0 始まりを告ぐ雷
暗闇が照らされたその場所は。
歴史に名を残す城のような。
重く、優雅な雰囲気を醸し出していた。
まるで要塞。それが中からでもよくわかる。
目を覚まして、過去を思い出そうとする。
――。しっかり覚えている。だが――。
ここに連れてこられた経緯、意味――ここに関連するすべての記憶がなく、そして心当たりさえもない。
混乱の渦中、その渦に身を任せ、周りを見渡す。
――他にも何人か連れられてきているようだ。最も、現段階で起きているのは僕だけの様だが。
女が六人と、男が――自分含め――四人。
連れてこられたと分かるのは、皆が皆、服が私服と思われるもので、そこらに寝転がっているからだろう。
扉がいくつか。普通の家とは大違いの数で存在している。
しかし。
誰も起きなければ、行動できない。
行動できないわけではないが、一人行動するのは危ないし、それに――。
彼ら彼女らを――見捨てられる気がしない。
――。
外で雷が鳴り、屋敷を射し、僕――達を照らす。
ハロウィンの夜は、まだ始まったばかり。
ハロウィンまでには終わらせたいです。ていうか、ハロウィン当日に終わらせたいです。
感想、評価、なんでもござれ。