8 ゲーム開始
絶賛インフルです。
目が覚めると目の前には、数本の天井に伸びる鉄の棒があった。
一瞬何か判断することは難しかったが、説明を思い出して、納得した。
これは、これが、『二度目のゲーム』なのだろう。おそらく内容は、監獄、だろう。
『おっはよーッ!! 呑気な豚ども~!? 起きろー! お前らに人権はぁ、なぁい!』
「――――」
僕は黙ってしまう。
外からも何も聞こえてこない。もしかして、皆バラバラの場所に捕えられているのだろうか。
『そりゃぁーそうダロー!? なぁんでワルイことした奴らに人権が存在すんだ!?』
――外からは何も聞こえない。僕も何も言わない。何か言っても、あちらに聞こえているとは限らないし、奴に何を言っても通用しない。と、僕自身思っている。
『あー言っとくけど、あんたらのわめいてる声なんてこっちにはき、聞こえてないんだからねっ!』
こちらが何も話していないというのに、恥ずかしい奴だ。
『じゃあいよいよルール説明しようかなぁ~! まず、このゲームの名はぁ……『監獄ゲーム』ぅ!!!! よぅし! じゃ、簡潔に説明しーます! まずは、部屋の箱を見て! 以上説明終わり!!』
箱――まだ見渡していないその部屋を端から端まで見渡す。
そしてベットと机の間、その黒い箱は存在した。
箱は半開きで、中から対照的な色が見えている。
僕は恐る恐る手を伸ばし、その紙を手に取る。
紙はA4サイズで、そこには箇条書きで、先程言っていたこのゲームのルールがつらつらと書いてあった。
・このゲームは、『監獄ゲーム』
・参加者は、十人
「十人……」
それは、僕たち以外にもここにとらわれている人がいるということだ。そして、僕達と同じ待遇を受けているかも分からない。
・このゲームの目的は、『この監獄から出ること』です
・基本設定として、あなたはあと一か月で処刑されてしまう、同じ境遇にいる人が十人いる、悪事を行った場合、残り日数を適した日数減らす、基本、看守の言うことを聞いていれば、残り日数が減ることはない、残り日数がゼロになった時点で、その人は――
『実際に処刑される』
背筋を汗が伝う。実際かどうかは、関係ない。その文言が、このゲームの狂気を語っている。
いや、これはもう、ゲームではないのかもしれない。
僕たちは人形でしかない。
「――なってたまるか……」
こんなところで見世物になるだけなんて。
誰もこんなことを許さないだろう。無論僕も許せない。
――操られるだけなんて、まっぴらだ。
『大方ルール読めたでしょー!? じゃあー……』
――開始ッ!!