」

「どうしたんだ・・・」

「今度こそ・・・」

「今度こそ何だ・・・」

陸斗達の姿が消え・・・・・・

「この世から消し去る依頼なら、空の首領である俺が()る・・・」

「地獄を見せるなら、海の首領である俺の出番だ・・・しかし、今回の依頼は地獄・・・」

「陸の首領・・・弟ながら恐ろしい・・・」

「あいつは1番、粛清に忠実だ・・・」

住職は何度も恐ろしい幻を繰り返す。

それも短時間でである。

住職には永遠とも取れる時間をこの苦痛で過ごすのだ。

まさに地獄・・・・・

3人は仏様の木彫りの人形の前に行く。

「ふん・・・崇められたって、何も助けやしない・・・」

「何がありがたいんだか・・・」

「全くだ・・・」

3人は木彫りの仏様を、空斗が真っ二つにし、海斗が粉々にし、陸斗が跡形も無く燃やした。

外に出た3人は、鐘つきを盛大に壊した。

その音に誰もが気付き、パトカーまでが出動する騒ぎになったが、3人はすでに何処にも居ない。

しかし、その粛清の帰り、

「陸の・・・どうする?」

「陸の・・・お前の粛清だ・・・」

「濱本組か・・・久しぶりに濱本に会うか・・・」

3人は濱本組本家に移動を開始した。

まだまだ粛清は終わらない・・・

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― 新着の感想 ―
[良い点] 粛清激しいですね! 確かに地獄絵図です・・・ カイへの粛清きたら、異世界から池本さん、佐伯、甲斐を ボディガードによぼう(笑)
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