依頼を遂行・・・
楓を巻いた陸斗・・・
何も無ければいいんですが・・・
陸斗と楓は街中を歩いている。
「小さな女の子のお姉さんが行方不明らしくて・・・」
「何かありそうだね・・・まぁ、調べるとしよう・・・」
2人はとあるお店に向かった。
行方不明の姉は21歳らしい、かなり歳の離れた妹がおり、その妹からの頼み事らしい。
アルバイトに行って、帰って来なくなったとの事、普通に考えたら有り得ない話だが、何かの事件に巻き込まれたか、あるいは誘拐等に合っているか・・・とにかく、何かがあった事には変わりはない。陸斗達は足取りを調べた。
行方不明になった姉「斉藤雪絵」が向かったアルバイト先に到着した。
高級クラブの様だ。陸斗はゆっくりと店の中に入っていく。
「何だ小僧!・・・何か用か?」
明らかにヤクザと分かる出で立ち、陸斗は小さく頷いた。
「答えろ!何の用だ?」
「斉藤雪絵という女性を捜している・・・知らないか?」
「知らねぇな!」
「隠し事をすると痛い目に合うぞ・・・」
「何だ小僧?俺に脅しか?・・・知らねぇものは知らねぇな!」
「俺が聞いている・・・知っている事を全て吐け・・・」
「何だと!」
「・・・楓、少し外に出ていろ・・・こいつとゆっくりと話しがしたい・・・」
楓は陸斗の顔を見て、すぐに外に出た。
陸斗の顔は無表情であり、感情が全く読めない。楓は恐怖を覚えた。
「さて、話して貰おう・・・」
「何だ?俺とやろうってのか?」
「いや、一方的にお前がやられるだけだ・・・」
「馬鹿にするのもいい加減にしろ!」
男は立ち上がり、陸斗の方に進もうとしたが、突然倒れた。当たり前である。男の右足は膝から下が無くなっていた。
「な、何で足がねぇんだ?」
「正直に話せば足だけで済ませるが・・・」
「このガキッ、何しやがった?」
「・・・痛みも必要らしい・・・」
「ぐわぁぁぁぁああああああああ!」
陸斗が呟くと、男に激痛が走った。
「斉藤という女性は?」
「俺は知らん、知らないんだ!」
「なるほど・・・足1本では足りないか・・・」
「待ってくれ、本当だ!組の何人かで女を拉致ってった!まずい物を見られたと言っていた、それくらいしか知らない!」
「何だ、知っているじゃないか・・・組の名前は?・・・」
「剣崎組!」
「・・・最近出て来た組か・・・」
「バックには鬼島組が着いている!」
「鬼島か・・・仕方がない、片付けるか・・・」
陸斗は後ろを向いた。
「待ってくれ、助けてくれ!・・・足を返してくれ!」
「・・・お前、罪のない人を何度も貶めたな?」
「もうしない、もうしないから許してくれ!」
「分かった・・・しかし、裏切りは死あるのみだぞ・・・」
「分かっている!」
陸斗は向きを変えた。目が怪しく光る。
次の瞬間、男の足は戻り痛みも消えた。
陸斗は男に背を向ける。
男は陸斗に向かって一直線に走り、ドスを陸斗の背中から刺した。
「へっへっへ、にいちゃんよ・・・あんまり他人は信用しない方がいいな!」
「ああ、それは分かっている・・・」
[パチン]
陸斗か指を鳴らすと男は地面に横になっており、右は膝から下が無い。
「やはりな・・・お前は生きる資格がない・・・」
「待ってくれ、今のはほんの冗談だ!」
「地獄で言ってろ・・・」
陸斗の目が怪しく光る。
男は瞬間的に凍り付き、粉々になった。
陸斗は外に出て楓と話す。
「鬼島組・・・少し面倒になったな・・・」
「どうしますか?」
「ああ、面倒というのは、大変という事ではない・・・空と海、2人も参加しそうだ・・・」
「では、残り2人の首領にも・・・」
「いや、時間が勿体無い・・・とりあえず、剣崎組だけは俺がやるとしよう・・・鬼島組は闇の裁判にかける・・・とりあえず、剣崎組に行くか・・・お前は待機だ・・・」
「はい・・・」
陸斗は剣崎組に向かい、楓は影井3姉妹の家に向かった。
剣崎組に陸斗は着いた。
当たり前の様に剣崎組に入っていく。なかなかの豪邸である。
「何だ、貴様!」
入り口に立っていた男は陸斗に声を掛けるが、次の瞬間には溶けて消えてしまった。
陸斗はそのまま中に入っていく。
「何だお前は!」
「殴り込みか?」
「命があると思うなよ!」
何人ものヤクザがドスを持って現れた。
「斉藤という女性を捜しに来た・・・知っているな・・・」
「答える義理はねぇ!」
「そうか・・・」
陸斗は左手をかざした。ヤクザ達は次々に溶けていき、誰も居なくなった。
陸斗は歩みを進める。
大きな部屋の襖を陸斗は開けた。
そこには女性が5人とヤクザが10人おり、女性は縛られている。女性の腕には注射の痕がある。多分、無理矢理麻薬を注射されたのだろう。
男達は陸斗の方に振り向く。
「何だ?」
「何だはこっちだ・・・何をしている・・・」
「これから楽しむんだ!」
「お前は邪魔だ、死ね!」
10人のヤクザは陸斗に向かって詰め寄る。
「邪魔は貴様等だ・・・」
陸斗は右手人差し指を鼻先に当てた。
ヤクザの周りを透明な箱の様な物が囲い、陸斗はその箱からすり抜ける様に出て来る。ヤクザ達は抜ける事が出来ない。
「ゆっくりと後悔する事だ・・・お前達は簡単には殺さない・・・」
箱の中にドス黒い空気が流れ、空間が避ける。そこから悍ましい姿のジョネスが現れた。
「陸の首領からの依頼か・・・珍しいな・・・」
「手を抜いたら消す・・・」
「何で手を抜かないといけないんだ・・・俺は全力で楽しむタイプだ」
「ゆっくりだ・・・ゆっくりと後悔させろ・・・」
「はーはっはっは、言われなくてもゆっくり遊ぶさ・・・解体す事が俺の楽しみ!」
「寄るな化け物!」
「こっちに来るな!」
「近付いたら殺すぞ!」
「そんなに怖い顔をするな・・・ゆっくり楽しもうじゃないか?」
ヤクザ達はジョネスに斬り掛かるがジョネスは笑いながらヤクザ達の手や足を掴み出す。
『ぬぁぁぁぁあああああああああ!』
ヤクザ達の悲鳴が聞こえる。
陸斗は女性達の近くに行く。女性達は麻薬の影響で何も分かっていない。
陸斗は右手をかざす。
すぐに女性達は意識がなくなる。
この時陸斗は、女性達の体から麻薬を抜き、意識をなくして記憶操作をした。女性達からは麻薬とヤクザの記憶は無くなり、この後、意識が戻った際には、自分達の家まで帰る様になっている。
陸斗は立ち上がり、更に歩みを進めた。
何やら良からぬ事が・・・