3 bet ween
「――――。ふーん……気づいちゃったんだぁ……つまんないの~」
心底あきれ返った声がまた、大きな黒い箱から聞こえてくる。
その声を聞くたび――何故だか、胸が痛くなった。
「まあ、しょーうがないっかぁ~。ばれちったもんはばれちったんだしぃ。――まあこれからも頑張ってェ~……」
――再び沈黙が流れる。
すまないと、隣に座る少女に心の中で謝罪する。――すべての責任を彼女に押し付けたようなものだ。否が応でも心痛くなる。
「――。すま」
「悪いと思ってるなら、これからのこと考えて」
心を見透かされた気分だった。
「この人たちが起きたらどうするか――それを考えましょう。過去を見ても――今回に限っては、得るものはないわ」
正論だ。過去を振り返っても、何も得ない。ただ、人間と人形を仕分けただけだ。――それがもしも、本当の人間だとしても――ただの作業。今はそう考えることにしよう。
そうしないと――この先が辛くなるだろうから。
しかし。
これから、なんて、流暢に考える暇が今の僕らにあるのだろうか。
無意識に、天井を見渡す。
そこにはもちろん何もなくて、それが、僕らの未来を表しているようで、少し怖かった。
「君は――強いな」
視線を地面に落として、独り言のようにつぶやく。彼女の顔は、表情は、見えない。
「――私に対する敬意として受け取っておくわ」
その声は、少しとがっているように感じた。そう言ってほしくないと言っているような声だった、と感じたのは、気のせいなのだろうか。
――顔は、見れないままでいた。
顔をあわせないまま、声も交わらないまま、時間が過ぎていく。
「これから、か――」
「何が起こるか分からないわよ」
確かにそうだ。現に、全く訳の分からないことが、自身の外でも内でも起きているのだから。
窓から見えた景色は、黒く、光の瞬かぬ夜だった。
遅くなってしまった……!
ハロウィンまでに終わらせられなかったが、完結はさせますぞー!!