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狼ノ章 エピソード2
「タケシおじちゃん‼見てこれ!」
「んー?お兄ちゃんだぞ」
見た目は三十代。実際は二十代。ちょっと老けているから、おじいちゃんといってみたら嫌がったので、それからずっとおじいちゃんと呼んでいる。
仕事はというと、この村の門番的存在らしいのだが、その仕事についてから、仕事をしたことはたったの一度もないらしい。平和だ。
「おぉ、いいもん持ってんじゃん。くれ」
「タケシおじいちゃんはなんかくれんの?」
「ぐ……」
仕事はいつもないので、いつも暇をしている。畑は仕事柄持っていないので、手伝いをして野菜をもらっり、このように貰い物で生きている。
「じゃあ、明日特訓しようぜ。芋五個分で」
「三」
「四」
「三」
「四」
「二」
「……わかったよ。三個でいい……」
「わかったのならよろしい」
完全なる勝利だ。気持ちいい。
この村は日本という国のどこかの森にある狼の村。
人間はもう何百年も近寄っていない。
これは、悲しい物語。
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では、次のお話で。