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魔法学都へ

 アンは、前世の記憶により、魔法学都で起きる事件を防ぐために、


 そこに向かう、ラスディアとウォルドに付いていく方法を考えていた。

 

 そこに、一羽のフクロウがやって来て……。

 日が登り、窓から朝日が差し込む。――結局、良い案が浮かばないどころか、眠ってしまった。


 部屋の反対側の、空のベッドを見る。――イニスは、既に起きていたようだ。


「……仕方ない、取り敢えず起きるか」


 寝間着を脱ぎ、髪の毛が当たらないようにして、肩の傷の具合を診てみる。包帯を取ると、少しだけ血がにじむ。


 ――コンコンと、ドアをノックする音が聞こえる。丁度よく、イニスが傷薬と、替えの包帯を持ってきてくれた。


「おはよう。もう起きてたんだ?」


「アン、おはよう!傷は、まだ痛む?」


 俺は、少しだけ痛むことを伝えた。そして、イニスに治療を手伝ってもらい、着替えを済ませて外に出る。


 二頭の馬が見える。ラスディアとウォルドが、出立の準備を進めている所だった。


 二人は兜を外していて、ラスディアは栗色の髪を小さく纏めて肩から下げて、ウォルドは黒い短髪だった。


「おはよう。具合が良さそうで何よりだ」


「おはよう!無理は、しないようにね?」


 二人は、俺に気づいて挨拶を交わす。――さて、何とかして二人に付いていきたいのだが……。


 ――ふと、何かの視線を感じて横に振り返る。


「うわ!?」


 大きな白いフクロウが、村の中の道に設置されている、柵の上に止まって此方を見つめていた。


「うお!?いつの間に!?」


「……ん?この鳥、【魔法学都】の使い魔だ」


 ラスディアが、フクロウの脚に付いていた脚輪の装飾を、見て言った。


 フクロウは、眠たそうに目蓋を閉じて、ホーゥと一鳴きする。そして、クシバシで翼の下から木で出来た筒を取り出す。


 ――明らかに、体の体積より大きい筒を取り出している。どういう原理なんだろうか?


「――手紙、みたいだ」


 ラスディアは、フクロウから筒を受けとると、中に入っていた手紙を取り出し、読み始めた。


「……【アン・クロノート】とは、君のことかい?」


 ――【アン・クロノート】とは、俺の名前だった。何故、フルネームを知っているんだろうか?


「……はい、そうですが?」


「すまない。君宛の手紙だった」


 彼女は、そう言って手紙を渡してきた。一体、なんだろう?


「【魔道具技師】に、推薦……?」


 手紙の内容は、推薦状だった。――あぁ、思い出した、そういうことも行っていたな、あの人。


 そういえば、この白いフクロウも、あの人の使い魔だっけ。


 ――あれ、【あの人】って誰だ?……また、妙なところで思い出せない。


「……驚いたな、【セータ】様から直接の推薦状とは……」


 ラスディアが、意外そうに手紙を見つめる。それに対して、ウォルドが答えた。


「まぁ、俺たちが居ることも予想したんだろう。学長の占いは良く当たるからな」


 手紙の送り主の名前は、【魔法学都学長セータ・メビウス】。――そうだ、彼女が、このフクロウの主人だ。


「それで、どうする?君には、断る事もできるけど?」


 ――そう、これはあくまで推薦状。あの人は、賛否の答えも楽しんで送っている。


 しかし、今はチャンスかもしれない。これで、彼らに付いていく理由ができた。


「……ねえ、今の話」


 声を掛けられ、その方向を振り返ると、イニスが驚きの表情で立っていた。


「イニス……聞いていたのか」


 俺の問いかけに、彼女は小さく頷く。そして、俺に近づき、


「……本当に行くの?前に、言われた時みたいに?」


 ――前に言われた?確か、以前に行商人が村に来たときに、技師としての能力を誉められたんだ。


 その時に、俺が頼んだんだった。――待てよ。何で、そんな過去の事を知っているんだ?


 前の姿の時も、あの森で彼女に初めて、出会った筈なのに――。


「――おぉ、これはどうした?……その手紙は?」


 そこに、イニスの父親がやって来た。そして、俺の持っていた手紙を取る。


「おぉ!魔法学都からの推薦状じゃないか!良かったなぁ、夢が叶ったじゃないか」


 イニスの父親は、嬉しそうに笑った。しかし、イニスは悲しく辛そうに、


「でも、アンが出ていっちゃうんだよ?」


「お前だって、後押ししていたじゃないか?応援してやらないと――」


 イニスは、父親の言葉を最後まで聞かずに、走り去って行ってしまった。


「――いや、すいません。お騒がせしてしまって」


「いえ、家族と別れるのは辛いことです」


 親子の話を聞いていた、ウォルドが悲しい表情で答える。


「それでも、君は行くのかい?」


 ラスは、選択を問い掛ける。――どうやら、話の流れから付いていく意志があると思われたようだ。


 ――無論、付いていく事は決めているのだが。




 ラスディア達の馬たちに、荷車用の革紐が付けられていく。


 この村に、やって来る行商人の為の予備の荷車も運ばれてきた。


「急だもんで、この荷車しか用意できねぇが」


 荷車を押してきた、お爺さんがウォルドたちに謝っている。


「車輪もしっかりしていますし、この子なら大丈夫ですよ」


 ウォルドが、車輪を確かめると馬を撫でながら応える。


 栗色の毛並みの馬と、黒い毛並みの馬。彼等の乗ってきていた馬の二頭のだった。


「ところでアン、着替えや荷物の準備はしないのかい?」


 イニスの母親に言われて、急かされるように部屋に向かう。


 ドアをノックしてから、部屋に入る。中には誰も居なかった。


 確か、イニスが部屋に引きこもったまま、出てこないって聞いていたけど、入れ違いになったかな。


 一通り荷物をまとめて、ウォルドたちの元に向かう。荷車の所まで来たが、イニスの姿はなかった。


「もう、良いのかい?」


「……はい、準備は出来ました」


 俺は荷車の中に、荷物の入った鞄を置きながら、そう答えた。


「……イニスには、会っていないのかい?」


 イニスの父親の質問に、俺は首を横に降った。


「いいんです。ずっと離ればなれでは、ないですし」


「しょうがない子だよ、……あの子には、私から話しておくよ」


 イニスの母親が、仕方がないといった、優しい表情で言った。


 ――そして、俺はウォルドとラスディアと共に、村を出発した。




「別れを訃げなくて、本当に良かったのかい?」


 馬の手綱を引きながら、ウォルドが質問を投げ掛ける。


「はい、きっと、直ぐに会えるような気がするんです」


 それに俺は、そう答えた。――そう、俺は知っていた。


 イニスとは、魔法学都で再会する事になる。――まだ、何かがあったはずなのだが、思い出せない。


「それならいいのだが、――もしかしたら、別れを告げられないまま、最後を迎えてしまうかもしれない」


 荷車の中に座っていたラスディアが、怖いことを言った。


「確かに俺たちのような騎士には、そういった事もあるけど。二人は騎士じゃないんだから……」


 彼女に対して、ウォルドが困ったようにフォローを入れる。


 騎士――か。俺は少し気になって、【メニュー画面】を開き、彼等の【パラメーター】を確認する。 


 ――やっぱり。俺やイニスには無かった、【剣術】と【騎士道】の【パラメーター】が付いていた。


 どうやら、前世の時と同じく、気づいたり、見たりすれば追加されるようだ。


 流石に、スリーサイズは鎧を着けているためか、表示されなかった。


 ――しかし、ラスディアの方が、ウォルドより強いんだな。そして――、


 イニスの時と同じく、ハート型の【パラメーター】が付いていた。


 もしかしたら、この世界の設定が、恋愛ゲームの物になってしまったのかもしれない。


 勿論、俺はこの世界がゲームの中なのは、知っていた。しかし、そうなるとウォルドの事が気がかりだ。


 【パラメーター】があるものの、この先、彼は死んでしまう可能性がある。それに――、


「――ん?おぉ!どうやら、アンの読みは当たったぞ」


 突然、ウォルドが声を上げた。そして、馬の脚を停める。


「一体、どうしたんです――」


 俺は、荷車から体を伸ばし、前を見た。――そこには、イニスが立っていた。


「えへへ、待ってたよ」


 彼女は、悪戯そうに挨拶をする。ずっと見ないと思ったら、先に荷物をまとめて、先回りしていたのか。


「何と、行動力のある娘なんだ……」


 ラスディアが呆れるように、言葉を洩らす。しかし、険しい顔を見せて、


「だが、女の子が一人で、こんなところまで来るのは危ない事だぞ?」


 全くだ。それに、まだ【はぐれ鬼モグラ】が居たかもしれないのに無茶をする。


 イニスが、荷車に乗ると、ウォルドが直ぐに、


「兎に角、村に引き返そう」


「嫌です。私も、ついていきます」


 彼が手綱をひこうとすると、イニスがそれを止める。彼女は決意のこもった表情をしていた。 


 ラスディアが、呆れたように、ため息を吐く。


「仕方がない、学都に着いたら手紙を送るんだよ?」


「はい、ウォルドさんの元に嫁ぎますって、置き手紙を置いてきました。」


 うわぁ、とんでもないことを……。でも、確かに父親自信も言っていたことだし、口は災いの元か。しかし――、


「あー、その事なんだけど……」


 ウォルドが、申し訳なさそうに言葉を濁す。そこに、ラスディアが、


「私とウォルドは、婚約しているのだ」


 そう、二人は婚約者同士。俺は、それを前世で知っていた。


「そっ、そうだったんですか。すいません、失礼なことをしてしまって……」


「問題ない。それに、あの時はタイミングが悪くて、伝えていなかった」


「親父さんには、悪いことをしてしまったなぁ……」


 イニスが、ひどく落ち込んでいたが、二人はあまり、気にしている様子は無かった。


「とりあえず、俺と一緒に雇ってもらえるか、頼んでみようよ」


 ――恐らくは、雇ってもらえるだろう。順番は変わってしまったが、前世の記憶では、彼女は魔法学都で過ごすことになる。


「よし、じぁあ行くか!進め、【マルアイ】、【アルメルン】!」


 ウォルドが、馬たちの手綱を引き、歩を進める。


【マルアイ】、【アルメルン】というのは、荷車を引いている二頭の馬の名前だ。


 マルアイが、栗色の毛並み。アルメルンが、黒い毛並みの馬だった。


「良い馬達ですね?」


「そうだな。子馬の頃からの、馴染みなんだ」


 俺が、馬の事を誉めると、ラスディアは嬉しそうに答える。


 とても、なついているように思える。――俺にも、そんな馴染みの動物が居たような……?


「うーん、困ったなぁ」


 靄が掛かったように考えていると、ラスディアが、もどかしいように、鎧の左側の腰当てを外す。


「どうしたんですか?」


 俺が、不思議そうに聞くと、


「どうにも、腰当ての収納部分の閉まりが悪いようで、さっきから振動で開いてしまうんだ」


 ラスディアは、腰当ての収納部分の蓋を開けて中身を開けた。出てきたものは球体の道具で、床に幾つか転がった。


「こういうものは、苦手でなぁ。学都に着いたら修理に出さないと……」


「それぐらいなら、俺が直せますよ?」


 俺には、これぐらいの故障だったら、直せることができた。前世での経験だけど。


「……そうか、ではお願いしようかな?」


 そう言って、腰当てを手渡ししてもらう。俺は、自分の髪を纏めて、荷物の鞄から修理キットを取り出し、作業を始めた。


 ――数分後、腰当ての開閉部分の動作を確かめる。問題がないようなので、ラスディアにそれを返した。


「ふむ、すごいな。数分でここまでの、作業をこなすとは……」


 自分でも、不思議だった。前世の経験で、修理の仕方は覚えていたけど、こんなに簡単にできるとは思っていなかった。


 それに、転がっている球体の道具が気になる。ふと、それらを手にとる。


「これ、【煙幕玉】ですよね?こっちは、【閃光玉】」


 【煙幕玉】は、強く叩きつけると文字通り、煙が出る。【閃光玉】は、いわゆる発煙筒のように、しばらく発光する道具だった。


「……その通りだが、どうしたんだ?」


「いえ、このままだと殻が割れずに、不発してしまうので……」


 煙幕玉は、硬い殻の木の実を割り、その中に煙の元になるタネと、火薬が入れて、元の球体に接着する。


 しかし、彼女の持っていた煙幕玉は出来が悪く、このままでは不発してしまう可能性があった。


 接着面に、小さな切り込みを入れる。全ての球体を調べ、不良品を直し、ラスディアに返した。


「これで、大丈夫ですよ」


「……試しに、一つ使っても?」


 俺は、小さく頷いた。疑心暗鬼の彼女が、確かめる為に荷車の後方の道に煙幕玉を一つ、叩きつけた。


 小さな破裂音の後、煙が辺りに広がる。道や、回りの木の根もとは、見えなくなった。


「すごいな!これなら、推薦状を貰っても、おかしくないな!」


 横目で眺めていたウォルドが、驚きながら笑っていた。


「それは、そうですよ。アンは、子供の頃から得意でしたから」


 なぜか、イニスが嬉しそうに答える。それはさておき、どうやら、俺の知らない子供の頃の経験が、技師としての能力を上げているようだった。


「しかし……、これは、ちょっと強すぎないか?」


 荷車の後方を眺めながら、ラスディアは冷や汗をかいていた。


 なぜなら、煙はまだ立ち込めていて空の方まで、煙で真っ白になっていた。


 ――後で、問題になったりしないだろうか?


 ちなみに、この時のイニスの【パラメーター】の赤いハートが、少し左に傾き、


 ラスディアと、ウォルドの大きなハート型の色が、黄色から黄緑に変わっていた。




 村を出て、三日ほどたった後に、魔法学都にたどり着いた。


 大きな外壁に囲まれた都市で、中に入るために、都市の門番に、ウォルドが話しかけていた。


「よう、【ジャック】。変わったことは、無かったか?」


「お久しぶりです、ウォルドさん。特に変わった事はないですね」


 ウォルドは、門番の男の【ジャック】と話をする。ウォルドと、ラスディアは魔法学都の騎士団員だった。


「それで、現場先はどうでしたか?」


「大きな事故と聞いていたが、皆はもう無事に復帰することが出来たよ」


 大きな事故というのは、現場先で起きたことで、その時に担当の小隊が数人、負傷していた。


 その現場の応援のために、ウォルド達と数人の騎士団員に向かった。


 そして、問題が解決して、もしものために騎士団員を残し、ウォルド達が帰った。


 その後で、俺とイニスが鬼モグラに襲われている所に遭遇したのだった。


「……それから、セータ様に客人を連れてきた。今日は、どちらに居るか知っているか?」


 ジャックは、少し考えてから、思い出したように、


「うーん……。あぁ、そういえば朝に挨拶をした際に【博物館】に向かうと、言っていましたよ」


「そうか、ありがとう」


 ウォルドが、彼に礼を言ったとき、ジャックと目があった。


 大柄の体に鎧を着けて、スキンヘッドの日焼けをした彼は、ニカっと笑うと、


「はじめまして、客人というのは、あなた方か?」


「あっ、どうも、はじめまして」


 挨拶を交わすと、彼の頭の上にハートマークが上がった。……彼の【パラメーター】も、確認できるのか。


 それからウォルドは、馬小屋に立ち寄り、マルアイとアルメルンを小屋番に預けた。


「さて、荷車は後で行商人に渡すとして、博物館に行こうか?」


「まて、その前に行きたい場所がある」


 先を急ごうとするウォルドを、ラスディアは引き留める。


「うん、何か、あったのか?」


「全く、気づいていないのか?」


 ラスディアは、呆れるようにタメ息を付く。イニスも、しかめっ面だった。


「銭湯に行きたい。このまま向かったら、失礼だろう」


「そうですよ、ずっと旅路だったんですよ」


 確かに、もう三日も湯船に浸かっていない。私も、サッパリしたかった。


「わ、わかった。まず、銭湯に行こうか」


 彼は気圧されて、説得されて、俺達は銭湯に向かった。


 銭湯に着いて、俺とイニスはラスディアから、銭湯でのマナーを教わりながら、湯船の近くまで来ていた。


 ――まあ、俺は前世の記憶や、知ってる銭湯と殆ど同じだったので、本当は必要ないのだけれど。


「これ、お湯が出てくる!?」


 イニスが、ラスディアからシャワーの使い方を教わり、蛇口をひねり、お湯が出てきたことに、驚きの声をあげていた。


「驚いたかい?詳しくは、よく知らないのだが、これも【魔道具】の一種だそうだ」


 この魔法学都は、【魔道具】という、魔法の力を宿した道具が多く使われている。


 恐らくは、ボイラーのような魔道具があるのだろう。そのうち俺も、そういった魔道具を作成したり、修理したりするのだろうな。


 それから俺たちは、身体を洗い終わり、湯船に浸かっていた。その間も、イニスは驚いてばかりだった。


「……はぁ……もう、驚いてばかりで目が回りそうです」


「ふふっ。私も、この都市に来たばかりの頃は、そうだったよ」


 イニスは落ち着き、その様子を見ていたラスディアは、昔を思い出したのか、笑みをこぼしていた。


 その様子を見ていたイニスは、彼女の体つきを見ている。


「ラスディアさんって、スタイル良いですよね。羨ましいです」


 その言葉に俺は、ついラスディアの身体を見る。引き締まった筋肉質の身体が目に入る。


 しかし、その脂肪の少ない筋肉の線が整っていて、それが更に美しさを放っていた。


「そんなことはない。私だって、君達のようなスタイルが羨ましい」


 二人は、互いの体つきを、見つめる。そして、互いに恥ずかしくなったのか、湯の中に首の辺りまで体を沈めた。


 ――そういえば、壁の反対側は男湯だっけ。きっと、ウォルドが聞いていたかも知れない。


 この時に、【パラメーター】を確認できるのか、試したところ、【魅力】が三人とも上がっていた。


 ついでに、ラスディアのスリーサイズも……。


 着替えを済ませて、銭湯の男女共有スペースに戻ると、既にウォルドの姿があった。


「お、遅かったなぁ?」


 何故か彼は、焦っているような声を掛けてきた。それに対して、ラスディアは、


「どうかしたのか?」


「あー、何でもないんだ。気にしないで」


 彼の態度に、彼女は不思議そうだったが、俺には解った。――やっぱり、さっきの会話が聞こえていたな。



 そして、博物館へと向かう。博物館は幾つか種類があったのだが、ジャックから場所は聞いていた。


 それがこの、【生物博物館】だった。――何か、嫌な記憶があったような気がする。


「うわぁ、大きな鎧……」


 入口から入ると早速、イニスが驚愕の声を呟く。彼女が見たのは、二メートルはある鎧の展示物だった。


「それは、【リビングアーマー】だな。今は魂が入っていないから、安全だよ」


「学長が、インパクト重視だって入口に置いたんだよ。まぁ、動かないように【封印】も、してあるそうだよ」


 近くの受付の人に、学長の居場所を調べて貰っている間に、二人から、鎧の話を聞いた。


 ――【リビングアーマー】か、懐かしいな。こいつには前世で、かなり困らされた。


 ――あれ、どんなことが、あったんだっけ?また、重要な所で思い出せない。


 そうしていると、受付の方が調べ終わり、学長の待っている部屋へと向かう。


 その間に、他の一般客の【パラメーター】を確認しようとしてみる。 

 

 しかし、【パラメーター】には、顔だけが表示されていた。どうやら、条件があるようだった。


 そうして、ある部屋のドアの前で、ウォルドはドアノックをして、名を名乗った。


「セータ学長殿、ウォルド・グラムスです」


 すると、直ぐに返事が返ってくる。


「どうぞ、入っても大丈夫よ」


「失礼します」


 ウォルドを先頭に、俺たち四人は中に入った。最初に目に入ってきた光景は、大きな机に幾つもの書物が、重ねられていた。


 その書物の塔の奥で、椅子に座って居る。


 少しダボっとした服にケープを羽織った姿の眼鏡を掛けた、黒い髪の毛のおさげの女性。


 それが、魔法学都学長 【セータ・メビウス】だった。


――続く。

『ということで、魔法学都にたどり着きました。本当なら、もう少し話を進めたかったんですが、切りがいいので今回はここまでです』


「銭湯シーンなんて、入れるからだよ」


『まぁ、そうなんですけど。でも、ロック版との区別をつけたかったので』


「ロック版の方を、読んでいない方には、意味が分からないよ」


『では、この後で投稿する【ロック版】を読んでいただきたいです』


「……」



 以上です。もう一つの方の話も読んでいただけると幸いです。


 最後まで、読んでいただきありがとうございます。では、また次回。

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