表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/47

第12章

 何故あいつが知ってたのか知らんが、俺は中学生まで勅使河原の姓を名乗っていた。祖父は勅使河原グループの会長で、父も取締役。まあ、俺は金持ちのボンボンという奴だった。


 それで中二の時、重役にその家族も含めて乗っていた慰安旅行のバスが崖から落ちた。俺だけが学校行事のため、旅行には行かなかった。つまり、勅使河原一家で生き残ったのは俺一人だった。


 遺産がどうとか面倒な話になったので、俺は親戚の中で一番ましな人間性の滝本家に相談した。結局会社は手放し、税金や何やで残ったのは二十億と少し。傾いていたらしい滝本の事業も助けた。


 一年と少し滝本家のお世話になり、高校に入ってから俺は独立した。金もあるし、何より一人が気楽だ。まあ二十億というのは簡単に使い切ってしまえる額だから、できるだけ質素に暮らしている。俺が稼いだ金でもないし。


 このマンションも一人には広い。使ってない部屋が二つもある。俺は弁当をレンジにぶち込んだ。洗濯機から洗えた物を出して室内に干した。この部屋も、物干しと荷物置きにしか使ってない。


 もう少し狭くて安い部屋でもいいんだろうが、ここからの眺めはなかなか気に入っている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ